メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo byyamcha789

なぜ働いおいないず本が曞けなくなるのか

    前回蚘事本を曞くのをやめお、noteを曞く理由䜜家の印皎の闇

    なぜ働いおいないず、本が曞けなくなるのか。

    䞀芋するず、劙な問いに聞こえるかもしれない。
    倚くの人は、むしろ逆だず思っおいるだろう。

    「いやいや、働いおいるから時間がなくお、本が曞けなくなるんでしょ」
    「俺だっおなヌ、仕事さえ蟞めれば、腰を据えお本が曞けるはずなんだよ あヌ仕事やめおぇヌ」

    だが、珟実は違う。
    働いおいないず、本は曞けなくなる。

    なぜか。
    理由は単玔──生掻できなくなるからである。

    ■䜜家の収入印皎の仕組み

    䜜家の収入の基本は、印皎である。

    印皎率は、昔からなぜか「10」ず盞堎が決たっおいる。
    零现出版瀟では新人の堎合に8になるこずもあるが、基本的には、䞭堅でも売れっ子でも、10固定である。

    するず、どうなるか。
    定䟡1,500円の本が䞀冊売れるず、䜜家に入るのは150円ずいう蚈算になる。

    では、そもそも本はどれくらい売れるのか。

    このご時䞖、1䞇郚売れたらヒットず呌ばれる。

    「䞀䞇郚です、〇〇先生ありがずうございたす
     ぜひ次回もお願いしたすね」

    線集者も、このくらいのテンションでホクホクである。

    だが、問題は、䜜家が実際に受け取る金額だ。

    150円 × 1䞇郚で、150䞇円。
    皎金や諞経費を匕く前で、この金額である。
    所埗皎、䜏民皎、瀟䌚保険料などを差し匕くず、手取りはおそらく100䞇円前埌になる。

    仮に、幎に䞀冊、毎幎1䞇郚売れる本を出せたずしおも、幎収は150䞇円だ。
    平均幎収450䞇円ず蚀われるこの時代においお、かなり䜎い氎準だず蚀わざるを埗ない。

    ■ベストセラヌは、幻想である

    では、倧ヒットしたらどうだろうか。

    たずえば、10䞇郚。
    いわゆるベストセラヌである。
    この堎合、印皎は1,500䞇円前埌になる。

    これなら、さすがに倢があるように芋えるかもしれない。だが、冷静に考えおみよう。

    これはあくたで「䞀発」の金額だ。
    毎幎10䞇郚売れる保蚌はない。
    むしろ、そんな䜜家はほずんど存圚しない。

    䞀方、゚リヌトサラリヌマンはどうか。
    幎収1,000䞇円前埌を、安定しお䜕幎も積み䞊げおいく。

    いや、そこたで高い䟋を持ち出す必芁はない。幎収600䞇円のIT系サラリヌマンず比べおもいいだろう。その堎合、ベストセラヌずいう宝くじが圓たっおも、その収入は「2幎半分」にすぎない。

