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銘柄選びの基礎⑦:ボーナス編「株価を動かす原動力」

     こんにちは😊

     銘柄選定シリーズは今回が最終回です。ここまで銘柄選定シリーズを読んでくださってありがとうございます。毎回、長々と記事を書いていますがご理解いただけたでしょうか?
     ここまで頑張って勉強されている皆さんのために、最終回では、銘柄選定で取り込んだ方がよいと思う考え方と、ボーナスとしてこれに関連したおじさんの手法を紹介します。

     この記事に書く考え方は、銘柄選定だけではなくて、個別株をやる理由や株価上昇の本質的な内容ですので、ご自身でじっくり考えてみて、自分なりの理解ができてから活用していただければと思います。

     めちゃくちゃ長い記事になるので、今まで書くのを躊躇してきた内容なんですけど、ここまで勉強されてきた皆さんなら読んでいただけるかなと心変わりしまして、熱く書かせていただきます🔥🔥🔥
     締めくくりとして頑張って読んでもらえたらうれしいです。途中からは対象を限定して公開しますので、条件のところを確認してください。

    株価はなぜ上がるのか

     株式投資を始めたばかりの初心者の多くは「利益が増えている会社の株価は上がる」「資産をたくさん持っている会社の株は割安」という知識を身につけていきます。たしかに、どちらも間違いではありませんよね。長期的にはそのとおりなんです。第2回の記事で『時価総額=(資産価値+事業価値)✕ 経営の上手さ』という因数分解を説明しました。

     でも、もしこれだけで株価が説明できるなら、証券会社のレーティングで株価が上がることも、資産がほとんどないスタートアップの株価が何倍にもなることも起きないはずです。
     現実の市場では、業績が好調なのに株価が動かない銘柄もあれば、業績はほぼ横ばいなのに株価だけが大きく上昇する銘柄もあります。この「ズレ」はどこから来るのでしょう。

     これの答えの1つになるのが、株価上昇の最大の原動力は、利益や資産価値そのものの成長よりも、市場の期待によって評価倍率が切り上がる「マルチプル・エクスパンション(Multiple Expansion マルチプルの拡大)」である、という考え方です。この考え方は個別株投資の本質とも言えます。
     なぜインデックス投資よりも個別株投資の方が魅力的な収益が得られるとされているのか、うまく説明できなくてモヤモヤしている人もひと通り理解すればスッキリするはずです。

     シリーズ第3回の記事の冒頭に、五月さんの考える「マルチプルの拡大」について言及したのを覚えているでしょうか。興味のある方は五月さんと田端信太郎さんの対談動画(田端大学)を観てみてください!

     順番に説明していきますね😉

    マルチプルとは何か:株価の「掛け算」

     マルチプル(multiple)は直訳すると「倍率」です。株価がある指標に対して何倍で評価されているかを表します。代表的なマルチプルはPER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、EV/EBITDAです。
    ※ EV/EBITDAは少し専門的なので以下ではPERとPBRで説明します。

     PERは「株価 ÷ EPS(1株当たり利益)」で求めます。たとえば、1株当たり利益が100円の会社の株価が1000円なら、PERは10倍です。「この会社が稼ぐ利益の10年分の株価がついている」と読むことができますね。
     PBRは「株価 ÷ BPS(1株当たり純資産)」です。1株当たり純資産が1000円で株価も1000円ならPBRは1倍。会社をいま解散して資産を整理したときの理論上の価値と、株価が釣り合っている状態です。

     この2つの式を変形すると、次のようになります。

      株価 = EPS × PER
      株価 = BPS × PBR

     つまり株価は「企業の実力(EPSやBPS)」と「その数字に対して市場がつける評価倍率(PERやPBR)」の掛け算でできています。この評価倍率がマルチプルです。
     株価が上がるためには、企業の実力が増えるか、評価倍率が増えるか、その両方が起きる必要があります。多くの投資家は企業の実力、つまり利益や資産の成長を中心に見ています。
     ところが、評価倍率にこそ株価を大きく動かす力が潜んでいる、というのが「マルチプルの拡大=マルチプル・エクスパンション」という考え方です。

