
♯2🚑⛑️救急隊が行う死亡判断🩺~救急隊は何を根拠に死亡判断しているのか?~
お疲れ様です🍵
あおぞらです。
前回は、
「死亡判断の誤診は冬だけではない」
というテーマでお話ししました。
今回は、
救急隊はどんな根拠で死亡判断を行っているのか。
その法的根拠と、現場判断の難しさについて整理していきます。
━━━━━━━━━━━━━━━
2-1 死亡判断の法的位置づけ
━━━━━━━━━━━━━━━
救急隊はどんな根拠で判断しているのか?
📖 救急業務実施基準
(昭和39年自消甲教発第6号)第19条
「傷病者が明らかに死亡している場合又は医師が死亡していると診断した場合は、これを搬送しない」
👉つまり
「明らかな死亡」=搬送しない
救急隊(隊員および准救急隊員)は、現場で「明らかに死亡している」と判断された傷病者、または医師が「死亡」と診断した場合には、搬送しない。
つまり、
救急搬送の対象から除外することが、実施基準として明文化されています。
しかし、ここで一つ整理しておきたいことがあります。
救急隊が、
独自に「死亡診断」を行っているわけではありません。
救急隊は、
定められた基準に基づき、
「明らかに死亡している状態かどうか」
を、現場で観察しています。
そして、
その観察を誤らないことが、
救急隊にとって非常に重要になります。
━━━━━━━━━━━━━━━
⚠️しかし問題はここ
━━━━━━━━━━━━━━━
👉 「明らかな死亡」って何?🤔
救急業務実施基準には、
「明らかな死亡の場合は搬送しない」
と示されています。
しかし、
実際の現場では、
何を根拠に「明らかな死亡」と判断するのか?
という疑問が残ります。
そのために示されたのが、
👉 「適正な観察の実施通知」
具体的な該当項目を示した通知です。

https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/assets/300604_kyu109.pdf
つまり、
「見た目だけで死亡と判断しないため」
に、
救急隊が確認すべき項目や観察方法が、
具体的に示されているということです。
💡現場では
各所属の内規 + この通知
で判断しています。
私の所属では、これらの条文を引用し、
救急隊と消防隊それぞれに、
業務基準である内規があり、
それに基づいて活動していました。
👉 今一度、自分の所属基準を見直す価値あり。
普段は、
あまり意識する機会がないかもしれません。
しかし、
いざという時に迷わないためにも、
自分たちの所属では、
どのような基準で「明らかな死亡」を判断しているのか。
一度、確認しておくことは大切だと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━
2-2 現場の判断はなぜ難しいのか
━━━━━━━━━━━━━━━
ニュースでも見かける誤診事例。
絶対にあってはならないことなのに…
ベテラン救命士が2名で対応した事案もありました。
ここで考えたいのは、
「経験が浅かったから」
「知識がなかったから」
という、
単純な問題ではないということです。
基準を知っていても、
経験を積んでいても、
現場では、
さまざまな影響を受けます。
「家族から、
もう亡くなっていると聞いている」
「見た感じ、
明らかに死亡している」
「複数の隊員が、
死亡だと思っている」
こうした状況の中では、
知らず知らずのうちに、
最初に出した結論に引っ張られてしまうことがあります。
そして、
一度、
「死亡している」
と思ってしまうと、
その後の観察も、
「死亡していることを確認するための観察」
になってしまうかもしれません。
本来、
観察とは、
最初に出した結論を裏付けるためだけに行うものではありません。
「本当にそうなのか?」
という視点で、
一つひとつ確認することが必要です。
ベテランだから起こらない。
経験があるから大丈夫。
そんな単純な話ではないのかもしれません。
👉 なぜ起こるのか?

━━━━━━━━━━━━━━━
✔️ 結論
━━━━━━━━━━━━━━━
👉 死亡判断は「難しい」
理由はシンプルです。
救急隊には、
判断のための基準があります。
観察すべき項目も示されています。
しかし、
現場は、
教科書や通知のとおりに、
いつも同じ条件で進むわけではありません。
傷病者を取り巻く環境。
家族から得られる情報。
現場の雰囲気。
そして、
救急隊自身の経験や考え方。
さまざまなものが、
知らず知らずのうちに、
観察や判断に影響を与える可能性があります。
👉 死亡判断には、ピットフォールに陥りやすい要因が潜んでいる。
どんな要因でしょうか?
━━━━━━━━━━━━━━━
📖 次回予告
死亡判断の誤診は、
一人のミスだけで起こるものではありません。
そこには、
🧠 認知的要因・・・「思い込み」
💭 心理的要因・・・「ためらい」
🌧️ 状況的要因・・・「追い込まれる環境」
という、
複数の要因が複雑に絡み合っています。


次回は、実際の事例をもとに、
「なぜ誤診は起こるのか?」
そのピットフォールについて、
一緒に考えていきたいと思います。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました😊
この記事が少しでも参考になったと感じていただけたら、「スキ❤️」を押していただけると励みになります。
また、
現場で役立つ知識や経験を発信していますので、
フォローして、
次回の記事もご覧いただけると嬉しいです。
それでは、
また次の記事でお会いしましょう🌿
📖 この続きは有料連載で詳しく解説しています。
✔ 死後硬直の本当の見方
✔ 死斑をどう評価するのか
✔ 角膜混濁
✔ 死後冷却
✔ 現場で迷わない判断力