
【旅日記#14-2】新千歳空港・札幌を往く、人生初のひとり空の旅(1日目〜2日目)
秋口のある日、私は現在の職に就いて初となる出張へと出向いた。
しかし行きの飛行機が天候不良で振り替え対応になったため急遽5時間以上も早く出発することとなり、開幕からてんやわんやの状況になりながら何とか新千歳空港へと赴く。
(前回はこちら↓)
そんな慣れない環境の中、旅はこれからが本番。今回は北広島に立ち寄りつつ1泊し、札幌で仕事に出るまでの模様をお送りしたい。
1日目
17:00 北広島市
空港で遅めの昼食兼夕食を済ませた私は、思いがけず早く着いて時間が余ったため、ホテルに向かう前に軽く北広島市を見に行くことにした。さすが道内最大の空の玄関口、JR新千歳空港駅から快速エアポートに乗る面々は外国人観光客から部活の遠征と思しき学生まで多彩。
道中ではときおり外国人が学生に話しかけていて何事だろうと思っていると、どうやらアナウンスで流れた恵庭という駅名が"anywhere"に聞こえるらしく、「どこでも(=anywhere)停まるって面白いね」とのこと。
私も人並み以上に地名好きではあるけれども、外国の方の視点は日本人には盲点だった。私は横で聞いていただけだが、確かにちょっと面白い。
そんなこんなで、北広島駅へは20分ほどで到着。外は相変わらず雨が降っていて、ホームに屋根があるのがありがたい。

そこまで大都市という感じではない北広島。
しかし列車の本数の多さはさすが

Fビレッジができてからというもの、
街全体で野球推しが凄まじい!
駅構内は半円状の屋根が特徴的で、ガラスの部分が多く取られていて開放感がある。現在建設の話が上がっている新駅「Fビレッジ駅」が開業するまではここがエスコンの最寄り駅だから、内装もファイターズ要素がいっぱいだ。

建物の中にコンビニがあるという光景も
田舎育ちとしては新鮮に映る
ここからFビレッジへは毎時2往復(試合の有無によってはダイヤが変更になることがあるので事前に要確認)のシャトルバスが走っていて、歩いて30分のところをわずか5分で結ぶ。
料金は片道250円、雨は次第に強くなるばかりで耳をつんざく雷鳴も轟く中であることを差し引いても、この条件なら課金するほかない。傘の持ち合わせはなかったが、リュックに折りたたみレインコートが入っていたので、それを着込んで乗り場へと走った。

こんな天気でも意外と乗客は多い
やはりファイターズのお膝元だけあって車内放送では選手の声が流れ、短い道中においても人々の気分を高めることには余念がない。
そしてバスは北海道ボールパークFビレッジ内、「エスコンフィールドHOKKAIDO」前に到着する。
道内に住んでいるとテレビで見ない日はまず無いと言っていいほどの超有名施設であり、野球にはさして明るくない私でも思わずテンションが上がる。試合がない日は無料で自由に出入りできるのも嬉しい。

コカ・コーラゲートの名の通り、
ガラスの奥に大きなコーラのオブジェが見える

試合の日はどれだけの人が押し寄せるのだろう
入るとそこは球場の2階、間もなく視界にグラウンドが飛び込んできてのっけからハイライトである。この日は後日に控えたイベントの準備が行われており、主に関係者や会社の視察で来ている方々が見受けられ、観光客の密度は低めで落ち着いて見て回ることができた。

これだけ広いのに、席に全然人がいないのが何だか変な感じ
私が野球場に来たのは中学校の修学旅行で札幌ドームに行った以来。そこも大きかったけれども、やはり新しいだけにとても綺麗だ。
時間が中途半端なこともあってその活気は最大ではなかったものの、各フロアには飲食店も点在していて、ぽつぽつと席でビールを飲む人の姿も。また、かなり高額ではあるが「バルコニースイート」なるオールインクルーシブの特等室もあるらしく、思い思いの形で野球観戦を楽しめるようになっている。

どのアングルからが一番よく見えるのかと
色々歩き回って想像するだけでも楽しい
売店は上の写真の後ろあたりにあり、選手のグッズやユニフォームはもちろん、お菓子にキャラクターのマスコットなど品揃えは多数。階段を上って2階にも店舗が続いていて、そちらはアパレル系が多かった印象があった。

