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公務員としての最後の仕事

    ぼくはこれから公務員を辞めるわけだから、昨日の仕事が公務員としての最後の仕事だったということになる。

    今日から療養休暇に入ったから。

    もう、なんやかんやの手続き以外で職場に行くことはない。

    仲が良い人には「辞めるよー」ってLINEで伝えた。

    応援してくれる人が多かった。ぼくが苦しんできたことは彼らは知ってたから。

    パニック障害は、ぼくが公務員になってから徐々に悪化した。

    一気に悪化したわけではない。

    生きる力を奪われるように、ゆっくりと、着実にぼくは壊れていった。

    何が原因って、仕事以外にないでしょう。

    すでに企業から内定をとって今年度中に転職することが決まってる後輩からは熱い熱いエールをもらった。

    「それがいいと思います!こんなとこにいたらダメですよ!」みたいな。


    普通「こんなとこ辞めてやる」みたいな不平不満を日頃から言う人に限って辞めないものなんだよ。

    こういうのを「辞める辞める詐欺」って言うんだけどね。

    逆に、辞める素振りをおくびにも出さなかった職員がある日突然いなくなる。転職だ。

    ぼくの場合はイレギュラー。

    「こんなとこ辞めてやる」と言い続けて、本当に辞めるパターンだ。有言実行。

    「『辞める辞める詐欺』詐欺」だ。

    既婚子持ちの人からは「羨ましい」と言われた。

    そりゃそうだろうな。

    既婚、子持ち、家のローンあり、車あり。

    こんな人がぼくみたいに、無職になって金融資産を食い潰しながら夢を追う、なんてことはできない。

    人生は取り返しがつかない選択の連続。

    そしてどんどん老いていく。

    子供を作っちゃったらなかなか身動き取れないよ。

    せいぜい転職。

    そもそも、この流動的な時代に「結婚」自体がかなり難しいと思う。

    リスク分散はできるかもしれないけどね。

    片方が無職になっても、配偶者が頑張ってくれたら家計はもつかもしれない。

    でも子供をつくっちゃったら、どんな理不尽にも耐えないといけなくなる。

    組織が個人にぶつける理不尽ってすさまじいよね。

    いつか世界史の教科書に載ると思うよ。

    「2020年代の世界では〜、労働者は〜。」って。

    ちょうど今のぼくたちが奴隷貿易やプランテーションや植民地について勉強するみたいに。

    「21世紀の人類って意識高い系の野蛮ですね。」と子供が言っていると思う。

    ーーーーーーーーーーーーーーー
    昨日は「今日が最後」というつもりで1日を過ごした。

    晴々とした気持ちだった。

    昨日ぼくがやった仕事は、

    ①何ヶ所かの門を閉める

    ②斜面の土が崩れて畑に土が流れ込まないようにするための土留め造り

    ③ハイキングコースの途中にある倒木の撤去

    暑さと疲労で倒れそうになった。

    そもそも頻繁に木が倒れるようなところをハイキングコースに指定するなよ。

    チェーンソーでなんとか斬れるものは職員が斬るけど、規模が大きいなら業者に委託してやってもらう感じ。

    ちなみに、予算は少ないから、なるべく職員がやるという圧力がある。(直営)

    いや、だから頻繁に木が倒れるところをハイキングコースにするなよ。

    国や県が決めることはよくわからん。

    地図を見て考えてる?現場に来た?

    ーーーーーーーーーーーーーーー
    年度途中で別の部署に飛ばされたぼくは、事務所にいてもやることが全然なかった。

    やることがないと1日は長いよー。

    仕事をしてるフリをするだけの毎日。

    これは仕事をしてるより疲れる。

    そういう経緯があって、ぼくが何日か前に課長に「他の人が現場行くときはぼくも手伝いに行きますよ。」と言ってあったので、こういうことになった。

    聞くところによると、ぼくがいる課では、時には赤い光る棒を振って交通誘導員のようなこともするらしい。

    しかも、一般事務職(非現業)が。

    「公務員なんて涼しい部屋の中でパソコンカタカタやってるだけだろ。」と思っている人は多いと思う。

    だが実際はほぼブルーワーカーのような仕事もたくさんある。

    農園の草刈りとか、アスファルト(?)舗装とか、車に轢かれた猫の死体の回収とか、シカの捕獲とか・・・。

    鹿の捕獲って警察はあんまり、こう、アグレッシブにやってくれないんだよねぇ・・・。

    だから前の部署では、職員5人ぐらいでロープで鹿を動けなくして、獣医師による薬殺(注射)によって殺していた。

    多くの日本人を敵に回すかもしれないけど、これが仕事になると心の痛みなんて感じなくなる。

    特にぼくは動物が嫌いだから。

    車に轢かれて潰れた猫の死体は何体も見てきた。

    これ以上書くと怒られそうだから書かない。

    動物に対して愛がある人は怖いから・・・。
    あの怖さは何?
    ぼくが苦手なタイプ。

    ーーーーーーーーーーーーーーーー
    町役場の職員をホワイトワーカーと呼ぶのは無理がある。

    地方交付税不交付団体の金待ち市役所とかだと、そういう手間のかかる作業はたいてい委託に出している。

    公務員の世界には「委託」と「直営」という概念がある。

    これ大事なことだから、これから公務員になる人はよく覚えておいて。

    たとえば誰か、市民や町民が小動物用の捕獲機でアライグマを捕獲したとする。

    そして、市民などから「アライグマを捕獲したから取りに来てー!」という電話を受けたあと、職員が業者に「ナントカ番地のナントカさんの家にある捕獲機を回収して、中の動物を殺処分して」と依頼する。

