
01|AIを使ったゲームの作り方(予告編)
AIを使ってゲームを作るときの段取りと注意事項を、連載で書いていきます。
先日の記事で、私は「AIを使った開発は、可能なところから速く進めたほうがいい」と書きました。その考えは今も変わっていません。ただ、あの記事は会社の話でした。今回の連載は、個人でゲームを作る人に向けて書きます。
特に読んでほしいのは、就活に向けて経験を積みたくてゲームを作ってみようと思っている人と、いつか収益化することを頭に置きながら、まずは個人で作る経験を積みたい人です。
いまはAIに頼めば、動くゲームがあっという間にできます。それ自体はすごいことです。ただ、全部をAIに任せて完成させると、手元に何も残らないことがあります。作ったのに、何ができるようになったのか自分で説明できない。これはもったいないですよね。
どこをAIに任せて、どこを自分でやるのか。それを工程ごとに書いていくのが、この連載です。
この記事のターゲット
・初心者だけど個人でゲームを作ってみたい人
・就活のため、経験を積む目的でゲームを作ろうとしている人
・いずれ収益化することをイメージしながら、個人制作の経験を積みたい人
この連載で書くこと
・AIを使いながら、1本のゲームを完成させて世に出すまでの段取り
・工程ごとの、AIに任せていいことと、任せてはいけないこと
この連載で約束しないこと
・読めば儲かる、という話ではありません
・組織向けではありません
今回(vol.1)で持ち帰ってほしいこと
・連載の全体像と、自分がいま知りたいこと
Ⅰ|書くことが多いので、段取りの順に分けて書く
書くことを全部書き出してみたら、100項目を超えました。1本の記事にはとても収まりません。
なので、ゲームを1本作って世に出すまでの順番に沿って、分けて書いていきます。大きく分けると、準備、開発、リリース、振り返りの4つです。
※この目次は、2026年10月16日時点の最新版です。書いていく中で順番や内容が変わったら、そのたびに書き直します。最初に出した目次から、実際に書いた回に合わせて番号を直しました(Vol.6-2、Vol.7、Vol.7-2は、書いている中で足した回です)。
準備
Vol.1 AIを使ったゲームの作り方(予告編)(今回)
Vol.2 7つの手段と最初の1本
Vol.3 目的で変わるAIの使い方
Vol.4 AIとゲームの企画を作る時の注意点
Vol.5 【ゲームの売り方・種類】メリット&デメリット
開発
Vol.6 面白さの追求方法|コアループと面白さの核
Vol.6-2 面白さを言語化して的確に設計する方法と、フレーム数の基礎
Vol.7 ゲームの「やさしいウソ」はAIでどこまで再現できるのか?
Vol.7-2 遊びやすさを作る仕掛け102選
Vol.8 作る前に決めておくこと
Vol.9 試作と素材は、AIで速く作って人の手で仕上げる
Vol.10 数値は任せて、手触りは任せない
リリース
Vol.11 売るまでの流れを、作りながら一度経験する
Vol.12 提出とリリースの前に確認すること
振り返り
Vol.13 経験を言葉にして、次に持っていく
各回の内容は、下の一覧にまとめました。これまでの回は実際に書いた内容、これからの回は書く予定の内容です。


順番は、実際に作るときの流れに合わせています。入れ替えたり、足したりするときは、記事の中でお知らせします。
各回には、その工程でAIに任せていいことと、任せてはいけないことを必ず入れます。就活のために作る人と、収益化を経験したい人とで、やり方が分かれるところは、分けて書きます。
もう一つ、先にお伝えしておきます。この連載では、どの手段で作るかを一つに決めていません。ゲームエンジンで作る人もいれば、ツクールやブラウザゲームで作る人もいるからです。
そのうえで、基本は、ゲームを作ったこともプログラムを書いたこともない、完全な初心者を想定して書いていきます。 経験がある人には当たり前に感じるところもあると思います。そこは読み飛ばしてください。どの手段で作るかは、次回のvol.2で、7つの作り方の向き不向きとして書きます。
Ⅱ|企画、マーケティング、SNS運用、事業計画の話も出てくる
いずれにしても、この連載の中には、企画設計の話、マーケティングの話、SNS運用の話、事業計画の話まで出てきます。
AIの使い方の連載なのに、と思うかもしれません。ただ、これは個人レベルの制作でも必要になることです。1本のゲームを完成させて世に出すまでには、何を作るかを決めて、誰に届けるかを考えて、知ってもらう手段を用意して、お金と時間の計画を立てる必要があります。会社でも個人でも、やることの種類は変わりません。規模が違うだけです。
この連載では、それぞれの工程でAIをどう使うかを中心に書きます。企画設計やマーケティングそのものを詳しく知りたい方は、無料で読める記事もたくさん書いているので、そちらも見てください。
企画設計
1_ゲーム企画書の書き方|企画を通すために、最初に決めるべき目的と相手
https://note.com/ukyousan/n/n498bcbcd5b2f【ワークブック】ゲーム企画の作り方
https://note.com/ukyousan/n/nfbd8e75c8086【ゲームの企画】企画と仕様、最初はどこまで考えておくか?
