
SSTって何?子どものデイサービスで行われている理由
「うちの子が通っているデイサービス、SSTをやっているみたいだけど……そもそも何をしているんだろう?」
そんな疑問を持ったことはありませんか。今日は、児童デイケアで行われているSSTについて、わかりやすくお伝えします。
SSTとは
SSTとは「Social Skills Training(社会生活技能訓練)」の略です。
人とのやり取りの中で必要になる力。挨拶をする、順番を待つ、気持ちを言葉にする、相手の表情を読み取る。こうしたスキルを、練習を通して少しずつ身につけていく取り組みです。
もともとは精神科の領域で発展してきた技法ですが、今では発達支援の現場でも広く取り入れられています。
精神科のSSTと、児童デイケアのSSTの違い
実は同じ「SST」という名前でも、精神科で行われるものと、児童デイケアで行われるものとでは、目的や進め方が少し異なります。
精神科のSSTは、統合失調症や気分障害などを抱える方が対象です。症状との付き合い方や、対人関係の築き方、服薬の管理、就労に向けた準備など、社会生活を送るうえで必要な力を取り戻すことを目指します。モデリング(お手本を見る)→ロールプレイ→フィードバック→宿題、という段階を踏む、構造化されたプログラムとして行われることが多いです。
児童デイケアのSSTは、発達がゆっくりなお子さんや発達特性のあるお子さんが対象です。挨拶・順番待ち・気持ちの伝え方など、これから育っていく基礎的な社会性を、遊びやゲームを通して楽しく身につけることを目指します。カードや絵などの視覚的な工夫を使いながら、その子の発達段階に合わせて、無理なく進めていくのが特徴です。
対象も目的も違いますが、「いきなり本番で失敗するのではなく、安全な場で練習してから実践に活かす」という考え方は共通しています。
児童デイケアでの具体的な内容
実際のデイサービスでは、こんな活動が行われています。
あいさつやお礼の言葉を、ロールプレイで練習する
すごろくやカードゲームを通して、順番を待つ・ルールを守る経験を積む
「今どんな気持ち?」を絵カードで表現する練習
お友達とのちょっとしたトラブルを、大人と一緒に振り返る
どれも「訓練」というより「遊び」に近い形で、お子さんが楽しみながら取り組めるよう工夫されています。
期待できる効果
SSTを続けることで、園や学校でのお友達とのやり取りがスムーズになったり、自分の気持ちを言葉で伝えられるようになったり、少しずつ変化が見えてくることがあります。
ただし、効果の現れ方には個人差があります。「すぐに変わらなくても当たり前」という気持ちで、長い目で見守っていただければと思います。
家庭でできるサポート
デイサービスでの学びを、おうちでも少しだけ意識してみると、お子さんの力の定着につながります。
デイでの出来事を「今日はどんなことがあった?」と聞いてみる
できたことを、小さくても言葉にして伝える
家庭でも同じ言葉かけ(例:「順番だよ」「教えてくれてありがとう」)を使ってみる
無理にたくさんやろうとせず、できる範囲で大丈夫です。
まとめ
SSTは、お子さんが「人と関わる力」を、その子のペースで少しずつ育てていくための取り組みです。
精神科の現場でも、児童デイケアの現場でも、根っこにあるのは「安心できる場で、練習を重ねていく」という考え方。焦らず、お子さんの歩みを一緒に見守っていけたらと思います。