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酵母の世界|お酒・醸造から読む酵母の多様性

    この記事は、お酒・醸造に関わる酵母を特長ごとにまとめた「酵母の世界」の案内記事です。


    ワインやビール、日本酒の味わいは、原料だけで決まりません!
    どの酵母が関わるかによって、アルコール、酸味、香り、発酵の進み方まで変わります。

    このページでは、「発酵」「味わい」「香り」「新しい醸造」という4つの視点から、関連する酵母の記事を紹介します。


    発酵を支える酵母

    まずは、現在のお酒づくりそのものを支えてきた酵母です。

    糖をアルコールへ変える発酵能力だけでなく、低温への適応や異なる酵母同士の交雑など、その背景には酵母自身の進化があります。

    1-1:Saccharomyces cerevisiae

    パン、ビール、ワイン、日本酒。
    なぜ同じ酵母が、これほど異なる発酵文化を支えてきたのでしょうか?

    1-2:Saccharomyces pastorianus

    世界で広く飲まれるラガービールは、異なる酵母が出会って生まれました。
    低温発酵を可能にした「雑種酵母」の物語です。

    1-3:Saccharomyces eubayanus

    ラガービール酵母の低温耐性は、どこから来たのでしょうか。
    その答えにつながった、寒冷地に暮らす野生酵母です。

    1-5:Saccharomyces uvarum

    ワイン発酵の主役は、S. cerevisiae だけではありません。
    Saccharomyces uvarum は低温に適応し、ワインやシードルづくりに関わる「もう一つの Saccharomyces」です!


    味わいを変える酵母

    酵母がつくるのは、アルコールだけではありません。

    糖をどのように使うのか、どんな酸や副産物をつくるのかによって、甘味、酸味、口当たりも変わります。

    つまり、同じ果汁や麦汁を使っても、酵母が変われば発酵後の味わいは同じにはなりません。

    2-1:Lachancea thermotolerans

    ワインの酸味は、ブドウだけで決まるわけではありません。
    糖から乳酸をつくり、発酵中に味を変える酵母です。

    3-1:Torulaspora delbrueckii

    蜂蜜や甘いパン生地は、酵母にとっても過酷な環境です。
    高濃度の糖に耐えながら発酵する酵母を紹介します。

    14-1:Starmerella bacillaris

    ブドウ糖より果糖を好む酵母がいます。
    その糖の好みが、ワインの甘味やアルコール、口当たりを変えます。

    23-1:Pichia fermentans

    果実の発酵では、アルコールをつくるだけでなく、香りや酸味を動かす酵母も働いています。
    酸のある環境でも代謝を止めず、発酵の味わいに関わる酵母を紹介します。



    香りをつくる酵母

    お酒の香りも、ブドウや麦芽などの原料だけでは生まれません。

    酵母は糖やアミノ酸を細胞内で代謝する過程で、エステルや高級アルコールなど、さまざまな香気成分をつくります。

    特に「従来の産業用酵母」以外の酵母には、香りの個性という点から注目されているものが数多くあります。

    4-1:Hanseniaspora uvarum

    ワイン発酵の最初には、主役のワイン酵母とは別の酵母が働いています。
    果実の香りを発酵へ運ぶ、初期発酵の酵母です。

    4-2:Hanseniaspora vineae

    果汁の中で、花のような香りを生み出す酵母がいます。
    ワイン発酵の初期に関わり、主役の酵母だけでは生まれない香りの個性をつくる酵母です。

    5-2:Metschnikowia koreensis

    花に暮らす酵母は、果実のお酒づくりに何をもたらすのでしょうか?
    シードルの味と香りを変え、自然の性質を発酵のものづくりへつなげる酵母です。

    13-1:Brettanomyces bruxellensis

    同じ香りが、ワインでは欠点、ビールでは個性になることがあります。
    微生物の働きだけでは決まらない「よい香り」の話です。

    19-2:Cyberlindera saturnus

    酵母はアルコールしか作らないでのしょうか?
    アルコールではなく、香りづくりに関わる酵母を紹介します。


    新しい醸造につながる酵母

    これまで酒造酵母には、糖をよく使い、安定してアルコール発酵を進める能力が求められてきました。

    しかし、低アルコール・ノンアルコール飲料の広がりによって、その評価基準も変わりつつあります。

    糖を十分に発酵できないことが、場合によっては欠点ではなくなります。

    23-3:Pichia kluyveri

    糖をあまり使えないことは、酵母の弱点なのでしょうか?
    低アルコールビールでは、その性質が香りを残しながらアルコールを抑える強みになります。

    37-1: Saccharomycodes ludwigii

    麦汁に糖があっても、すべての酵母が同じように使うわけではありません。
    Saccharomycodes ludwigii は麦芽糖をほとんど利用せず、アルコールを抑えたビールづくりに利用される酵母です。



    お酒の裏に酵母がいる

    ワインならブドウ、ビールなら麦芽、日本酒なら米。

    お酒を見ると、まず原料に目が向きます。

    しかし発酵の途中では、酵母が糖を取り込み、その炭素をアルコール、酸、香り成分、細胞自身の成長などへ振り分けています。

    そして、その振り分け方は酵母によって違います。

    だからこそ、酵母が変われば、同じ原料からつくられるお酒も変わります。

    私たちがお酒を飲むとき、その一部は酵母の代謝の違いを味わっているとも言えるのです。

    「酵母の世界」では、これからもさまざまな酵母を紹介していきます!

    気になる味、香り、発酵の特徴から、それぞれの酵母の世界をのぞいてみてください!


    酵母の世界では、パン・ビール・ワイン・発酵食品を支える酵母たちを、研究者の視点から少しずつ紹介しています。
    ★酵母の世界を巡るためのまとめページを作成してます↓

    ★過去の様々なトピックの記事を全てまとめてます。詳細はこちらから↓

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    アメリカ在住の研究者 × 子育てパパ。 家族と暮らす海外生活や、研究と育児の葛藤などを発信中。 海外で働く・家族を支えるあなたに、共感とヒントを届けられたら嬉しいです。

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