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【簡単あらすじ】マイクロスパイ・アンサンブル(微ネタバレ)【伊坂幸太郎/幻冬舎文庫】


    『 松嶋君って、エンジン積んでないよね。』


    福島県猪苗代湖付近で毎年開催されている、
    音楽とアートのフェスティバル「オハラ☆ブレイク」
    で配布された作品と、本作のための書き下ろしをまとめた一作。

    普通の大学生と、小人のスパイ。

    小さな奇跡と笑える偶然が散りばめられた

    読了後にほんの少し心が上向く物語です。





    ―

    『はじめに』
    日本各地で雪の便りが届くようになり、東北南部も外出には厚手のコートが必要な季節になりました。そうすると、必然的に家や自室で過ごす時間が増えることになり、読書も捗る季節とも言えます。
    このように、読書をするための絶好のシチュエーションを得られる時期ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

    ーー


    福島県民や音楽が好きな方々にはお馴染みの、猪苗代湖畔で開催されている
    音楽とアートのフェスティバル

    「オハラ☆ブレイク(オハラ☆ブレイク‘15夏~オハラ☆ブレイク’22秋まで)」

    のリーフレットに連載された作品+書き下ろしの物語です。

    物語は大きく分けると、「普通の大学生」と「小人の世界?のスパイたち」の二つの視点で進みます。

    この二つの世界は全く異なる世界線ですから、片方から干渉があったとしても「たった一瞬の出来事」で「何かがほんの僅か動いた」などといったことしかありません。

    ただ、そんな僅かなことでも、大きく運命が変わることがあります。

    そして、二つの世界の片隅で、何かが三つ揃った時に現れる「異国の扉」。

    この扉で、互いの世界を行き来することも出来ます。

    二つの世界を行き来した人物が、
    何を感じて・何を残し・何を持って帰るのか。


    ―

    「オハラ☆ブレイク」は一年に一度の開催なため、物語も基本的には、一年進んだ状態で次の話に進んでいます。

    おじさんの一年と、若い方の一年は全く違うため、

    普通の学生は社会人になり、恋愛をしたり・結婚したり・出世したり・子供が大きくなったり。

    小人のスパイも、捕まってしまったり・担当任務が変わったり・所属していた組織が激変したり。

    そして、本作は、以前レビューしました・アイネクライネナハトムジークと同様な「音楽とのコラボ企画」

    ということでもあるので、私にも刺さるフレーズがたくさん散りばめられていました。

    <時間とヒトの気分はコントロール不能になった>

    P91

    <僕の大好きな あのヒトが ちゃんと幸せだったらいいな 僕の大好きな あのヒトが ちゃんと裕福だったらいいな>

    P199

    <あの頃に戻りたいって そうゆうコト言わない/あの頃に戻りたいって それじゃ今日に失礼>

    P284

    ファンタジーだと分かりながらも、絶対にありえないとは言い切れない設定で進む物語。

    くだらない小さな奇跡と、笑える偶然が散りばめられた、伊坂さんのモットーである「読了後に、心が角度的に三度くらい上向きになる」ような、
    これぞ伊坂ワールドと言い切れる作品を、是非ご一読ください。


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