
【3分あらすじ】ネタバレあり・双紋島の殺人(微ネタバレ)【下村敦史/光文社】
『 ーーこれは読まなければいけない 』
未解決事件を、その当事者が詳細に描写した「双紋島の殺人」という作品。
表紙には大きく書かれた七つのネタバレ。
ミステリー小説としてフェアな記述。
舞台は定番の「嵐の孤島」
読者によって様々な楽しみ方が出来ますので、多くの方に是非読んで欲しい一作です。
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『はじめに』
東北南部は9月に入って雨模様が続き、外出を躊躇うことが多くなっています。とはいっても、気温が30℃を超えることもあり、大変蒸し暑い状況が続いています。
そうすると、積極的に外出しようとする気力も失われてしまうので、部屋で過ごすことが多くなり、現在は読書が捗る時期とも言えます。
このように、読書をするための絶好のシチュエーションを得られる時期ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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日本列島から遠くはなれた海のど真ん中に存在する孤島 ‘ 双紋島 ’
そこには、江戸時代の海賊衆が隠したと言われている数十億円の財宝が眠る洞窟があり、そして大嵐の日にのみ、宝のある最深部に到達することが出来るという都市伝説がある。
しかし、ある時、その都市伝説を確かめ・その財宝を得ようとした人々の間で実際に殺人事件が発生してしまう。
そしてその連続殺人事件は、未だに犯人逮捕にはつながっていない。
その事件の当事者でもあった筆者・梟雲三馬は、「双紋島の殺人」という題名で、事件の詳細を十カ月間週刊誌で連載した。
しかしその作品は注目度が低く、反響はほとんどなかった。
そこで筆者と出版社は、事件が風化する前に、週刊誌に連載された作品を一文の変更もなく単行本化した。
読者が単行本の表紙をめくると、
1.島での最初の犠牲者は名探偵
2.ミステリー作家は犯人ではない
3.登場人物の一人は偽名
4.名探偵は素性を偽っていない
5.島では四人が殺される
6.ある章は過去
7.共犯者がいる
という七つの巻頭ネタバレが記載されていた…
警察ですら犯人を特定できなかった未解決事件の真相を見破ることが出来た読者はいたのだろうか。
「てにほへと」
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発売からわずか42日で5万部を突破し、
作者の単行本の中で最高部数を更新。
下村敦史さんというと、
同姓同名
ヴィクトリアン・ホテル
全員犯人、だけど被害者、しかも探偵
(「多重推理しかも密室しかもデスゲームだけど」という帯の文句も大変好きです)
などで知られている作者さんです。
これらはかなり知名度の高い作品なので、皆さんも何作かは読了したことがあるのではないでしょうか?(上記作品も本当におススメなので是非どうぞ!)
ですので、上記のような販売数を煽る文句も、全く嫌みの無いものでしたし、本作もその煽り文句がぴったりくるほどの面白さでした。
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本作については、
ネタバレでありながら、単純で重大なネタバレではない。
完璧にフェアとは言い切れなくとも、アンフェアに分類されるものでは無い。
という特徴があります。
もちろん、日常生活・仕事の場でこのようなことを言われたら完全にイラッとするのですが笑、ミステリー作品であればイラっとくるどころか「やられた!」と自分を責め・作者に感嘆する部分となります。
こういったところのバランスがとても良いのが下村敦史さんの作品です。
本作も、7つのネタバレが、本文どころか表紙にデカデカと書かれていますので(隠そうなどと1㎜も思っていないので)、私は色々考察しながら読み進めました。
おかげで、何個か(誰が偽名なのか・殺された被害者と殺した犯人は誰か)については真実に気づいたのですが、最後まで読了しますとそれをはるかに上回る驚きに到達します。
本作は総ページ数が313ページと多くないのですが、上記のように考えながら読み進めていくからか、ページ数からは考えられないくらいの読み応えと読了感を感じました。
第10回ほんタメ文学賞で二冠奪取も納得です。
帯にも書いてあるように、
ただただ驚きたい人
我こそはという謎解きチャレンジャー
話題に乗り遅れたくない人
新しい出会いや変わった本を探している人
など、様々な性質の読者に刺さる作品。
是非皆さんもご一読ください。
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