    掛け算の威力

     具体例で確認しましょう。A社のEPSが100円、PERが10倍で、株価は1000円だとします。

    • ケース①
      利益が1.5倍(EPS150円)に成長、PERは10倍のまま
      ➡ 株価は1500円(+50%)に上昇

    • ケース②
      利益が1.5倍に成長し、PERも15倍に拡大
      ➡ 株価は2250円(+125%)に上昇

    • ケース③
      利益は100円のまま、PERだけ15倍に拡大
      ➡ 株価は1500円(+50%)に上昇

     ここでケース③に注目してください。
     利益がまったく増えていないのに、ケース①と同じ株価になっています。さらにケース②では、利益成長(1.5倍)とPER拡大(1.5倍)が掛け合わさって株価は2.25倍です。企業の利益が変化していないのに、PERが上昇して、結果として株価が引き上げられています。これがマルチプルの効果で、掛け算で効いてきます。

     もう一つ大事なのが「時間」の違いです。企業が利益を1.5倍にするには、新製品の開発・設備投資・人材採用など、通常は数年の歳月がかかります。ところが、PERは市場参加者の見方が変わった瞬間に動きます。決算発表の瞬間、ニュース1本でも、PERが切り上がることがあるのは見たことがあると思います。つまり、マルチプルの変化は株価と非連続で、場合によっては爆発的な動きをもたらすことがあるんです。

    個別株は債券や不動産とは違う

     ここで一旦立ち止まって個別株投資について考えてみますよ。

     企業が毎年着実に利益を伸ばしていけたら素晴らしいことですね。
     ところが、PERが一定のままで、利益の成長率と同じペースで株価が上がっていくだけであれば、投資家が受け取っているのは「利回りと成長」だけということになります。これですと、利息を受け取る債券や、賃料と賃料の上昇を受け取る不動産投資と、本質的には同じ構造です。
     債券や賃料の収益は予測しやすいので価格にも織り込まれます。つまり安定という価値の裏返しで、リターンも安定した範囲に収まりやすい、ということになります。
     インデックス投資の構造がこれに近いのはおわかりいただけるでしょうか。市場全体の平均的な成長と利回り(とインフレ率)を受け取っていますよね。つまりマルチプルの変化も市場全体の平均的な数値になっていて、個別のマルチプル・エクスパンションだけを取ることができないばかりか、マルチプル・コントラクション(縮小)も受け取っているんです。

     個別株投資の最大の魅力は「大きなリターン」です。テンバガーとまでは言いませんが、ダブル・トリプル銘柄を当てれば資産は一気に増えます。その銘柄を見極めるためにお勉強しているところですよね。
     「市場の認識が変わって、同じ1円の利益に対して、より高い値段がつくようになる瞬間」を捉えることができれば「大きなリターン」が得られます。これまで10円の倍率がついていた1円の利益が、20円で評価されるようになる。この非連続な変化=マルチプル・エクスパンションを捉えることができることが、個別株投資の醍醐味ともいえます。
     もちろん、利益成長や資産成長を軽視しているわけではなくて、着実なEPS・BPSの成長はマルチプル拡大を支える土台です。その土台の上で「認識の変化」が起きたとき、株価が一段高いステージに移っていくというメカニズムを想像してください。

     「株投資を始めたいけど個別株は怖い。でも流行りのインデックス投信って手数料もあるしリターンが少なさそう・・・」そんな悩みを抱えている人はけっこういるみたいですね。初心者の皆さんの多くが思っているのは「インデックスだと入金がないと大きく増えないし、アクティブ投信は手数料が・・・増やすなら個別株だろうな~・・・でも個別株で成功してるのは一部の人だけなのでは・・・」みたいなことでしょうか。
     多くの人が「プロでも難しい個別株運用で個人投資家がインデックスを上回るのは極めて困難」っていう例のフレーズに引っかかってますよね。
     これはインデックス投信を売るセールスマンの謳い文句なんですけど、本当にそうなのかなって疑ってみたことありますか? インデックスが一番強いなら機関投資家もインデックス投資をやりますよね。そんな話、聞いたことありますか?大口投資家が狙っているのはマルチプル・エクスパンションです。
     「プロでも難しい」は事実でしょう。資金の大きさやルール縛りがある中で簡単なわけがないし、対するインデックスはどんどん優良銘柄に入れ替えて来ますし。
     ところがです、このフレーズの前提になっている「個人はプロに劣る」っていう思い込みには根拠がないんです。「個人」と「素人」を読み違えたらダメですよ。 むしろ自由度の高い個人だからこそ個別株で勝てるんです。資金が多くてたくさんの銘柄を買わないといけないプロと違って、有望株を数銘柄だけ見つけて「マルチプル・エクスパンション」をキャッチできれば勝てるんです。個人は現金比率でリスクも管理しやすい。これ、バフェット爺さんもミネさんもラリー爺さんもピーター爺さんもみんな口を揃えて言っていることです。

