
【ゲームの売り方・種類】メリット&デメリット〜AIを使ったゲームの作り方 Vol.5〜
前回は、何を作るかを決める企画の話でした。AIにたくさん案を出させて、自分で捨てて、最後は一行の企画に絞る。そんな話をしました。
今回は少し先回りをして、売り方の話をしようと思います。ここまで何度も「1本目は売れない前提でいい」と書いてきたので、あれ、と思った方もいるかもしれませんが、売ることを最初から考えるのは超重要なんです。
なんでかというと、売り方次第で作り方も変わる、具体的にいうと、売り上げの立て方が変わるからです。ということで、今回もお付き合いください。
この記事のターゲット
・初心者だけど個人でゲームを作ってみたい人
・就活のため、経験を積む目的でゲームを作ろうとしている人
・いずれ収益化することをイメージしながら、個人制作の経験を積みたい人
この連載で書くこと
・AIを使いながら、1本のゲームを完成させて世に出すまでの段取り
・工程ごとの、AIに任せていいことと、任せてはいけないこと
この連載で約束しないこと
・読めば儲かる、という話ではありません
・組織向けではありません
今回(vol.5)で持ち帰ってほしいこと
・売り方ごとの違いと、自分の1本目に合う売り方
これまでの回は、こちらです。
AIを使ったゲームの作り方(予告編)
https://note.com/ukyousan/n/n8856d2f1d7f8
AIを使ったゲームの作り方 Vol.2 7つの手段と最初の1本
https://note.com/ukyousan/n/n0315cf4e9931
AIを使ったゲームの作り方 Vol.3 目的で変わるAIの使い方
https://note.com/ukyousan/n/n98c135274207
AIを使ったゲームの作り方 Vol.4 AIとゲームの企画を作る時の注意点
https://note.com/ukyousan/n/nf219a9c541cd
番外編|AIで作ったゲームを調整するための「狙い・型・つまみ」の作り方
https://note.com/ukyousan/n/nc7294c97d599
1本目は売れなくても構わない、という考えは今も変わっていません。ただ、作り始める前に売り方の種類をひと通り知っておくと、作り方そのものが変わってくるんです。完成したものを売るのか、長く遊び続けてもらうのか、それともまずは無料で出して名前を知ってもらうのか。どれを選ぶかで、ゲームの長さも、終わり方も、作り終わったあとに待っている仕事も、がらりと変わります。値段の付け方や宣伝のやり方については、これまでにもかなりの数の記事を書いてきました。なので今回は、売り方の全体を見渡すことに絞って、くわしいところは過去の記事にお任せしようと思います。
Ⅰ|売り方の違いは「いつお金をもらうか」と「売ったあとに何が続くか」で見る
ゲームの売り方には、本当にいろいろな名前が付いています。買い切り、基本無料、広告、投げ銭、早期アクセス、クラウドファンディング、パブリッシャーとの契約。こうして並べるだけで、どれが自分に関係あるのか分からなくなってしまいますよね。でも安心してください。違いを見分けるときに押さえるところは、実は2つだけなんです。
1つは、お金をいつもらうかです。完成する前にもらうのか、買ってもらったときにもらうのか、それとも遊んでもらっている間に毎月ちょっとずつもらうのか。もう1つは、売ったあとに何が続くかです。完成したゲームを渡したら基本的にそれで終わりなのか、毎月イベントやキャラクターを足し続けないといけないのか、まだできていないものを最後まで作り切る責任を負うのか。この2つさえ押さえれば、売り方の違いはだいたい見えてきます。
本の売られ方を思い浮かべてもらうと、分かりやすいと思います。書店で単行本を買うとき、私たちはその場でお金を払って、完成した1冊を受け取りますよね。出版社の仕事は、そこでひと区切りです。ところが雑誌の定期購読だと、読む人は毎月少しずつお金を払い、出版社はその代わりに、毎月新しい号を作って届け続けなければいけません。予約やクラウドファンディングで出る本なら、読む人はまだ影も形もない本に先にお金を払って、完成を待つことになります。同じ「本を売る」でも、お金をもらうタイミングと、売ったあとに出版社が背負う仕事が、まるで違うわけです。
ゲームもまったく同じです。そして作る人にとって本当に大事なのは、2つ目の売ったあとに何が続くかのほうなんですね。ここが重い売り方ほど、作り終わったあとも仕事が終わりません。