ダルビッシュ有選手が目印の「タワー11」へ。
なんと棟内には温泉や宿泊施設もあるという
さらに球場内をぐるぐる回っていた中、ファイターズのさまざまな記念に関するギャラリーを見つけた。これはファンにはたまらないだろうし、新規層にとっても関心を高めるきっかけになるに違いない。
しかし、そこかしこに階段があるのでもし迷子になったら大変そうだなあ⋯。

背後にはファイターズ50周年の壁画もあり、
並々ならぬ歴史を感じさせる

栗山英樹元監督の像。
その名から北海道栗山町と親交が深いのはあまりにも有名

その日付は今年の8月19日、
思った以上に最近の出来事だった!
数々の飲食ブースやキッズスペースを横目に歩いていたところ、またも展示が。壁一面に張り出されたチームの歴史のほか、近くの一角にはこのエスコン自体の建設に関わる資料も並んでいて、球団と球場の両面からファイターズについて知ることができる場所になっていた。

せっかくの写真スポットなのに
新庄監督が見切れてしまったのが心残りである

近くにFビレッジ駅が開業したら、
交通の流れは今とは大きく様変わりするだろう
この脇にあるエスカレーターを上ると頭上には見覚えのある巨大コーラが現れ、これにて館内を大まかに1周したことになる。
いやはや、これは噂に違わず凄いところであった。単に試合を観るだけに留まらない、様々なコンテンツが集まったさまは野球場の枠を超えて観光スポットとして一線級の人気を誇るのも確かに納得だ。さすが!

ボールパークの公式キャラクター。
館内各所で見られるほか、グッズ等も色々あった
18:45 千歳市で1泊
帰りのシャトルバスに乗る頃には雷は落ち着いていて、雨もいくらか小降りになっていた。北広島駅から再び列車に乗り、本日の宿のある千歳に向かう。
この動きだけ見るとせっかく札幌に近づいたのにわざわざ千歳に戻るのはやや非効率に思えるが、これは最終便の飛行機で降り立ち、すぐさまホテルに直行するという元々の段取りの名残である。

辺りはすっかり暗くなっていた。
ガラス張りの通路がキレイ
札幌圏ですごいと思うのは、あまり時間を気にしていなくても何となく待っていればだいたい数分で列車が来ること。私が大学時代乗っていたローカル線は平均して70〜80分に1本で、時には1つ逃しただけで3時間以上待ちぼうけになったこともあるから、時刻表に縛られなくて良いのは実に気楽なものと言える。

本数が多いからか、待っている人は少なくて意外に静か

現地の地名が書いてあるものを見ると
遠方に来た実感が湧いてきて気分が上がる
今度の快速エアポートも座れる場所はなかったが、立っている人もお供はワイヤレスイヤホンとスマホであり、吊り革を握る姿は見えない。
揺れる車内で平気な顔をして立っているのはもちろん、私の中では駅と駅の間はだいたい圏外という認識があり、これがこちらの日常なのかとカルチャーショックが止まらない。通勤電車の中でnoteを開いているという方の記事を拝見する度に「本当に?」と思っていたが、なるほど、都会はそういうもののようだ。
北広島から10分ちょっとで着いた千歳市は、空港に国道36号、JRといった札幌圏の主要な交通手段が揃う街。中心駅もさぞ立派なのだろうと思っていたら、想像したよりも堅実で実用に徹した造りだった。
改札を出ていく人波も、どこか遊びより仕事の空気を身にまとっているように感じる。

洗練された空間ではないものの、それもまた味がある
駅の隣のセブンイレブンで買い出しをする。先ほど空港でうどんを食べたばかりなので夜は軽くでいいかとなり、買ったのは炭酸水とレジ横のチキン、それに明日のパン。明日は本題の仕事があるから、前夜は質素にいくとしよう。

夜の光が目立つのは、街が濡れているせいか

流行りの地名モニュメントは明るいのに
正面の「JR千歳駅」に照明がないのがちょっと意外

駅前通りは国道337号、
小樽と千歳をぐるりと結ぶ環状線的な路線だ
今晩お世話になるのは「千歳エアポートホテル」。
駅から歩いて2、3分という好立地で、千歳市街の中では割安ということもあり出張にはうってつけのビジネスホテルである。