     個人が勝てない裏付けデータがある!って反論する人もいますけど、「ギャンブル投機をやっているド素人も含めた個人投資家」の統計を取れば、多くがインデックスに負けてるのは当然です。
     一般論っていうのは多数派のことですから、言いくるめられてはいけません。 おじさんが会社の仲間とやっているお勉強会、かれこれ6年以上経ちますが、ほとんどが初心者スタートで手法はバラバラなのに、ほとんどがインデックスに勝利、多くの人は圧勝しています。

     「マルチプルなんてわからないからインデックスなんじゃね?」「大きなリターンを狙わないなら投資信託でよくね?」ということになりそうですよね。そのとおりです。
     ところがですよ、おじさんが個別株をおすすめする理由はもう一つあります。それは「政治経済を学んで自分の意思決定で資金を増やす面白さ」です。しっかり学べば個別株のフィールドで十分に闘っていけるんです。
     もちろん無理にやれとは言いませんし、株投資に興味が持てなくて勉強が苦手な人は、個別株はやらない方がいいです。でも曖昧な情報を真に受けて、せっかくのチャンスを取り逃すのはもったいないです。他人に委ねるのも楽でいいですけど、何かあったときに誰も責任取ってくれないですよ。

     個別株のメリット
     ・大きなリターンが得られる
     ・取引コストが小さくて自由度が大きい
     ・政治経済を学んで自分の意思で資産を増やせる面白さがある

     個別株のデメリット
     ・分散には限界があるので集中リスクが生じる
     ・情報の非対称性を克服する分析力を身につけないといけない
     ・ウォッチし続ける必要があって時間的・精神的な監視コストがかかる

     こんな風に整理できると思います。株投資は個別株と投資信託の二者択一ではありません。両方やってもいいんです。個別株ばかりやっているおじさんにも、投資信託で運用している資金がありますよ🥹

    ※ 「分散投資」はアセットアロケーションの分散とポートフォリオの分散の2つがあります。混同したらダメですよ。

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     かなり脱線しましたね。本論に戻ります🥸笑

    市場の認識が変わるとき:PER

     では、マルチプルはどんなときに切り上がるのでしょうか。まずはPERから、ファイナンス理論的な見方をしてみます。

     ファイナンス理論の配当割引モデルという考え方では、株価は「将来の利益(配当)の現在価値の合計」です。成長率が一定と仮定した最も単純な形だと、PERは「配当性向 ÷(要求収益率 − 成長率)」という形で表せます。ここで大切なのは分母で、市場が期待する成長率が上がる、もしくは投資家が求めるリターン(要求収益率:リスクの大きさ)が下がると、分母が小さくなってPER=マルチプルは大きく跳ね上がります。

     少し難しく聞こえるかもしれませんが、シンプルに言うとマルチプルの拡大要因は次の2つです。

    • 成長期待の上昇 :この会社は思っていたよりも成長するかもしれない

    • リスク認識の低下:この会社は思っていたよりも安全かもしれない

     投資家がこのどちらか、あるいは両方を感じたとき、PERは切り上がります。具体的なきっかけとしては、次のようなものがありますが、皆さん実感できると思います。

    • 事業の質の再評価:
      例えば、景気に左右される単発の売り切り型ビジネスから、安定収益が積み上がる事業構造への変化が見えてきたとき

    • 新しい成長シナリオの発見:
      新市場への参入、新製品のヒット、業界構造の変化によって、将来利益の天井が引き上げられたとき

    • 不確実性の後退:
      不祥事や訴訟の決着、財務不安の解消などで、リスクプレミアムが下がったとき

    • 需給・市場環境の変化:
      金利低下、指数採用、レーティングの上昇、機関投資家の参入といった需給要因が重なったとき

     共通するのは「まだ利益の数字は何も変わっていない」のに「利益の見え方」が変わっているという点です。数字が変わる前に認識が変わる。だからマルチプルが切り上がって株価が先に動きます。

