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いい支援なのに、知られていない。——僕が医療・介護でマーケティングを考える理由

    最近、プロフィールに「マーケティング」という言葉を入れました。

    自分で書いておきながら、少し硬いというか、急に横文字が増えた感じもしています。

    「理学療法士なのに、マーケティング?」

    そう思われるかもしれません。

    でも、病院の外で仕事をするようになってから、ずっと感じていることがあります。

    いい支援なのに、知られていない。

    必要としている人がいるのに、届いていない。

    これって、すごくもったいない。

    僕がマーケティングを考えるようになったのは、何かをたくさん売りたかったからではありません。

    目の前にある価値を、必要な人へちゃんと届けたかったからです。

    退院したあと、僕らには見えなくなる

    以前、病院で理学療法士として働いていました。

    入院中は、患者さんと毎日のように顔を合わせます。

    身体の状態を評価して、リハビリをして、家に帰るための準備をする。

    当時の僕は、目の前の仕事に応えることが、理学療法士としての役割のすべてだと思っていました。

    でも、病院を離れて地域で仕事をするようになり、当たり前のことに気づきました。

    僕らが関わる時間より、関わらない時間のほうがずっと長い。

    退院したあとも、その人の生活は続いていきます。

    誰と過ごすのか。

    どこへ出かけるのか。

    どんな役割を持つのか。

    困ったとき、誰に相談するのか。

    病院では見えていなかった時間のなかに、その人の暮らしの大部分がありました。


    「ない」のではなく、知らないだけかもしれない

    地域に出てみると、医療や介護だけではなく、障害福祉、運動施設、就労支援、住民活動など、いろいろな選択肢があることを知りました。

    一方で、その情報が病院や支援者に届いていない場面もあります。

    僕自身、病院で働いていた頃には知らなかった場所や制度がたくさんありました。

    地域に選択肢がないと思っていたけれど、僕が知らなかっただけかもしれない。

    そして、支援する側が知らなければ、その選択肢は本人にも届きません。

    もちろん、紹介先を増やせばすべて解決するわけではありません。


    情報を並べるだけでは、自分に関係のあることだと感じてもらえないこともあります。

    知ってもらったあと、どうすれば実際の一歩につながるのか。

    そこまで考えないと、本当に「届いた」とは言えないのだと思います。

    正しいことを言っても、人はなかなか動かない

    運動したほうがいい。

    生活習慣を改善したほうがいい。

    人や地域とのつながりを持ったほうがいい。

    どれも、たぶん正しい。

    でも、正しいことを伝えれば人が動くかというと、そんなに簡単ではありません。

    これは、僕自身もそうです。

    身体にいいと分かっていても、面倒なら後回しにします。

    興味があっても、申し込み方が分かりにくければ、そのまま閉じます。

    初めての場所に一人で行くのは、やっぱり少し緊張します。

    人が動かないのは、本人の意欲だけの問題ではありません。

    言葉、場所、手順、タイミング、周りの雰囲気。

    少しの違いで、一歩の踏み出しやすさは変わります。

    このあたりから僕は、マーケティングを「売るための技術」だけではなく、価値を届きやすくするための考え方として見るようになりました。

    結局、この企画で一番喜ぶのは誰だろう

    仕事では、地域連携やイベント、研修、新しい事業など、さまざまな企画に関わります。

    会議では、やることが次々に出てきます。

    講習会を開こう。

    資料をつくろう。

    SNSで発信しよう。

    アンケートを取ろう。

    話が進むと、なんとなく安心します。

    でも、僕自身、途中で分からなくなることがあります。

    結局、この企画で一番喜ぶのは誰だろう。

    その人に、何が起きたら成功なんだろう。

    参加者を増やすことも、発信を伸ばすことも大切です。

    ただ、その数字の先にいる人を見失いたくはありません。

    誰に、どんな変化が起きてほしいのか。

    そこから考えると、伝える内容も、使う言葉も、見るべき数字も変わってきます。

    僕にとってマーケティングは、こうした問いを、実際の言葉や企画、導線に変えていくことです。

    考えるだけで終わらせず、届く形にしたい

    僕は、わりと考えすぎるほうだと思います。

    会議が終わったあとに、「そもそも、あれは誰のためだったんだろう」と考え直すこともあります。

    うまく伝わらなかった発信を見て、言葉を変えることもあります。

    やってみたけれど反応がなくて、少し恥ずかしくなることもあります。

    それでも、考えたことを考えたままで終わらせず、現場で使える形にするのが好きです。

    なぜ、この支援が必要なのか。

    誰に届けたいのか。

    どう伝えれば、自分のことだと感じてもらえるのか。

    どんな仕組みなら、一度きりで終わらず続いていくのか。

    少し大げさに言えば、こうした「何を大切にするか」が思想なのだと思います。

    そして、それを言葉や企画、仕組みに変えるのがマーケティングです。

    僕は、どちらか一方ではなく、その間を行き来したい。

    難しいことを語るだけの人ではなく、現場のモヤモヤを一緒に整理できる人でありたいと思っています。

    机の上だけで考えているわけではない

    現在は株式会社SHAREで、地域共創部と人材開発部を担当しています。

    SHAREでは、医療・介護・障害福祉・フィットネスなど、複数のブランドと施設を運営しています。

    僕はそのなかで、新しい事業や施設の立ち上げ、病院・自治体との地域連携、採用、WebサイトやSNSでの発信、セミナーやイベントの企画などに関わっています。

    もちろん、僕一人ですべてを動かしているわけではありません。

    現場のスタッフや経営陣、医療機関、自治体、地域の方々と一緒に考えながら、

    「この事業の価値は何だろう」

    「誰に届けたいのだろう」

    「どんな言葉なら伝わるだろう」

    「どうすれば、実際の利用や参加につながるだろう」

    ということを、日々試しています。

    うまくいったことばかりではありません。

    反応がなくて言葉を変えたり、企画の目的に戻ったり、数字を見ながら導線を修正したりすることもあります。

    だからこそ、きれいな理論だけではなく、医療・介護の現場で実際に動かすときの難しさも含めて、一緒に考えられると思っています。

    医療・介護のなかにある「いいこと」を、いいことのままで終わらせない。

    必要な人に、ちゃんと届く形にする。

    これからこのnoteでは、そんなことを、実際の仕事で迷ったことや試したことも含めて書いていこうと思います。


    事業所の「届け方」で悩んでいることがあれば、固定記事「このnoteと、相談のご案内」に窓口をまとめています。

    「知られていない」を減らす第一歩として、Googleマップの整備チェックリストも用意しました。


     
     
    医療・介護事業所の外部プロマネ(watarito代表)。「社会とPTの接続」をテーマに、いい支援が、必要な人に届くよう、事業設計と届け方を設計しています。 AI検索・SEO/GBP運用/記事制作 ▶︎SHARE部長/北海道理学療法士会 理事

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