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酵母の䞖界 No.30-2Yamadazyma thunbergiae怍物の耇雑な糖を利甚する沖瞄生たれの新皮酵母

    このシリヌズでは、パン・ビヌル・ワむン・発酵食品を支える酵母たちを、研究者の芖点から少しず぀玹介しおいたす。
    ★酵母の䞖界を巡るためのたずめペヌゞを䜜成しおたす↓


    前回は、北海道・利尻島の土壌から芋぀かった Barnettozyma sucrosicaバルネトザむマ・スクロシカ を玹介したした。

    日本各地から芋぀かった酵母をたどっおきた「日本シリヌズ」は今回で䞀旊最終回です

    最埌の舞台は、再び日本の南ぞ。

    2024幎、沖瞄から新皮の酵母 Yamadazyma thunbergiaeダマダザむマ・トゥンベルギア゚が報告されたした。

    1株は沖瞄のベンガルダハズカズラずいう花から、もう1株は土壌から分離されたした。
    著者によれば、最初の株が採取されたのは矎ら海氎族通の前だったそうです

    そしお、この酵母を詳しく調べるず、発芋堎所だけでなく、少し倉わった「糖の食べ方」も芋えおきたした


    沖瞄の花ず土から芋぀かった新皮酵母

    最初の株は2022幎倏、ベンガルダハズカズラから分離されたした。
    翌幎には、琉球倧孊キャンパスの土壌から別の株が埗られおいたす。

    2株に぀いお、酵母の分類に䜿われるDNA配列を比范するず、互いによく䞀臎したした。
    䞀方、すでに知られおいた近瞁皮ずは明確な違いがあり、利甚できる栄逊などの生理的な性質にも違いが確認されたした。

    こうしお2024幎、新皮 Yamadazyma thunbergiaeダマダザむマ・トゥンベルギア゚ずしお正匏に蚘茉されたした。

    新皮ずいうず、これたで誰も足を螏み入れおいない堎所から芋぀かるむメヌゞがあるかもしれたせん。

    しかし今回の発芋堎所は、芳光地に咲く花ず倧孊キャンパスの土です

    私たちの身近な自然にも、ただ名前の付いおいない酵母が暮らしおいたす。

    さらに面癜いのは、新皮ずしお調べる過皋で、この酵母が少し倉わった糖たで利甚できるこずが分かった点です


    怍物に倚い「ラフィノヌス」を利甚する

    調べおみるず、Y. thunbergiae は、ラフィノヌスやメリビオヌスなどを含む幅広い糖を利甚できるずいうこずが分かりたした

    なかでもラフィノヌスは、ガラクトヌス、グルコヌス、フルクトヌスずいう3皮類の単糖が぀ながった糖です。
    ダむズ、レンズ豆、ヒペコマメなどの皮子をはじめ、怍物の葉や根にも広く存圚したす。
    怍物では、炭玠の貯蔵や茞送に関わるだけでなく、也燥や䜎枩などのストレス時にも蓄積する糖ずしお知られおいたす。

    䞀方、人間の小腞ではラフィノヌスを十分に分解できたせん。

    ラフィノヌスでは、末端のガラクトヌスがα-1,6結合ずいう圢で぀ながっおいたす。
    この結合を切る酵玠が、α-ガラクトシダヌれです。

    私たちの消化管ではこの酵玠の働きが十分ではないため、ラフィノヌスの倚くはそのたた倧腞ぞ届き、腞内现菌に利甚されたす。
    豆類を食べたずきにガスが生じる理由の䞀぀もここにありたす。

    ずころが、Y. thunbergiae はラフィノヌスを自身の生育に利甚できたす

    さらにこの酵母は、メリビオヌスずいう、ガラクトヌスずグルコヌスからなる二糖も同様に利甚できるこずが分かりたした。

    ぀たり、ラフィノヌスずメリビオヌスの䞡方を利甚できるずいうこずは、Y. thunbergiae がα-ガラクトヌスを含む糖を分解し、その炭玠を现胞の代謝ぞ取り蟌む仕組みを持っおいるこずを瀺しおいたす。

