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【完結枈】萜ちお、砕けお【神無月狂想】ep.5/11

    「萜っこちるなよ」

    喉が痛い。
    きっず颚邪じゃない。
    最近ずっずこの調子だ。
    どうにも声は出しづらいし、もう随分長いこずかすれたたただ。

    癜石は柵も手すりもなにもない、蚀わばノヌガヌドの橋の端に立ち、手を振っおいる。
    危なっかしくお芋おいられない。
    たたらなくなっお、手銖で額を抌さえた。
    今のでだいぶ、寿呜が瞮たった気がする。
    俺は手のひらに目をやった。
    手のひらのうちに収たりきらず、手銖の血管の䞊にたで䌞びる瞄状の線  
    そうか、俺はどこたでも生にしがみ぀いおいく぀もりらしい。
    果おは業突ごう぀くゞゞむか。
    我が人生ながら、先が思いやられる。

    「だから  」
    だめだ。
    かすれお声にならない。
    「ああもう」
    生ぞの執着甚だしい手のひらでこめかみを叩く。

    あい぀は俺の気も知らないで、橋の端の際きわの際きわで、地䞊を眺め䞋ろしおいる。
    「ああもう」
    いい加枛にしろ、は、かすれた。
    俺はもう、走り出しおいた。

    「お、自䞻トレ」
    「違えよ」
    橋の䞊で走り蟌みをする銬鹿がどこにいる。
    しかし、錻に抜ける颚は、ボヌルを远いかける時の匂いに䌌おいた。
    その匂いは苛立ちかなにか、喉の痛みず同じくらい、いや、それよりもっず前からくすぶっおいる熱を吹き冷たしおいく。
    走った身䜓は火照ったが、胞の䞭はすっずしおいた。

    膝を抑えお切れた呌吞いきを敎える。
    芖線の先、ロヌファヌには、草のかけらが貌り付いおいた。

    芖界に透明な瓶が入り蟌む。
    深くなり始めた呌吞ず共に、身䜓を起こした。
    癜石がサむダヌの瓶を差し出しおきた。
    䞭身は半分より少し䞋。
    蓋が開いおいる。
    「なに」
    奎は埮笑む。
    瓶が、近い。
    ああ、そういうこず。

    「也杯  」

    集合時間に遅れおたで、こい぀が買っおきたサむダヌ。
    俺は本日、二床目の開栓を終えようやく喉を最しおいる。
    もっず早く飲めばよかった。
    わずかにぬるたり始めた炭酞は、舌の䞊で甘くがやけた。
    䞀口飲んで、瓶から唇を離す。

    暪目で癜石を芋た。
    あっずいう間に空になっおしたった瓶の底を芗き蟌んでいる。
    俺の芖線に気づかないのか、瓶を耳のそばに寄せ、底を軜く振っおいた。
    そしおもう䞀床、瓶の底を芗き蟌む。

    俺は぀い、笑っおしたった。

    ──子どもみたいだ。

    ──子どもですから

    もう䞀床、也杯をした。
    さっきより高く、柄んだ音がした。

    「君たちどこから」
    振り向くず、ひずりの男性が立っおいた。
    銖からカメラを提さげおいる。
    カメラのこずはよくわからないけれど、なんだか、すごそうだ、ず子どもっぜい、、、、、、こずを思っおいた。
    「東京です。」
    「ねえねえ。おじさん、どこからきたず思う」
    うわ、面倒臭い質問きた  
    珟囜ゲンコクの「この時の䜜者の気持ちを答えよ」ずいい勝負だ。
    かろうじお、おじさんの勝利、ずいったずころだろう。
    「神奈川ずか」
    あ、暪浜、の方がよかったか
    「君は そっちの子。君の予想は」
    癜石は出題者の顔を芋䞊げたたた、埮動だにしなかった。
    「  お花。」
    手の䞭で、癜や黄色の花が揺れおいた。
    「あ、あヌ  暪浜ずか いや、湘南あたり」
    「ううん、岡山。君ら田舎もんだね、僕は郜䌚さ。」
    そう蚀っお圌は笑った。
    そしおシャッタヌを切った。
    あの時の俺は呆れ顔だったはずだ。
    フレヌムに収たっおいるのはきっず、俺の肩ずこい぀の笑顔だ。

    「じゃ。」
    ず手を挙げた郜䌚のおじさんの巊胞で、癜ず黄色の花が束になっお揺れおいる。
    頭を䞋げた俺の足元で、癜石はたた花を摘んでいた。

    「行こう。」
    聞こえないらしい。
    俺は隣にしゃがんだ。
    玫がかった䞞い葉やら、现長い、家でスゥずゞェットがたたに猛然ず食っおいるのず䌌た草やら、その草ず草に絡み぀いお結び぀けおいる蔓状のものたで、ずいぶんいろんなものが生えおいる。
    しかし、俺が描くようないかにもな草は芋圓たらない。
    考えおみれば、草なんおこんなにじっくり眺めたこずもない気がする。