    これが委託。

    楽だねー。

    逆に、職員自らがその家まで行って、その捕獲機を持ち上げて回収して、近隣の動物病院に運んで、そこで安楽死させる業務がある。

    アライグマが入った捕獲機は重い。

    それを1人で運ぶ。

    職員数が少ないから。

    真夏に汗が吹き出る。倒れそうになる。

    これが直営。

    手間と時間と人件費が無駄だねー。

    大きくて金持ちな自治体の職員は、こういう業務を専門業者に委託している。

    話が逸れるけど、質の高い行政サービスを受けたいなら「市」に住んだほうがいい。

    あなたが金持ちで良質な行政サービスに頼る気がないなら「町」に住んでもいいとは思うけど、あまり勧めない。

    市と町は雲泥の差がある。

    ネーミングセンスの違いじゃないからね。

    なお、人口5万人以上でないと市になれない。

    人口3万人なのに「○○市」という自治体は、人口流出が激しくて高齢化がヤバくて、原型を留めてないってことだからヤバい。

    今度どこかで災害が起きたとき、なかなか復興が進まない自治体の人口を調べてみてください。

    名前が「○○市」なのに人口が3万人だったりするから。

    復興は無理。

    たぶん国も見捨ててるんだけど、当然、政治家や官僚は口が裂けても「あの地は見捨てます」とは言わない。

    でも、見ればわかる。

    見捨てられてるんだよ、あそこは。

    地元住民の健気な努力ではどうにもならない。

    感動物語で頭を熱くしてはいけない。

    話を戻す。

    アライグマの殺処分の話だ。

    ちなみに、ぼくの勤め先では以前は直営だった。

    8月の酷暑の中、ほとんど冷房が効かない軽トラックに乗ってぼくが現地まで行って、アライグマが入っている捕獲機を回収して、軽トラックの荷台に乗せていた。

    そして、動物病院に行き、そのあと空っぽになった捕獲機を町民の家に戻しに行っていた。

    つまり2往復!

    アライグマ・デリバリー。

    なぜ「空っぽ」かって?

    そりゃ一つの生命が消えたからさ。

    これでほぼ半日が潰れた。請求書の伝票処理とかもあるからね。

    ぼくはこれがすごい非効率的だと思ったんだよ。

    普通の脳みそを持ってたらそう考えるよね。

    でも前任者も、そのまた前任者も直営を続けてきた。

    何十年も。

    これが行政の無駄。

    だからぼくは委託に切り替えた。

    ぼく1人で成し遂げたわけじゃないけどね。

    そしたらびっくり。

    直営のときと委託のときで数百円しか単価が変わらなかった。

    今までの苦労はなんだったの?と思った。

    アライグマ殺処分部署にいたとき、ぼくは何回か熱中症や脱水になっていた。

    画像
    2024年8月19日、脱水症のため点滴を受けたぼく目線。

    「役所というものは本当に職員を大事にしないんだな。」と思った。

    簡単に休めないし。

    作業着もカッパも自腹だからね。

    しかも、公用車がひどい。

    みんな、わからないだろうけど、公用車の窓を開けるやつが、手動でくるくる回すやつだからね。

    たぶん30代前半より下の世代は知らないと思う。

    昔の車のウィンドウは手動で開けていたんだよ。

    最近は若干減ってきたけど。

    そして、入札で「走るならなんでもいい」って感じで、超格安リースだからなのかわからないけど、エアコンが全然効かない。

    これにはまいった😵‍💫死ぬかと思った。

    ぼくは毎年のように熱中症やら脱水やらになっていた。

    民間企業も大変だと思うけど、

    ここまでじゃないでしょ?

    社用車の冷房は効くでしょ?

    言い出したらキリがないよ。

    名刺は自腹。文房具もほぼ自腹。

    当たり前のようなサービス残業。

    就業管理システムも意味をなさない。

    出先機関では出退勤時刻をエクセルに入力してた。

    「8時15分、出勤」って。

    タイムカードとか設置しないのか?

    これが普通なのか?

    椅子が座りにくい。

    これが・・・なんて言ったらいいんだろう。

    昭和レトロな椅子で、みんなそれで腰をやられちゃう。

    話を戻す。

    昨日の作業は現業職員さんと一緒にやった。

    「現業」とか「非現業」とか

    よくわからないですよね?

    ぼくもよくわかりません。

    だって非現業職員が現業職員と同じ仕事してるんだから。

    「え、あなた一般行政職でしたよね!?」と驚く。

    行政法は、現実の需要がまずあって、それに合わせて、かなり無理をして屁理屈をこね上げて、法律で空理空論の理屈を作ったようなものなので「よくわからない概念」がたくさんある。

    「現業」とは、要するに、現場で作業する人って雰囲気の言葉。

    昨日の作業は本当に疲れた。

    腕の上をナメクジが這ってたし。

    でも「今日が最後か。」と考えたら、現場作業員さんからの「今日はありがとな!また手伝いに来てくれよ!」って言葉を聞いて泣きそうになったよ。

    「ありがとうございました。実は、今日が最後なんです。」って気持ちで。もちろん言わなかったけど。

    でも、働く人を大切にしないところで働く気はない。

    世の中にブラック企業がたくさんあることは知っている。

    これは比較しても仕方ない。

    うち(ぼくの勤め先)は人のことをあまりにも雑に扱いすぎたよ。

    これからそのツケを払うことになるだろうね。

    人手不足という形で。自業自得だよ。

    最後に一言。

    今までの

    サービス残業代(未払い賃金)を

    返せ!

    それとみんな、「ナントカ町」には住まないほうがいい。
    「ナントカ市」に住んだほうがいい。

     
     
    町役場の職員。退職予定。ひどい組織だった。無法地帯。サービス残業当たり前の世界。37歳で手取り27万円。男。神奈川県在住。英語勉強中。このアカウントは人生の実況中継。

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