    市場の認識が変わるとき:PBR

     続いてPBRです。PBRを理解するには、次の関係式(簡略式です)が役に立ちます。

     PBR = PER × ROE

     ROE(自己資本利益率)は、株主が預けた資本でどれだけ利益を生んでいるかを示す指標です。同じくファイナンス理論の配当割引モデルで整理すると、PBRは「(ROE − 成長率) ÷ (要求収益率 − 成長率)」となります。ROEが資本コスト(株主の要求収益率)を上回るだろうと市場が信じるほど、PBRは1倍を超えて上昇するということです。

     ここから見えてくるのは、BPS(純資産)が増えるだけでは、PBRは上がらないということです。純資産が100億円あっても、そこから年5億円(ROE5%)しか稼げない会社と、年20億円(ROE20%)稼げる会社では、市場がつける評価はまったく違います。前者はPBR1倍割れで放置されますし、後者はPBR2倍、3倍で評価されるというわけです。

     つまり、PBRというマルチプルを押し上げていくのは資産の「量」ではなくて、その資産をどう使って稼ぐかという「再投資の質」です。内部留保をどこに回すのか、成長分野への設備投資・研究開発か、株主還元(増配・自社株買い)か、事業の入替えか、それとも現預金のまま寝かせておくのか、この企業の意思決定の質が、PBRの水準を決めていきます。

     2023年から東証は、PBR1倍割れのような資本収益性や成長性に課題のある企業に改善に向けた方針と対応の開示を求めています。これをきっかけに、株主還元強化、政策保有株式縮減、不採算事業見直しといった動きが広がって、企業のこういう取組みを市場が評価する場面が目立っています。
     「純資産という「量」が大きく変わっていない」のに、「資本の使い方に対する市場の見方が変わる」ことでマルチプル(PBR)が切り上がっていくメカニズムです。

    マルチプルの縮小

     マルチプルは上がるだけではありません。掛け算である以上、マルチプルが縮めば(マルチプル・コントラクション=マルチプルの縮小といいます)、企業の実力がいくら伸びても株価はどんどん下がっていきます。
     例えば、EPSが20%増えたのに、PERが40倍から25倍に低下したとします。株価は 1.2 ×(25 ÷ 40) = 0.75、つまり25%の下落です。増益なのに株価が下がる。これは「期待が先に織り込まれていた」と説明される恐怖の「織り込み済」ってやつです。高い成長を前提に高いPERがついている銘柄は「よい決算」ではなく「期待を上回る決算」でなければ評価されないんです。

     反対側にも罠があります。PERやPBRが低くて割安に見えるのに、いつまでも株価が上がらない「バリュートラップ」というやつです。低いマルチプルには、たいていそれなりの理由があります。ROEが低い、成長が見込めない、資本が有効に使われない、経営に改善の意思が見えない、といったケースでは割安は割安のまま放置されます。逆に言えば、その理由が解消に向かう兆しが見えたとき、低いマルチプルは大きな拡大をする可能性が出てきます。

     つまり重要なのは、マルチプルの数値の大きさではありません。
     「今のマルチプル倍率は、過去の自社・同業他社、そして企業の実力に対してどこに位置しているのか」、そして「何が変わればこの倍率は変わるのか」を考えることが大切で、おじさんが繰り返している「PERの数値そのものは気にする必要はなくて、時系列が大切」というのはそういうことです。

     ということは、マルチプルの時系列を追いかけていって、拡大期が来たらロング(縮小期にショート)という戦略が立てられそうですね。ところが、PERやPBRそのものを時系列で見ても、ここから何かを読み取る分析をするのはけっこう難しいんです(どうやって読み取るのかは後で解説しますよ😉)。下のチャートは信越化学の例です。

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    何か読み取れそうですか??