空港の近くかつ札幌にも行きやすい所に
こうした拠点があるのは非常に助かる

枕元にコンセントがないので、
自ずと寝る前のスマホが抑制された
ふう、色々あったが今日はこれで一段落だ。
まだ女満別を飛び立って4時間しか経っていない事実に驚愕しつつも、適当なYoutubeを流しながら前述のチキンと炭酸水を頂く。華はないが、これもひとり旅の醍醐味のひとつであろう。
ちなみに、本来私が乗る予定だったANA4868便は実際どうなったのかとサイトを見てみると、逆区間を飛ぶ千歳→女満別の便が雷で運休のため、女満別を出発できる機材がなくてこちらも運休になったという。
仮に振り替えをせずにそのまま乗ろうとしていたら、道央へ行けないまま夜のオホーツクで途方に暮れる羽目になっていた。それでも仕事は待ってくれないと思うと、これは本気で危なかった⋯。
ともかく、無事にたどり着けただけで今日は万々歳である。すっかり濡れてしまったレインコートと背広を干し、明日に備えて夜も更けないうちにベッドへ身体を沈めた。
2日目
7:30 起床
翌朝は曇天の千歳市。
街は未だ雨上がりの空気を残す一方、南西の方からは青空が顔をのぞかせる。昨日は大変だったから、今日は何も滞りのない1日になることを願うばかりだ。
今回は素泊まりのため、朝食は昨晩セブンで買ったチョコチップスティック。6本入りなので、その時々によって簡単に食べる量を調節できて大変便利である。余ったらシールで留めておけるし、旅のお供としての優秀さは個人的に最高クラスだと思っている。

ずっとディーゼルの気動車で育ってきたので、
線路の上に架線があるのがまだ見慣れない

改札内にトイレはないというが、
通った後に行きたくなったらどうするのだろう⋯?
私が乗る列車までは多少時間があるので、早めにホームに上がり端まで歩いてみる。都会に限らず、出先で朝の空気を感じるひとときは旅の好きな瞬間の中でも上位に位置するのは私だけではないはず。
この後には仕事が控えていると言えども、滅多にない体験だけにそれすら楽しみに思える。

南千歳は新千歳空港行き支線への分岐駅でもある

線路を挟んで商業エリアと住宅地が
はっきりと分かれているのがよく分かる
毎度お馴染みの快速エアポートが来る4分前、普通列車が入線してきた。これには乗らないからと一旦屋内に引っ込んだものの、ホーム上で待っている人々は微動だにせずに快速を待ち続けている。
ローカル線でやると心配されること間違いなしの列車の見送りだけれども、都会ではそういうのもアリなのか。くどいようだが、本当に何から何まで文化が違って困惑してしまう私がここにいた。

札幌に着くのは後から来る快速の方が早い
9:10 札幌市に到着
車内はやはり座れなかったものの危惧していたほどの満員電車とはならず、noteの執筆を進めているとあっという間に札幌駅に着いた。ここはつい先日も含めて何度か訪れたことはあるが、ちゃんと鉄道でやって来たのは初めて。
道内最大の駅だけあってその人出は千歳や北広島の比ではなく、大量に降りたと思ったらまた大量に乗り込んでの繰り返しで、とにかく忙しい。こんな光景が毎日繰り広げられているとは、この目で見てもなお信じ難いほどである。

改札内だけでもかなりの広さ。
慣れない都会を表す私の語彙もそろそろ限界だ
札幌駅と言ってまずイメージするのはだいたい南口だけれども、今回はあえて北口から。相変わらず人は多いものの、南口や地下街ほどごった返してはいなくて多少なりとも過ごしやすい。

それからファミリーマートは道東にないため、
見かける度に「遠くへ来たな」と思う

完成したら、もっと混むのかなあ⋯
札幌では千歳より長く雨が降っていたのか、今も雲は厚く路面もかなり濡れている。スーツを汚すわけにはいかないうえにこの革靴は滑るので、いやがおうにも足取りは慎重になる。
そしていよいよ迎えた仕事の時、初めて参加するその集まりは果たしてどのようなものなのだろうか。少し、いや結構な緊張はありつつも、襟を正して場に臨む私であった。
というところで、今回の記事は一旦ここまで。
次回は仕事が終わってから最終日の札幌観光までの模様を書いていきたいと思う。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
北海道を拠点に旅や温泉の記録を書いておりますので、よろしければこちらもご覧いただけると幸いです。