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【簡単あらすじ】続シャーロック・ホームズ対伊藤博文(微ネタバレ)【松岡圭祐/角川文庫】


    『 きみがいたからこそなんだ、ワトソン 』


    世界的名探偵と日本の政治家のコラボ、
    スピンオフ作品の第二作です。

    日本を舞台に、老いを感じているホームズが活躍する。

    原作では考えられない読了感を得られる本作

    是非ご一読ください。



    ―

    『はじめに』
    日本各地で雪の便りが届くようになり、東北南部も外出には厚手のコートが必要な季節になりました。そうすると、必然的に家や自室で過ごす時間が増えることになり、読書も捗る季節とも言えます。
    このように、読書をするための絶好のシチュエーションを得られる時期ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

    ーー

    『 諸君らの罪状を述べる 』


    いつものように探偵業を続けているホームズ。

    ある日、事務所に「デイリー・メール」の記者が訪問する。

    内容は、以前解決した事件において、推理内容が間違っているのではないかという指摘だった。

    ホームズは自らの老いを感じ、ワトソンの制止を振り切り引退を決意する。

    ロンドンを引き払って六年後。

    ホームズが住む田舎町にワトソン一家が訪問してきた。

    嬉しいながらも素直になれないホームズ。
    食事の後にかわされた、久しぶりのワトソンとの会話も少しぎくしゃくする。

    その会話の途中に、緊急の電報が届く。

    それは「伊藤博文が無くなった」という知らせだった・・・


    ―

    前作、シャーロック・ホームズ対伊藤博文の続編であり、前作を読了したほうが間違いなく楽しめます。

    冒頭で、ある事件においての推理が間違っていたのではないかという告発がされます。

    シャーロック・ホームズというと、「知能・運動能力ともに優れている名探偵」というイメージを、私だけでなく多くの方がお持ちだと思いますが、こんなスタートから始まり冒頭から一気に引き込まれました。

    ホームズのような人間だけでなく、人間誰もに平等に襲いかかり、それに向き合わなくてはいけない敵?である「老い」。

    ホームズも普通の人間のように、それに抗いながら、そして本作の敵と対決していくことで、少しずつホームズなりの変化が表れます。

    涙腺を刺激されることがあったとしても、それはこの煙のせいだろう。
    親子の情を見守るのは苦手だ。

    P186

    都合のいいことだけ発表して、ありのままを伝えずに、自分の尊厳を守ろうなんて馬鹿げている。
    僕らはまだこれからなんだ。人生にはいつまでも成長がある。だから素晴らしいんじゃないか。たとえ第一線を退こうとも、なにも終わりはしない。新章の扉が開くだけだ。

    P335

    上記しました、本作の一節だけでも、若い頃のホームズには無かったものであり、振舞い・考え方に変化があることが分かります。

    以前から記事にしているように、

    ガリレオシリーズの湯川教授

    や、鬼平犯科帳の長谷川平蔵

    のように、若い頃の性質や活躍も好きですが、カッコイイ・尊敬出来る歳のとり方が出来るキャラが活躍するシリーズが、私はとても好きです。

    本シリーズも、これらの作品と同じく続編が読みたいシリーズになりました。

    海外の名探偵と日本の礎を築いた政治家という異色のコラボ作品ですが、内容に齟齬や違和感など感じることはありません。

    多くの読者に受け入れられるだろう、
    シャーロック・ホームズのスピンオフ作品を是非ご一読ください。


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