
2026年度上半期ベストワイン Top5
早いもので、もう2026年も半ば過ぎようとしている。備忘録も兼ねて、上半期で印象に残ったワインを5つ挙げてみたい。
Best 5:
Jasud Diamond Mountain Cabernet Sauvignon 2022
採点:94+pts
今年のワインはJasudで幕開けとなったと言っても良い。発送が遅れたことで、待たされる側としてヤキモキした時間が期待値を高めた側面もある。
味わいは、現代のNapaにあってはユニークなもので、果実感を控えながらタンニンを強調するという、好事家をスポイルしないものだ。今後、数十年で花開くときが来るのか、今から楽しみだ。

Best 4:
Philip Togni estate Cabernet Sauvignon 2012
採点:96+pts
Philip Togniを飲む時は、いつも喜びがある。これがNapaのワインだとか、カベルネ・ソーヴィニヨンであるかどうか等、些細なことに過ぎない。明確な個性、ワインとしての表現力、熟成するにつれて変化していく魅力、いずれを取っても、世界中の第一級のワインに劣らない。
そして、創業者から家族へとワイナリーの継承が行われ、これからもNapaの基準として、後進からの挑戦を受け止めていくんだろう。

Best 3:
Kongsgaard Hudson Vineyard Syrah 2023
採点:96+pts
ワインに「並外れた」存在感を求めたいなら、すぐに思いつくのはこのワインだ。それは静けさの中のエレガンスとか、内省的で思慮深い魅力とか、そういったものではない。野生の果実の魅力に圧倒される類のものだ。一度飲めば、しばらくはこのワイン以外のことは考えられなくなるだろう。
Kongsgaardはシャルドネが国内では人気のようで、Judgeも多くの好事家に注目されている。しかし、他方で赤ワイン、特にシラーに関心が集まっているとは言えない。世間の評判は当てにならない。

Best 2:
Saxum Cayucos Ridge Syrah 2022
採点:96pts
この期に及んで、カリフォルニアに未開拓の畑があるということ事実は、もっと重く受け止められるべきだと思う。
Rhone Rangerの流れを組む中興の祖が、San Luis Obispo Coastに未来を見出して開墾した畑の果実から作られたワインは、厳しいビンテージをものともしない力強さがある。
スケールは大きいが、ディテールが感じられる。濃厚で力強いのに軽やかさがある。ダイナミズムとヘドニズムが同居した無遠慮なワインなのに、格調高ささえ感じる。
矛盾した魅力を内包しているワインは、極めて優れているものが多い。その実証例の一つだろう。

Best 1:
Kinsman Eades Kodo M-Bar Ranch Oakville Cabernet Sauvignon 2021
採点:97pts
並み居る銘醸ワインの中にあって抜きん出て印象的だったのは、Kinsman Eades Kodo 2021だ。グラスを傾けた後は、ただ唸るしかなかった。
自身の明確な個性と質の高さを声高に主張する畑の果実を使いながら、その表現力をスポイルせず、しかし極めて洗練された表現に仕上げているのは、作り手の技術という他無い。Vinous 100ptsの評価も納得だ。