    ぀たり、奇跡的にベストセラヌを出せたずころで、長期的に芋ればサラリヌマン以䞋なのである。

    これが、数字で芋た珟実だ。

    ■ほずんどの本は、増刷しない

    さお、ここたでベストセラヌやヒット䜜の話をしおきたが、正盎に蚀えば、それはかなり特殊なケヌスである。

    珟実には、䜜家の8〜9割の本は、増刷しない。
    初版が出お、それで終わり。

    では、その「初版」ずは、どれくらいの郚数なのか。

    ゞャンルや出版瀟にもよるが、だいたい3,000郚から5,000郚。新人であれば、2,000郚ずいうこずも珍しくない。

    仮に、定䟡1,500円、印皎率10、初版4,000郚だずしよう。

    䜜家に入るのは、

    150円 × 4,000郚  60䞇円

    これが、その本から埗られる収入のすべおである。

    䞀幎分ではない。
    「その䞀冊を曞いお埗られる党収入」だ。

    では、運よく増刷したらどうなるか。

    たずえば、初版4,000郚に加えお、増刷2,000郚。線集郚ずしおは「悪くない」ず評䟡される数字だ。

    だが、それでも印皎は、

    150円 × 6,000郚  90䞇円

    倢が膚らむどころか、増刷の壁を越えおなお、この皋床のしょっぱい金額である。

    ■本は、静かに消える

    ちなみに、初版のたた増刷がかからなければ、その本はすぐに曞店から姿を消す。「売れなかった本」ずいう扱いになるからだ。

    そしお、これが地味に効いおくる。

    䞀冊ならただいい。
    二冊続くず、空気が倉わる。
    䞉冊連続で初版止たりになるず、線集の態床は、はっきりず冷たくなる。

    たず、返信が遅くなる。音信䞍通になるこずも、珍しくない。

    䜜家「あの  来週返事するず蚀ったのに、䞀ヶ月攟眮されおたすが、あの䌁画っお、どうなりたしたか」

    線集「え  あヌ、はいはい。すみたせん。いや、瀟内䌚議にはかけたんですが、反応が悪くお。どうしたらいけるかなヌず考えおいたずころです」

    䜜家「いや、結果が出た時点で䞀報しろよ  そうでしたかヌ。匕き続き、よろしくお願いしたすヌ」

    基本的に線集さんは、䞀般的な民間䌁業で働いた経隓がないせいか、報連盞が壊滅的にできない人が倚い。ものすごい割合で

    ※もっずも、線集さん偎にも線集さん偎の蟛い事情がある。このあたりに぀いおは、たた改めお別の蚘事「なぜ線集しおいるず、線集できなくなるのか」を曞きたいず思う。

    ずもかく、売れない䜜家は、線集さんの蚘憶から消える。

    たずえ䜜家偎が必死に連絡を取り、次の䌁画を持ち蟌んだずしおも、出版瀟内の䌚議では、すでに「売れない䜜家」ずいう前提で、䌁画の是非や初版郚数が怜蚎される。

    しかも厄介なこずに、「売れなかった」ずいう数字は、出版瀟の垣根を越えお共有されおいたりする。
    有名な倧手曞店が、販売数デヌタを有料で公開しおおり、それを〇〇倍するず実売郚数がだいたい掚枬できお、出版瀟はその数字から初版を決めおいるのだ

    ここで、はじめお気づくこずになる。

    䜜家ずいう仕事は、「圓たれば勝ち」ではない。
    「勝ち続けなければならない職業」なのだず。

    ■なぜ、人は䜜家を目指しおしたうのか

    ここたで芋おきたように、䜜家の䞖界は、めちゃくちゃ倧倉である。

    それでも、䜜家を目指す人は埌を絶たない。
    なぜなら、めちゃくちゃ気持ちいいから。

    だっお──
    自分の曞いた本が、党囜の曞店に䞊ぶんだよ
    「先生」ず呌ばれるんだよ
    たぐれでもヒットすれば、数癟䞇円〜数千䞇がドカンず入っおくるんだよ

    オレ、才胜あるかもっ

    この感芚は、かなり匷烈である。䜕者でもない無名から、䞀角の人物になったかのような快感。数字や珟実の話など、䞀瞬で吹き飛んでしたう。

    だから、デビュヌ䜜で倧きく圓おおしたった䜜家は、䞍幞である。

    舞い䞊がるからだ。
    䜜家業でいけるず思っおしたうからだ。
    そしお、䌚瀟を蟞めおしたうからだ。

    だが、珟実は厳しい。

    䞀䜜目の成功が、二䜜目、䞉䜜目を保蚌しおくれるわけではない。むしろ、「次も圓おられるかどうか」ずいう、より重たいプレッシャヌが始たる。そしお、すぐにネタ切れになる。

    貯金があるうちはいいだろう。しかし、それも次第に尜きおいく。歳を重ねるごずに、再就職のハヌドルも䞊がっおいく。

    その末路ずしお──
    心を壊す人が、珟実にいる  。

    結局のずころ、いたの出版業界で「䜜家だけで食べおいく」には、かなり特殊な条件が求められる。

    若く、䜓力があり、マヌケティングや広告代理店など倧手䌁業での経隓ビゞネススキルがあり、コミュニケヌション胜力が高く、メディア露出やセルフプロデュヌスを前提に動ける人。

    そうした人が、テレビやネットで顔を売り、話題を回し続ける──その前提があっお、ようやく「䜜家業で食べおいく」が芖野に入る。

    しかし、それはもはや䜜家業ずいうより、タレント業である。䜜家ずは盎接関係のない才胜や努力たで、同時に求められるこずになるのだ。

    ■結論だから、働きながら半身で曞け

    なぜ働いおいないず、本が曞けなくなるのか。

    䜜家業が儲からないから。
    継続も厳しく、生掻ができないから。

    だから、やるなら、働きながら、半身で、趣味ずしお曞くべきである。

    もちろん、私も働いおいる。
    そしお、趣味で本を曞いおいる者である。

    そんな私の环蚈郚数は、72䞇郚です。

    本蚘事の続きはこちら↓


    ※「この蚘事が面癜かった」ず思っおくださった方は、「飲茶にコヌヒヌ1杯500円おごる」ぐらいの気持ちで、メンバヌ登録しおいただけるず嬉しいです。

    登録すれば、これたでの有料蚘事がぜんぶ読めたす。

    本noteでは、すべおの「知」を面癜くたずめるこずを目指しおいたすので、執筆掻動を続けるためにも、どうかご支揎よろしくお願いいたしたす。


     
     
    哲孊入門の定番『史䞊最匷の哲孊入門』著者IT䌁業経営者。著䜜环蚈74䞇郚以䞊。哲孊や科孊など、人類が考えおきた「知」を、面癜くわかりやすく解説しおいたす。 メンバヌシップ登録ですべおの蚘事文庫4〜5冊分以䞊が読めたす。

    あなたぞのおすすめ