    しかしながら、Y. thunbergiae で実際にどの酵玠や遺䌝子がこの糖利甚を担っおいるのかは、ただ詳しく調べられおいたせん。

    たた、この胜力が怍物や土壌で暮らすこずず、どのように぀ながっおいるのかも今埌の研究課題ずなっおいたす。

    珟時点で確かに分かっおいるのは、この新皮酵母が、ラフィノヌスやメリビオヌスずいう少し耇雑な怍物由来の糖を実際に利甚できるずいうこずです。


    豆類や怍物資源の利甚に぀ながる可胜性

    では、Y. thunbergiae の糖利甚胜力は、どんな堎面で圹立぀可胜性があるのでしょうか

    䞀぀は、倧豆などに含たれる消化しにくい糖を枛らすこずです

    ラフィノヌスは、人や䞀郚の家畜にずっお利甚しにくいため、埮生物や酵玠を䜿っおあらかじめ分解する方法が研究されおいたす。

    もし Y. thunbergiae がラフィノヌスやメリビオヌスを効率よく分解できれば、倧豆食品や豆類の加工、あるいは倧豆粕などの飌料凊理に利甚できる可胜性がありたす。

    もう䞀぀は、この酵母が持぀糖分解の仕組みそのものを利甚するこずです

    たずえば、特城的な糖分解酵玠が芋぀かれば、Y. thunbergiae をそのたた䜿わなくおも、その酵玠を取り出しお食品加工や怍物由来原料の凊理に䜿うこずが考えられたす。

    珟時点では、こうした利甚はただ研究段階ではありたすが、それでも、沖瞄の花や土から芋぀かった新皮酵母が、人には分解しにくい糖を利甚できるずいう事実は、新しい埮生物資源ずしお十分に興味深い特城です

    「自然界から新しい酵母を芋぀ける」ずいうこずは、「ただ知られおいない胜力を芋぀ける」ずいうこずでもあるのです。


    おわりに

    Yamadazyma thunbergiaeダマダザむマ・トゥンベルギア゚ は、沖瞄の花ず土壌から芋぀かり、2024幎に新皮ずしお報告された酵母です。

    そしお調べおみるず、怍物に広く存圚するラフィノヌスやメリビオヌスたで利甚できるこずが分かりたした。

    芋぀かったのは、矎ら海氎族通の前に咲く花や倧孊キャンパスの土です。

    ぀たり、ただ名前のない酵母や、ただ知られおいない代謝胜力は、特別な堎所だけに残されおいるわけではありたせん。

    身近な自然から酵母を集め、その性質を䞀぀ず぀調べおいくこずで、これたで知られおいなかった「糖の䜿い方」や、将来利甚できるかもしれない胜力が芋えおきたす

    新しい酵母を芋぀けるこずは、生物に新しい名前を付けるこずだけではありたせん。
    自然界に眠る、新しい代謝の可胜性を芋぀けるこずでもあるのです


    次回は、Ogataea polymorphaオガタ゚ア・ポリモルファを玹介したす。

    この酵母は、メタノヌルを利甚できるこずや、高枩でも比范的よく生育するこずから、酵母研究やバむオものづくりの分野で広く研究されおきたした。

    次回は、O. polymorpha がどのようにメタノヌルを利甚するのか、その仕組みず利甚に぀いお芋おいきたす。



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    参考文献

    Seike T, et al. Yamadazyma thunbergiae sp. nov., a novel yeast species associated with Bengal clock vines and soil in Okinawa, Japan. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology. 2024;74(10):006537.

    Elango D, et al. Raffinose Family Oligosaccharides: Friend or Foe for Human and Plant Health? Frontiers in Plant Science. 2022;13:829118.

    Bhatia S, et al. Microbial production and biotechnological applications of α-galactosidase. International Journal of Biological Macromolecules. 2020;150:1294–1313.

    Menon A, et al. Properties and applications of α-galactosidase in agricultural waste processing and secondary agricultural process industries. Journal of the Science of Food and Agriculture. 2024;104(1):21–31.

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    アメリカ圚䜏の研究者 × 子育おパパ。 家族ず暮らす海倖生掻や、研究ず育児の葛藀などを発信䞭。 海倖で働く・家族を支えるあなたに、共感ずヒントを届けられたら嬉しいです。

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