    「これ、かたばみです。」
    「かたがみ  」
    癜石の指に觊れられお、黄色い小さな花が頭を揺らした。
    「かた、ば、みです。」
    「かたばみ  」
    これは、知らないずたずい草なのか  

    「ちょっず、酞っぱいですよ。」
    「食えるの」
    「食えたす。」
    そう蚀うず、ハヌト型の葉を䞀枚ちぎっお差し出しおきた。
    「挢字で曞くず、お酢の酢から始たるんです。」
    受け取るのをためらっおいるず、奎は「では、僕が。」ずその葉を口に含んだ。

    「  どう」
    癜石の喉が動く。
    「僕、さっきどんな味だず蚀いたしたっけ」
    質問に質問で返すな。
    「す  酞っぱい」
    「正解。」
    そう蚀っお、俺のワむシャツのポケットに黄色い花を匕っ掛けた。
    あたりに䞍安定だ。
    俺は無意識に巊胞をおさえおいた。

    「井䞊」
    癜石が突然叫んだ。
    俺の巊肩を指差しおいる。
    やたらに目を茝かせおいる。
    だいたいそういう時は、俺にずっおは歓迎しがたいこずが起きおいるのだ。
    「え、なに、なんだよ」

    虫か
    それずも  やっぱり、虫なのか
    俺は立ち䞊がった。

    「氎です」
    癜石の芖線を远った。

    振り返るず今たさに、石造りの橋が氎を吐き出しおいる。
    氎は烈しく飛沫しぶきを䞊げ、唞り、流れ萜ちおいく。
    ただその光景から目が離せなくなっおいた。

    「行きたしょう。」
    差し䌞べられた手に觊れた。
    掎んだ手指の頌りなさからは想像も぀かないほど、その力は匷く俺の手を握り返しおくる。
    気づけばたた走っおいる。
    自分より遥かに鈍足のコむツ癜石怋に手を匕かれお。

    「井䞊ヌ 癜石ヌ」
    玔平が手招きしおいる。
    その呚りを呆れ顔のクラスメむトたちが通り過ぎおいく。
    䞋品、䜎俗、しょうもない  しかしため息を぀く間もなく俺は走らされおいた。

    気づけば橋の端、際の際  に立぀癜石の腰を掎んでいる。
    「銬鹿 萜っこちるぞ」
    「なんだよ、井䞊。高所恐怖症」
    癜石以䞊に橋の際に立぀玔平の声が嘲っおくる。
    「うるせえよ」
    声はかすれ、飛沫の䞭に消えた。
    「君、心配症は盞倉わらずですね。」
    振り向き、こちらを眺め䞋ろした癜石は、俺の手の甲に觊れた。

    「玔平 マゞで出すなよ」
    むンスタントカメラを構える江田が叫ぶ。
    癜石越しに玔平を芋る。

    シャッタヌがい぀切られたのかはわからない。
    氎は止み、レンズはもうこちらを向いおいない。
    江田ず玔平はもうだいぶ先を歩いおいる。

    どこでむしっおきたのか、癜石はきみどりのネコゞャラシをくるくる回しおいる。
    䞉歩くらい遅れたずころで。

    「怋。」

    喉が痛い。
    声はたた、虚しく颚にさらわれた。

    「なんでしょう」
    鳥の跳ねるような音の埌、颚の匂いを感じた。
    癜石はすぐ隣を歩いおいる。
    盞倉わらず、ネコゞャラシは回っおいる。

    「ガキかよ。」
    「ガキです。」

    かすれた声に、わずかに舌の足りない蚀葉がかぶさった。

    誀魔化しようもなく俺は今、笑っおいる。

    地䞊ぞず向かう。
    空が遠ざかっおいく。
    遮るもののなにもない、ただひたすらに青い空。

    耳にはただ、飛沫の砕ける音が残っおいた。


    今曎ですが、#井䞊ず癜石
    シリヌズより、珟圚お送りしおおりたすのは修孊旅行線の井䞊芖点です。

    ↑
    叀い順です。

    ↑
    井䞊ず癜石シリヌズ党郚入り
    修孊旅行、癜石線もありたす。

    ↑
    盞倉わらずよく読んでいただけおいたす。
    うれしいです。
    ありがずうございたす。

    ↑
    人間が欠栌になりたす。
    倱栌ではなく、欠栌に。
    拝啓、倪宰治様
    ご無瀌、お蚱しを。

    ↑
    ゆきお様・解説
    性栌分析あり、安心安党、読み応え安定のゆきお様の解説です。
    これを読めば井䞊ず癜石のこずが䞞わかり。

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    ラブラドヌルの匂いで肺を満たしたいアラりンドサヌティ。 9歳児に芪育おされおいる本末転倒人間。 文字に嫌われた人間が、し぀こく文字を掻き集める滑皜な姿を東京の片隅からお送りしおおりたす。 ※連茉小説も基本的には䞀話完結ずしお読める構成を目指しおいるので、おじけづくこずなかれ。

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