    中長期の視点でマルチプルを見る

     マルチプル・エクスパンションの魅力、伝わってきたでしょうか。
     でも、マルチプル・エクスパンションには限度があるんです。PER10倍が20倍になることはあっても、20倍が200倍になり続けることはまずありません。超長期的に見れば、株価というのは最終的にその企業が生み出すキャッシュに落ち着いていくからです。

     そこで重要になるのが、フリーキャッシュフロー(FCF)です。以前お勉強しましたよね。FCFは営業活動で稼いだキャッシュから、事業の維持・成長に必要な設備投資を差し引いた、企業が自由に使えるお金です。
     会計上のキャッシュの動きはごまかせませんので、利益が出ているのにFCFが継続的にマイナスになっている場合、次のどちらかです。
     1つは、将来の成長に向けた積極投資である可能性。もう1つは、売掛金や在庫が積上がって利益が実際のキャッシュに変わっていない可能性です。前者は将来への種まきですが、後者は警戒のサインです。同じ「FCFマイナス」でも意味は正反対になります。

     FCFが安定的に増えて、それが再投資や株主還元に良い形で使われていく会社は、マルチプルが一時的に縮んでも株価の下支えになります。逆に、FCFの裏付けのないマルチプル・エクスパンションは、いわゆる砂上の楼閣:ザ・イナゴタワーになりがちで、あっという間にマルチプル・コントラクションが生じます🦗

     イメージとして、マルチプルは中期の「加速装置」、FCFは長期の「エンジン」と理解するとよいと思います。中期で見るか長期で見るか、投資期間の視点でしっかり理解してください。

    ※ おじさんは一貫して中長期視点ですのでお間違いのなきよう。「個別株は短期」というイメージを持っている方がいますが、短期取引は才能・実力の差が大きく出ます。中長期でしっかり利益を取るのがおじさんのおすすめ。
    短期とか長期とか定義が曖昧ですけど、おじさんの中期は数ヶ月~半年、長期は半年~数年です。

     「マルチプル・エクスパンションが近い将来に起きる」という確信で銘柄を選んで購入するのがバリュー投資家の皆さんで、「いままさに起きているマルチプル・エクスパンションに乗っかる」という銘柄選定をするのが成長株投資家の皆さん、という整理もできます。どちらも個別株をやっている以上はマルチプル・エクスパンションを期待している点に違いはないのですが、おじさんは「PBRとPER(とEV/EBITDA)のどちらのマルチプルに比重を置いているかの差」という解釈もできる、と個人的に思っています。
     過去の記事でも書いていますが、バリューとグロースの区分は難しいですし、マルチプル・エクスパンションの観点では時間軸が違うだけでどちらも期待していることは同じなので、おじさんのように「どちらもやっちゃうぜ😎」という全部派にとってはわかりやすい指標です。
     そんなことは何も考えずに取りあえず乗っかっている人は、イナゴやモメチンマンと呼ばれています😆

    数字の裏側

     株式指標の数字は結果で、その背景にあるのは経営です。EPSもBPSもROEもFCFも、経営者が何を考えて、どう資本を配分して、どんな組織をつくってきたかの結果です。
     つまり、マルチプルを動かす「認識の変化」を察知して銘柄を選ぶには、数字の裏側を読まないといけません。
     こういう作業をセンスでできてしまう人をおじさんは「天才」と呼んでいて、ご存知のとおりXの株クラ界隈にも実際に何人かいらっしゃるのですが、公認秘書もこの片鱗を感じさせてくれるので末恐ろしいです🥰 おじさんを含めた一般人はあの手この手で頑張るしかありませんよ🥹

     たとえばですが、ROEが同じ10%の2社があるとします。A社は自社の強みが活きる分野に再投資を重ねてROEが緩やかに上向いています。B社は無理な買収と借入でROEを押し上げています。(おじさんはROEよりROIC重視派です。)
     数字は同じでも、その裏側が全く異なっていて、市場が将来つけるマルチプルも当然違ってくることを読まないといけません。