このことは、後半のⅧでもう一度くわしく書きます。ちなみに、Steamやスマホのストア、ブラウザゲームのサイトといった「どこで出すか」は、売り方とは別の話として考えてください。
ただ、手数料や審査、お金を得るための条件、見つけてもらいやすさは出す場所で変わるので、まったく無関係というわけでもありません。出す場所の一覧はvol.2にまとめてあります。

Ⅱ|買い切りは、完成したゲームを1回の値段で売る方法。1本目に一番近い
まずは、いちばん分かりやすい買い切りからいきましょう。1,000円のゲームなら、1,000円で買ってもらって、完成したゲームを渡す。取引はそれで終わりです。Steamに並んでいるインディーゲームの多くや、BOOTHやDLsiteで売られている同人ゲームは、ほとんどがこの形ですね。
買い切りのいいところは、作り終わりがはっきりしていることです。完成させて、世に出して、売れた分がそのまま結果になる。不具合の修正くらいはありますが、何年にもわたって新しい遊びを足し続ける必要はありません。個人が1本目、2本目に選ぶなら、私はこれがいちばん現実的だと思っています。
一方で、気をつけたいこともあります。多くの買い切りゲームは、発売の前後にいちばん注目が集まるんです。そこで気づいてもらえないと、あとから取り返すのにかなりの時間がかかります。だからこそ、発売の日までにどれだけの人に知ってもらえているかで、結果が大きく変わってくるわけです。値段をいくらにするかは、「3_ゲームの値段の決め方|市場価格はいくらで、その中でどう決めるか」にくわしく書いているので、買い切りで出すつもりの方は、あわせて読んでみてください。
Ⅲ|運営型の基本無料は、無料で遊んでもらい課金で稼ぐ方法。作ったあとも運営が続く
次は、スマホのゲームでおなじみの基本無料です。遊ぶこと自体は無料で、アイテムやガチャ、広告で稼ぐ売り方ですね。お金を払ってくれるのは遊ぶ人のほんの一部で、1人あたりの金額もそれほど大きくはありません。それでも、遊んでくれる人が長く残ってくれれば、毎月の売上として少しずつ積み上がっていきます。
ただ、この売り方は、売ったあとがとにかく重いんです。遊ぶ人に残ってもらうためには、新しいイベントを用意して、新しいキャラクターを足して、不具合を直して、問い合わせにも答えて、それを何か月も、何年も続けることになります。遊ぶ人が減れば、そのぶん売上も減っていく。作って終わり、という瞬間が来ないわけです。
私はこの形のゲームに長く関わってきましたが、だからこそ、個人の1本目に選ぶ売り方ではないとはっきり言えます。なぜ生き残るのがこんなに難しいのか、それでも挑むならどう考えればいいのかは、「運営型モバイルゲームが生き残りづらい構造的理由と、その突破口」に書いています。
Ⅳ|広告と投げ銭は、無料で公開したまま少しだけお金が入る方法
無料で出したまま、ほんの少しだけお金をもらえる方法もあります。1つは広告です。ブラウザゲームを集めたサイトの中には、載せたゲームに表示される広告の収益を、作った人に分けてくれるところがあります。もう1つは投げ銭で、たとえばitch.ioでは、無料で公開したゲームに「気に入ったら払ってもいいですよ」という仕組みを付けておけます。
どちらも、運営型の基本無料と比べると、売ったあとの仕事はずっと少なくて済みます。完成したゲームを無料で置いておくだけなら、イベントやキャラクターを足し続ける必要はありません。とはいえ、大きな不具合が見つかれば直さないといけませんし、出した場所の規約にも目を通しておく必要はあります。そのぶん、もらえる金額は本当に小さくて、1本目で生活が変わるようなことは、まずないと思ってください。
それでも、自分の作ったゲームでお金をもらうという経験は、想像以上に大きいものです。たとえ数十円でも、見ず知らずの誰かが遊んで、気に入ってくれた証拠ですからね。1本目を無料で出すなら、こうした仕組みがあるかどうかで出す場所を選んでみるのもいいと思います。ただ、広告の分け方や条件はサイトごとに違ううえに、よく変わります。出す前には、必ずそのサイトの公式の説明を確かめてください。
Ⅴ|早期アクセスとクラウドファンディングは、完成前にお金を受け取る方法。完成させる責任が重い
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