
【簡単あらすじ】十字屋敷のピエロ(微ネタバレ)【東野圭吾/講談社文庫】
『 嫌いよ。とても嫌い。ーーとても嫌いになったの 』
必ず悲劇を招くというピエロが飾られている屋敷、
通称:十字屋敷。
誰が・何のために・なぜ殺人事件を起こすのか。
30年以上前の作品ですが、現代でも色褪せない本作を是非ご一読ください。
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『はじめに』
東北南部はお盆を過ぎても雨模様が続き、外出を躊躇うことが多くなっています。とはいっても、気温は30℃を超えることも多く、蒸し暑い状況が続いています。
そうすると、積極的に外出しようとする気力も失われてしまうので、部屋で過ごすことが多くなり、現在は読書が捗る時期とも言えます。
このように、読書をするための絶好のシチュエーションを得られる時期ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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竹宮水穂は、大学卒業後様々な職業を体験したり、気分転換にオーストラリアにしばらく住んだりしていた。
水穂は今、北欧風の二階建て建築「十字屋敷」の前に立っている。
この屋敷は、十文字に交差する廊下と、廊下を挟んで二つの部屋が向かい合っているという、特殊な構造をしている。
そこで水穂を出迎えたのは、生まれつき足が不自由でずっと車いす生活を続けている、従妹であり・子供のころから妹のように接している竹宮香織。
香織の母・頼子が昨年の暮れにノイローゼによる発作的な自殺で亡くなっていたこともあり、心配していたのだが表面上は変わらないように見え、水穂は安心する。
二人が久しぶりの再会を楽しんでいると、突然、屋敷の主人に是非会いたいという「人形師・悟浄」が屋敷を訪ねてきた。
家族の多くが墓参りに行っているため、祖母・竹宮静香と香織・水穂で人形師に対応すると、竹宮家にあるピエロを是非引き取らせて頂きたいとのことだ。
そのピエロは自分の父が作成したものだが、「悲劇のピエロ」といって手に入れたものを必ず不幸にするというジンクスがあるため、何とか取り戻してしかるべき方法で処分して欲しいという父親の遺言もあり、引き取らせて頂きたいという申し出だった。
確かに、そのピエロは頼子の自殺の際にも、たまたま邸内に飾られていた。
静香は、他の者の了承を取らなくてはいけないから、翌日にもう一度来て欲しいと伝え、悟浄はしぶしぶ翌日の来訪を約束する。
関係者が揃ったその夜は、晩餐会が開催され盛況のまま幕を閉じる。
しかし翌朝、水穂は悲鳴でたたき起こされた。
地下のオーディオ・ルームで、香織の父・宗彦がうつぶせで亡くなっていたという。
そして、その横には宗彦の秘書・三田理恵子も一緒に亡くなっていたのだった。
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本作は、14人の主な登場人物と、「ピエロの目」という、舞台となる竹宮家に関係している人間ではなく、異質な物としての視点を含め物語が進んでいきます。
当然のごとく、このピエロが事件のカギを握っているギミックなのですが、読了後に
「なぜピエロ(=人形)でなくてはいけなかったのか」
「ピエロの存在意義は何か」
など、理由が分かりとてもすっきりしました。
きちんとミステリー要素を入れながら、そこに「登場人物一人一人の考え方」や「登場人物の関係性」、そして「人間の怖さ」などを丁寧に入れ込んでいるスタイルは、新参者など現在の東野作品につながっている作品と感じました。
この作品を、1980年代&三十歳ほどで執筆されていることに今更ながら驚きです。
30年以上前の作品ですが、舞台設定や人物の考え方が現代と比較しても色褪せなく、時代背景の違いなどで引っ掛かることもありませんでしたので、少し昔の作品ですが、是非皆さんもご一読ください。
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