
猫に会いに、世界を旅する 01|ギリシャ・サントリーニ島(2019年)ー世界一の夕日、霧の朝
2019年のゴールデンウィークに訪れたギリシャ。エーゲ海に浮かぶ4島(サントリーニ島・パロス島・ミコノス島・イドラ島)を巡りました。
今回は、サントリーニ島での出来事を振り返ります。
最初の猫に出会うまで
ギリシャには猫がいるらしい。そんな話をよく耳にしていたので、「行けば何とかなるだろう」と特に下調べもせず軽い気持ちで出発しました。
飛行機を乗り継ぎ、サントリーニ島に降り立ったときにまず目に飛び込んできたのは、白い壁と青いドームが織りなす美しい景色でした。ところが、その白は想像以上にまぶしく、自分の目で見て初めて「サントリーニ島の白がどんな白なのか」を知ることができました。
感覚だけを頼りに歩き始めた道の途中。ふと日陰に目をやると、いました!最初の猫。優雅にくつろぎながら、通り過ぎる観光客を見守っていました。
猫を目的とした旅はこの時が初めてでした。だから、「もし会えなかったらどうしよう」という不安も心のどこかにあって、最初の一匹に出会えた瞬間の安堵感は今も鮮明に残っています。
あぁ、ここにも猫がいる、旅がいよいよ始まるんだ。そんな思いが、じわじわと湧いてきました。

霧に包まれた朝
サントリーニ島で迎えた最初の朝は、意外な景色から始まりました。
部屋の扉を開けた瞬間に目の前に広がっていたのは、濃い霧に包まれた静かな世界でした。遠くに見えるはずの青いドームも、石畳の道も、輪郭をぼんやりと霞ませ、まだ夢の中にいるのではないかと思うほど不思議な雰囲気でした。
そのまま散歩に出かけると、霧の向こうに教会の建物が現れ、黒猫たちが集まっていました。静寂の中、霧に包まれた教会と黒猫。この光景が非常に神秘的で、まるで絵画の中に迷い込んだ気分になったのを今でもよく覚えています。

やがて霧は少しずつ晴れ、街の景色はパステルカラーに色を変えていきました。白い壁に反射した朝の柔らかな光と青い海。サントリーニ島らしい景色が顔をのぞかせる頃、クルーズ船の日帰り観光客たちの姿も少しずつ街に増え始めていました。

世界一の夕日の街
サントリーニ島といえば、やっぱり「イアの夕日」。日没が近づくと、高台の夕日鑑賞スポットは身動きがとれないほどの人で埋め尽くされます。何時間も前から場所取りをしている人もいて、その熱気に圧倒されました。
私は人混みが苦手なので、自分のペースで落ち着いて夕日を眺めたく、日没は誰もいない静かな場所で迎えました。ふと見上げると、猫たちも建物の上の特等席から静かに夕日を楽しんでいるようでした。

太陽が海に沈み、空が夜の色に変わり始めた頃、人混みが落ち着いたのを見計らって夕日鑑賞スポットに行ってみました。そこで出会ったのは、夜景の美しさでした。紺色へと移り変わった空に明かりが灯る白い街並み。その輝きは、夕景とはまた違う特別な景色でした。この場所で夜景までゆっくり待つのもいいみたいです。

昼間は観光客であふれていたイアの街も、早朝には別の顔を見せてくれました。夜明け前、静寂に包まれた石畳の道を歩いていると、猫たちが出迎えてくれました。

白い街並みが朝日に染まり、金色へと変わっていく様子も、サントリーニ島の忘れられない景色のひとつです。

丘の上の小さな村
観光の中心部を離れ、丘の上にある小さな村を訪れました。お店も少なく、賑やかさはありませんが、のんびりとした空気が漂い、時間までもゆっくり流れているように感じました。
丘を登っていくと、お土産屋さんがありました。店先では数匹の猫たちが思い思いに過ごしていて、「いらっしゃいませ」と出迎えてくれているようでした。このお店では、村に暮らす猫たちのお世話もしているそうです。日本でいう「地域猫」に近い存在でしょうか。

さらに坂道を進み、丘の上まで登ると、そこには花畑が広がっていました。花の間を縫うように歩く猫にも出会いました。朝には空がほんのりとピンク色に染まり、どちらも絵本の中に迷い込んだような気分になる景色でした。
観光地の喧騒から少し離れるだけで、こんなにも静かで心地よい時間が流れる場所があることに驚かされました。

サントリーニ島では、猫たちが教えてくれた景色がいくつもありました。賑やかさも静けさも、そのどちらもが、この島の魅力なのだと思います。
次回はパロス島での出来事をお話ししたいと思います。