     ポイントを挙げるとキリがないのですが、

    • 資本配分:
      経営計画において投資・還元・財務健全性のバランスをどう考えていて、計画どおりに実行してきた実績があるか

    • 情報開示:
      よいことだけでなく、リスク・失敗・目標未達を、率直に総括できているか

    • 競争優位の確保:
      りっちシリーズで解説したとおり、企業成長の燃料は前人未踏・ミッションクリティカル・防壁の3つ。価格決定力、顧客・競合社との関係、技術や規模の優位性など、利益が長く続く根拠を示しているか

    • 経営陣と組織:
      後継体制、権限委譲、人材への投資、ガバナンスの仕組みは整っているか

    といった分析が銘柄選定で数字の裏側を読むには大切な作業です。決算資料、中期経営計画、統合報告書、経営者インタビューなどを丹念に読み込んで、「なぜこの会社のマルチプルはこの水準なのか」を自分なりに理解しておきましょう。
     数字(EPS、BPS、ROE(ROIC)、FCF)と、数字の裏側(戦略、資本配分、経営者の姿勢)を何度も往復しながら考えることが投資家としての「思考力」ですね😉

    マルチプルの使い方

     さて・・・、マルチプルの拡大・縮小を予見するのは難しそうだし、数字の裏側を読むのはもっと難しそうだよ・・・と感じてしまいますよね😭
     わかります、その気持ち。おじさんも一般人だもの🥸

     そんなわけで、マルチプルを動かす認識の変化を先読みできなくても、数字の裏側を読めなくても、マルチプルの特性を統計的分析で数値化して、マルチプル・エクスパンション(コントラクション)を見える化する方法があれば、めちゃくちゃ役立ちそうだと思いませんか?

     でも、上に書いたようにマルチプル指標から直接何かを読み取るのは難しそうでしたよね。マルチプル特性を抽出できれば強力な武器になりそうです😉

     一般人おじさんは、何とかマルチプル特性を抽出して自分の武器にできないものかと古くから取り組んできました。ザ・理系人間ですからね。
     改良を加えながらですが、この手法は完成してきていて銘柄選定で実践しています。しかもこの手法は強力で、実際に資産を増やすのにかなり役立ちます。
     先ほどの図と全く同じ期間の信越化学のチャートに、おじさんが作ったマルチプル特性のインジケータを示してみました(下図)。あれ!?株価と完全に連動していますよね。このインジケータが上昇すればマルチプル・エクスパンションが起きています。マルチプル・エクスパンションに合わせて株価が上がっています。このように株価とマルチプル特性の相関性が見えている銘柄を探して、マルチプル・エクスパンションに合わせてエントリーするわけです。フフフフ😎
     今回の記事では、ここまで頑張った皆さんへのボーナスとして、もっと詳しく解説してこのインジケータの使用方法も説明します。サンプルをもっと示さないと説得力がないですよね。もう少し我慢して読んでくださいね。

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    上図と同じ期間のマルチプル特性です。株価チャートと較べてみましょう!


    ここから先は限定ボーナス記事です

     この先はおじさんが実践している手法と事例の紹介です。
     おじさんのマルチプル評価手法では、具体的に何を見てどのように投資判断に活かしているか、銘柄選定シリーズの締めくくりとして参考にしてください。 

     ダウンロードしたPW付きファイルに記事の続きが書かれています。インジケータも付いてますよ。
     ぜひ活用してほしいので、熱く書き過ぎた結果、A4版で11ページ(!)もありますので覚悟して読んでください😉笑
     もちろん無料です。

     このPWを公開するのは、この記事が公開される前までに、これまでの銘柄選定シリーズ6回分の記事すべてを読んでくれて、すべてにスキ(イイネ)を付けてくれた68名の皆さんです(10/1に集計しました)💃 おじさんは毎年「勉強している人を応援します」と宣言していますよね。
     既にAIがリスト化してくれたので、いまからスキしても遅いですよ😆
     もちろんお知り合いの皆さんは勉強熱心ですから、条件は関係なくいつでも配付します😉

