
カリフォルニア・ゼファー号で2泊3日の大陸横断 大陸横断鉄道の夢を見て#2
大陸横断鉄道。西部開拓時代に多くの人が夢見て作ったその鉄道の存在を知ったときから,いつか乗りたいと夢を見ていた。
そんな大陸横断鉄道に乗るためにサンフランシスコに到着した翌朝には,ついに大陸横断鉄道に乗車する。実際にはサンフランシスコには Amtrak は乗り入れておらず,カリフォルニア・ゼファー号はサンフランシスコから San Francisco - Oakland Bay Bridge を渡った先にある Emeryville から出発する。
カリフォルニア・ゼファー号は Emeryville を朝8時25分に発車する。朝イチで駅に向かい,大陸横断鉄道の入線を待つ。寝台車を利用する場合はラウンジが使えると聞いていたが,Emeryville は小さい駅だからラウンジは無いらしい。そのため,列車が来るまでは待合室で待機となった。そして発車時刻の20分前になると,ついに列車が入線してきた。




2人だと少し狭い
8時25分,列車は定刻に Emeryville を出発した。Emeryville を出るとしばらくは San Pablo 湾沿いを走る。そして湾から離れ,カリフォルニア州の内陸部に入って行き,2年半前の短期留学の際に滞在したサクラメントに到着する。2年半という時が経っていたが,その街の景色は覚えており懐かしさを感じた。







サクラメントを出るとしばらく市街地を走った後,標高を上げて森の中を進んで行く。Colfax を出たあたりで昼食の時間になり,食堂車でシエラネバダの山々の景色を見ながら食事を摂った。昼食は寝台車の運賃に含まれているので支払いは不要である。いくつかあるメニューの中から,今回は Grilled Patty Melt を注文した。分厚い肉と肉汁を吸った玉ねぎが美味しいサンドイッチだった。




ネバダ州に入り Reno を過ぎると,列車はネバダらしい茶色い景色の中を走る。この頃には日も傾き,夕陽が車内に差し込んでくる。そんな光景を見ながら部屋でゆっくりしていると夕食の時間になった。夕食は数ある選択肢の中からステーキをチョイス。それなりに柔らかさがあり,肉の旨みも感じられて美味しかった。



それなりに柔らかく美味しかった

夕食を食べているうちに外は真っ暗になっており,部屋に戻るとベッドがセットされていた。

翌朝起きると列車は既にユタ州の東部を走っていた。車窓にグランドサークルの荒涼とした景色を見ながら食堂車で朝食を摂る。


朝食を摂っていると Green River を過ぎ,今年3月に訪れたアーチーズ国立公園の横を通る。さすがに距離があるのでアーチは見えないが,遠景にごつごつした地形が望めた。


ユタ州とコロラド州の州境付近から列車はコロラド川沿いを走行する。このあたりには Ruby Canyon という渓谷が続くが,Ruby Canyon に近付く方法はこの列車かコロラド川のラフティングの2通りしか無いらしい。車窓には絶景が広がり,まさにこの旅のハイライトとなる区間である。


美しい景色に見とれていると気付けばコロラド州に入っており,Grand Junction に到着する。Grand Junction では10分ほどの停車時間があり,駅に売店もあるということで降りてみたが,売店には目ぼしいものはなく,太陽の光を浴びてリフレッシュしただけで車内に戻った。その後はユタ州よりも緑が多い中を走り,温泉地である Glenwood Springs が近付いた頃にこの列車で2回目の昼食となる。昼食には Natural Angus Burger というハンバーガーを選んだ。肉厚だが平均的なアメリカのハンバーガーという感じだった。




その後はしばらくコロラド川沿いを進んで行く。このあたりは電波も通じずしばしのデジタルデトックスであるが,車窓には絶景が広がり飽きさせない。14時頃にまもなく反対方向のカリフォルニア・ゼファー号とすれ違うという放送が流れ,その先で確かにすれ違った。


さらに進むと線路沿いは高い木々に囲まれるようになり,ロッキー山脈を越えて行く。眠気に襲われロッキー山脈を越える間は昼寝をしてしまったが,目が覚めると車窓にはロッキー山脈を越えた先に広がる大きな平地が望めた。そんな景色を愉しんでいると少し早めに夕食の案内が入り,食堂車に向かった。この日の夕食にはローストチキンを選んだ。胸肉なので仕方ないが,肉がパサパサしていて正直微妙だった。



夕食を食べ終える頃には今年5月にも訪れたデンバーに到着する。デンバーの駅は頭端式なので,駅を少し通り過ぎたところで止まって後退し駅に入る。まだ記憶に新しい駅の景色の中に Amtrak の大きな車体が止まっている光景は斬新に感じた。

デンバーに止まっている間に日は落ちて辺りは暗くなり,この列車で過ごす2回目の夜を迎える。流れ行く景色に見とれていると意外と早く時間が進み,もう2回目の夜が訪れたことに驚かされた。
翌朝起きると列車は最初の大陸横断鉄道の起点であった Omaha を過ぎアイオワ州を走行していた。これまでとは全く違う草原に囲まれた景色の中,2回目の朝食を食べた。朝食にはフレンチトーストを選択。甘さ控えめで良かった。


絶景の広がっていた西側とは異なりアメリカの田舎らしい草原や畑が広がる景色の中を走っていると,この列車で最後の食事となる3回目の昼食の時間となった。最後の食事には Artisan Grilled Cheese Sandwich というハムサンドを食べた。昼食を終えるとミシシッピ川を渡り,ついにこの列車で走る最後の州であるイリノイ州に入った。


イリノイ州に入り景色を眺めているうちに眠気に襲われ,昼寝をして目が覚めると車窓にはシカゴ郊外の街が広がっており,間もなく終点のシカゴに到着となった。
途中で1時間以上遅れたり遅れを回復したりしていたが,最終的にシカゴには1時間20分ほど遅れて16時に到着した。Amtrak はよく遅れると聞いていたので,このぐらいは想定内である。

2泊3日,53時間半の大陸横断鉄道の旅だったが,移り変わる車窓を愉しんでいると気付けば一瞬であった。
シカゴからは翌日の列車でさらに東を目指しニューヨークへと向かう。その列車の時間まではシカゴを観光したが,その様子はまた次回お届けする。