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字が上手な子の“秘密”とは?

    「習っていないのに、
    ノートの字が綺麗な子がいるのはなぜ?」

    そんな疑問を
    持ったことはありませんか。

    同じ年齢の子どもたちを見ていると、
    習字を習っているわけでもないのに、
    ノートの字が整っている子がいます。

    一方で、

    「うちの子、字が汚くて心配なんです」

    という相談も、
    本当によくあります。

    実はこの二つ、

    「持って生まれた性質のどこが
    今、育っているか」

    の違いにすぎません。

    今日はその性質の違いについて、
    私が書道を通して出会った
    子どもたちとの経験から
    書いてみたいと思います。


    字の上手さは、
    一つの能力ではありません

    字が整っている子を見ると、つい
    「その子は字が上手」
    とひとくくりにしてしまいます。

    でも実際には、

    ✅ 筆圧や線をコントロールする力
    細かい動きをスムーズに
    扱えるかどうか。

    ✅ 形を直感的に捉えるバランス感覚
    文字の形や配置を、
    考えるより先に
    「なんとなく」つかめるかどうか。

    ✅ 頭で思ったことをすぐ手に伝える切り替えの速さ
    思考と手の動きが
    どれくらい同調しているか。

    ✅ 几帳面さ・「整っていないと落ち着かない」という気質
    性格そのものが、
    丁寧に書く動機になっているかどうか。

    ✅ 一度見た形を正確に覚えて、手の動きに再現する力
    お手本を見て、
    その特徴をそのまま
    記憶できるかどうか。

    すぐに思い当たるものだけを
    挙げましたが、

    これらは、それぞれ
    独立した別の能力です。

    たとえば、
    思考のスピードが速い子は、
    字を書くスピードも
    速いことが多いです。

    でも、
    スピードがあっても
    丁寧に書ける子もいれば、

    ゆっくりなら
    丁寧に書ける子もいますし、

    筆記速度に関わらず、
    字が不安定な子もいます。

    几帳面な性格の子は、
    手指の巧緻性が
    まだ育っていなくても、

    「整えよう」という気持ちだけで
    それなりに形を保とうとします。

    逆に、
    手先はとても器用なのに、
    本人が自分の字に関心がなくて
    雑に見えてしまう子もいます。

    ある子はどれか一つの軸だけが
    早く育ち、

    ある子は複数の軸が揃い、

    ある子はまだどの軸も
    まさに「今から育つよ」
    という準備をしている。

    たまたま早い時期に
    いくつかの軸が揃った子が、

    「習っていないのに上手な子」

    に見えているだけです。

    そして、
    それぞれの軸が育つタイミングは、
    子どもによって
    まったく違います。


    得意なことは、
    気づかないうちに習慣になる

    面白いのはここからです。

    字を書くことが
    自然と好きな子は、

    遊びの中でも絵を描いたり、
    手紙を書いたり、

    対象物をよく観察したりする習慣が、
    知らないうちに
    身についていきます。

    実際、入会前のお子さんの様子を
    お伺いしていると、

    「上手だから好きになる」
    のではなく、

    「好きだから、気づかないうちに練習している」

    という順番であることが
    多いのです。

    さらに、周囲から
    「○○ちゃん、上手だね!」
    と褒められる体験もしていたとすると、

    ますます
    そのモチベーションが上がる好循環が
    生まれているケースも多いです。

    苦手な子に必要なのは、
    技術を仕込むことより先に、

    「褒められる→もっと書きたくなる」
    という
    好循環の入り口に立たせてあげることです。

    「うちの子の字は褒めるところなんて
    一つもないよ💦😥」

    と思っておられる親御さんも
    多いのですが、

    『字を書くこと』を
    ひとくくりにせず、

    技術や向き合い方を
    分解して観察すれば、

    必ず褒めるポイントはあります。

    「あ、もしかして僕って
    いけてるんちゃう?😀」

    と本人が気づいてくれたなら、

    そのポイントが
    好循環の入口となります。


    今伸び悩んで見える子は、
    「まだ」なだけです

    一見苦手に見える子は、
    実は発達の途中で、

    まだ自分のスタイルが
    固まっていないだけの
    ことがほとんどです。

    このタイプの子は、
    静かに集中することへの
    注意の切り替えや
    感情の調整に
    エネルギーを取られていて、

    頭の中が忙しすぎて
    文字にまで力が回らない時期が
    あります。

    出会ってみると
    「書き方に注目したことすらなかった」
    というケースがとても多いです。

    でも、
    諦めない限りは必ず伸びます。

    地中では根がちゃんと伸びていて、
    もう少しで芽が出ようとしている段階───

    そう捉えると
    わかりやすいと思います。


    中高生になってから、
    一番驚かせるのはこのタイプ

    中高生になってから

    「まさかこんなに
    上手になると思わなかった」

    と、一番周りを驚かせるのは、

    決して最初から
    上手だった子ではありません。

    今、伸び悩んで見えている
    タイプの子です。

    もちろんこれは、

    書を学ぶことをやめずに
    習慣として積み重ねてきた
    場合の話です。

    なんとなく反復練習していれば
    よいのではなく、

    書道教室では、文字を書く基準を
    線の一本一本の構造から学びます。

    だから、
    自分が書いている字は
    一体どう書いたのか、

    何ならその理由まで
    人に説明することだって
    できるようになります。

    ただ、この子に
    「字が汚い子なんだ」
    と早期からレッテルを貼って

    何もせず大人になれば、

    そのまま育って
    今の字の傾向のままが続きます。

    結構な年齢になっても、

    大人の字か子どもの字か、
    見分けがつかないこと、ありますものね。


    見てほしいのは、
    お子さんの「今の字」ではありません

    もし今、
    お子さんの字を見て
    心配になっているなら、

    伝えたいことは一つです。

    今の字の上手い下手で、
    その子の伸びしろは
    測れません。

    たとえば、

    書くスピードは速いのに
    雑に見える子は、

    「切り替えの速さ」という軸が
    先に育っていて、

    「几帳面さ」が
    これから追いついてくる
    途中かもしれません。

    逆にゆっくりで丁寧な子は、

    「バランス感覚」が
    すでに育っていて、

    「速さ」は
    これから伸びていく
    途中かもしれません。

    つまり

    「今どの軸が育っていて、
    どの軸がこれから伸びるのか」

    それが、私が
    「プロセスを見る」
    と言うときの、

    具体的な中身です。

    今、目に見えている
    字の上手い下手ではなく、

    その子の中で今どの資質が
    動いているか。

    それを見てあげてください。

    「習っていないのに
    字が綺麗な子」も、

    「まだ整っていない子」も、

    実は同じ土の中にいます。

    育っている資質が、
    今どこにあるかの
    違いだけです。

    それが、文字を通して
    子どもたちの成長を支える
    一番の鍵だと、

    私は確信しています。


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    東大阪で「桜書道教室」主宰。書歴40年以上・教育書道会範士。大学で心理学を学び認定心理士取得。老犬介護と子育てを経て2ワン🐾の母。書を通じ子どもの感覚と考える力を育み、noteに気づきを綴ります。 https://sakura-syodo.wixsite.com/official

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