     ボーナス記事ダウンロード ➡ リンク 
     
    注 意:
     第三者への再配付やPWの開示は厳禁です。心配な方はウィルスチェックしてください🩻

     希望される該当の方はDMください。凍結中のXでDMが使えるのはおじさんがフォローしている方に限られているようなので、noteのDM機能(最近知りました)もご利用下さい。インジケータの配布もあるのでそちらも希望される方はついでにTradingViewのアカウント名もお願いします(PDF記事を読んでからでもokです)。68名の照合にはnoteのアカウント名かIDが要りますので、お知り合いの方以外はnoteの方がありがたいかも。
     仕事がちょっと忙しいこともあって、お返事はすぐにできませんのでご理解いただけたら幸いです。

    お詫びとご連絡

     最近、TradingViewのインジケータ審査が厳密になった関係で、説明欄にnote記事リンクを貼ってしまったインジケータがルール違反で一時停止しています。ご迷惑をおかけしてすみません🥹 FUJIKO関連のインジケータも停止中です。
     さらには、9月末にTradingViewのルールにとんでもない改訂があって、招待用インジケータのユーザが100人を超えると、招待する側に猛烈課金されることになりましたので、大変申し訳ないのですが招待スクリプトからユーザを削除しています。「おじさん、お金取られちゃうよ!」ってご連絡下さった皆さん、ありがとうございます😭

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    なんこれ!!

     10/2現在、大騒ぎになったこのルール改訂は一旦取消になって、招待専用スクリプトを商用利用している人のみを制限するルールになっています(https://www.tradingview.com/blog/ja/commercial-scripts-move-to-marketplace-61291/)。
     お金稼ぎをしている人に対しての圧力だったようですが、結果として無料で配布している人も巻き込まれてしまいました。おじさんは商売しているわけではないので、今後は招待専用スクリプトをやめて非公開インジケータで配付していきます。

    まとめ

     株価を上げる原動力、「マルチプル・エクスパンション」について銘柄選定と関連させて解説しました。実は、今までの記事で一番お伝えしたかった考え方と手法なんです。
     おじさんはかねてから「PERの大きさは気にしないけど、PERの時系列は気にします」と言っていますが、どういうことなのか、この記事でどうにかこうにか説明できたのではないかと思います。

     冒頭に書いたように、「マルチプル・エクスパンション」という考え方は、銘柄選定だけではなくて、個別株をやる理由や株価上昇の本質的な内容です。一度読んだだけではしっくりこないと思いますが、じっくり考えて、自分なりの理解をしていただければ、必ずレベルアップにつながると思います。
     毎回ゲストユーザーの方からもスキをいただいていたので、該当しているのに今回のボーナス記事が読めなかった方もいるかもしれません。おじさんは、マルチプル・エクスパンションの理解は個別株投資をやっていく上では大切な考え方だと思っているので、反響があるようでしたら別の機会にマルチプルをテーマにした記事を改めて書いてみたいと思いますので、ご意見お聞かせください。

     銘柄選定シリーズはこれでおしまいです。たくさんの皆さんに読んでいただけました。ありがとうございます!
     銘柄選びで悩んでいる初心者を前提に書いてみましたが、徐々にマニアックになりすぎたかもしれません😅。おじさんの手法が少しでも役立てばうれしいです。

     ではまた!😊

    おまけ1

     インジケータの配付は限定記事の中でのみ行っています。今回はボーナスですので配付ページにも置きませんし特例もありません。ご了承ください。お知り合いの方はDMまで🕺

    おまけ2

     「ありがとう基金」は予告どおりPFを再考しまして入れ換えました。モンキーポッドは利確しました(通常の保有株ではまだキープしています🥸)。
     今回の記事を読むと一部の銘柄はなるほどねーって思ってもらえるかもしれません。いきなりブレイクしたMONOTAROは、MRSインジケータとフジコ指標をチェックしてみると買った理由がわかるかも🕺

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    この記事はnoteマネーにピックアップされました

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    株投資歴15年目。メインは日本個別株、14年の平均年利回りは20%突破!中長期で大儲けをたくらんでいます。実はかなりの資産を作りましたがXでは隠しています😎。 私の経験を皆さんと共有してお役に立てれば嬉しいです。億万長者を目指しましょう! ※ 記事や図表の無断転載は厳禁です!

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