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【簡単あらすじ】入れ子細工の夜(微ネタバレ)【阿津川辰海/光文社文庫】


    『 ようやく馬脚を露わしましたね、先生 』


    各編とも現実とリンクした、ノンジャンル・様々な形式のミステリー。

    感情移入しやすく、深く楽しめる作品です。

    各短編が作品中に何度も「反転」する本作、
    是非ご一読ください。





    ―

    『はじめに』
    十月に入り、ついに過ごしやすい・秋らしい気候になってきました。
    こうなると、風呂上がりから寝る前のちょっとした時間などでの読書が大変捗ります。
    この時期は「読書の秋」と昔から言われていますが、読書をするための絶好のシチュエーションを得られる時期ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

    ーー

    以前レビューしました、盗聴された誘拐

    と二カ月連続で刊行された一冊です。

    ー

    1.危険な賭け ~私立探偵・若槻晴海~

    『 きみが、牧村真一を殺したんだね 』

    フリーの雑誌記者・牧村真一が殺された。
    犯人への手掛かりは、一冊の本。
    私立探偵・若槻晴海は、その情報を頼りに町の古本屋を巡る。

    ー

    2.二〇二一年度入試という題の推理小説

    『 K大学○○学部 小論文「犯人当て」』

    各大学が新しい入試方式に知恵を絞る昨今、
    ある大学では、(悪い意味で)一風変わった試験が行われる。

    その真意は、
    小論文の書き方は対策されつくし、テクニック化されている。
    本当の「論理的思考」を測る試みとして、
    「オリジナル推理小説の犯人当て」によるテストを考案したという。

    ー

    3.入れ子細工の夜

    『 ここは、長い長い夜の途中。』

    ある小説家が買い物から帰り、書斎へ戻ると、
    机の後ろの金庫の前に一人の男が立っていた。
    小説家が訊ねると、新しい編集者だと言う。

    小説家は、自分の創作の秘訣はリアリティの重視である、と言い、
    その編集者と新しい小説のプロット(二人芝居のミステリー)を
    演じながら、内容に矛盾が無いか確認することを提案する。

    ー

    4.六人の激昂するマスクマン

    『 俺は、この中に犯人がいると思っている 』

    関東の六つの大学のプロレス愛好サークルが集まって出来た集団・
    全日本学生プロレス連合。

    第五十回の総会に集まった各大学の覆面レスラーである、

    W大学代表 ズルムケ・マランプ|
    A大学代表 バイオレット・ボア|
    H大学代表 ウルフ山岡|
    K大学代表 ホークアイ鷹城|
    T大学代表 ファントム・ザ・グレート| の五人。

    しかし、S大学代表のシェンロンマスク四十九世だけが
    いつになっても現れない。

    そこに、リングアナウンサーの坂田大介が登場し、こう言った。

    「羽佐間二朗が殺された」


    ―

    全作品好きな内容なのですが、その中でも

    「二〇二一年度入試という題の推理小説」

    が好みです。

    入試に推理小説の犯人当てを出題するという、かなり奇抜な舞台設定です。

    作品中の解答発表での「謝罪文=記述の削除」の部分を読み、私の今までの試験を思い出しました。

    小論文の試験でこんなに内容が訂正されたらたまったものでは無いですよね笑

    発表後の詳細は書いていませんが、物凄い批判が集まったことは想像できます。

    私も当事者なら怒り狂うでしょうね笑

    (まだ)この形式での入試試験は行われないでしょうが、「推理小説の犯人当て」を試験にするというのは大変魅力的に感じました。

    何かしらの試験で採用されないでしょうか…?

    大学入試など、人の人生を大きく左右するような試験でなければ、私も一度受験してみたい内容です。


    ―

    作者の阿津川辰海さんは、館シリーズのような長編作品も

    (シリーズ最終館も楽しみです!)

    本作のような短編集も

    ハズレ無しの方なので、
    興味が出た方は、まずは一冊ご一読ください。



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