https://note.com/ukyousan/n/n0fce5fab3a76
マーケティング
ゲーム業界のマーケをできるかぎり分かりやすく知る・使いこなす。失敗例も添えて
https://note.com/ukyousan/n/na70f037cc1f4【ゲームの企画設計】「良いものを作れば届く」は祈りでしかない。"認知の設計"を意図して作れ
https://note.com/ukyousan/n/n5003a14e0c92「ノープロモ」ではなく、"設計されたプロモーション"だった。『めっちゃカメレオン』発売前4週間の構造を読み解く
https://note.com/ukyousan/n/n9844cf225a7e
SNS運用
フォロワー数、いいねと売上の関係性
https://note.com/ukyousan/n/n7fb567c2bd23ChatGPTでゲームのプロモーション計画を3か月分、15テーマを自動的に作る
https://note.com/ukyousan/n/n033253c674e3どうしてあなたのゲームが売れないのか?|〜ノウハウを真似ても、再現しない理由〜
https://note.com/ukyousan/n/n58e6b691c9cb
事業計画
2_ゲーム開発の予算の決め方|許容損失から考える予算設計
https://note.com/ukyousan/n/n4a9caa2d86453_ゲームの値段の決め方|市場価格はいくらで、その中でどう決めるか
https://note.com/ukyousan/n/n443e5d37808d【資料】ゲームプロデューサーは現実と夢を見る。ゲームを企画する前から考えていること。販売予測シートも公開
https://note.com/ukyousan/n/nba11115794e8
Ⅲ|もう作り始めている人は、そのまま作り続けていい
ここは先に言っておきたいことです。
すでに何か作り始めている人は、この連載の順番を気にしなくて大丈夫です。 企画の回が来るまで待つ必要もありませんし、ここまでのやり方を直す必要もありません。
むしろ、いろいろ試しに作ってみてほしいと思っています。
ゲーム作りは、手を動かした人から分かることが増えていきます。これはAIがあってもなくても同じです。AIに頼んで動いたけれど、なぜ動いたのか分からない。思ったものと違うものが出てきた。途中で止まってしまった。こういう経験は、作った人にしか起きません。そして、この連載で書いていくことは、その経験があるほうがずっと分かりやすくなります。
なので、この連載は「読み終わってから作り始めるための教科書」だとは思わないでください。作りながら、ときどき照らし合わせる地図のように使ってもらえたらうれしいです。「自分は今このあたりにいるな」「この工程を飛ばしていたな」と確認するために読む。そのくらいの距離感がちょうどいいと思っています。
Ⅳ|まだ何も作っていない人は、ブラウザで1本作ってみる
一方で、まだ何も作ったことがない人もいると思います。その人に向けて、最初の一歩だけ書いておきます。
まずは、AIに頼んで、ブラウザで動く小さなゲームを1本作ってみてください。 ゲームエンジンもツクールも、まだ入れなくて大丈夫です。
使うのは、ClaudeかChatGPTのどちらかです。すでに使っている方で構いません。どちらも使ったことがなければ、無料版で同じ頼み方をしてみて、返事が分かりやすかった方を選べばいいと思います。ゲームを1本作るくらいなら、初心者が困るほどの差はありません。
頼み方は、これだけで大丈夫です。
ブロック崩しを、1つのHTMLファイルで作ってください
少し待つと、ゲームのプログラムが出てきます。それをファイルに保存して、ブラウザで開けば遊べます。保存の仕方や開き方が分からなければ、そのままAIに「これはどうやって動かすの?」と聞いてください。順番に教えてくれます。
ここまでで、早ければ1時間もかかりません。自分の指示で、画面の中のものが動いた。 最初はこの感覚をつかめれば十分です。
そして、動いたら一つだけやってほしいことがあります。AIに「このプログラムは、どこで何をしているのか説明して」と聞いてみてください。 ボールがどこで跳ね返っているのか。ブロックが消える判定はどこにあるのか。全部を理解できなくてもいいです。ただ、これを聞くか聞かないかで、手元に残るものが変わります。任せて動かしただけで終わると、何も残りません。説明を聞いて、自分で少し数字を変えてみると、ボールの速さが変わる。それがもう経験です。
慣れてきて、ゲームが大きくなってくると、チャットにプログラムを貼ったりコピーしたりするのが大変になってきます。そうなったら、AIが自分でファイルを作って直してくれるClaude CodeやCodexに進むタイミングです。そこから先の使い方は、開発の回で書きます。
Ⅴ|知りたいことがあれば、書いてほしい
目次は出しましたが、これで決まりではありません。
読んでくれている人が実際に困っていることを、できるだけ入れていきたいと思っています。たとえば、こういうことです。
何で作ればいいのか分からない
AIに頼んだら動いたけれど、中身が分からなくて直せない
途中で止まってしまって、完成までたどり着けない
就活の作品に、AIを使ったことを書いていいのか迷っている
作ったゲームを、どこで出せばいいのか分からない
こういう「いま困っていること」「この回でこれを書いてほしい」ということがあれば、気軽に書いてください。一行でも、うまくまとまっていなくても大丈夫です。 質問が多かったものは、その回で厚めに書きますし、目次になかったものは回を足して書きます。
書く場所は、この記事のコメント欄で大丈夫です。 メンバーの方だけが読める場所なので、気軽に書いてもらえたらうれしいです。
26年ゲームの現場にいた人間として、答えられることはできるだけ答えます。答えが一つに決まらないものは、決まらないと正直に書きます。
おわりに|次回は、ゲームを作る手段の話
今回のまとめです。
AIを使ってゲームを作る段取りと注意事項を、個人でゲームを作る人に向けて連載で書く
1本を作って世に出すまでを、準備・開発・リリース・振り返りの順に13回(と、途中で足した回)で書く
企画設計・マーケティング・SNS運用・事業計画の話も出てくる。個人の制作でも必要なことで、詳しく知りたい方は無料記事も読んでほしい
もう作り始めている人は、順番を気にせず、いろいろ試しに作ってほしい
まだ何も作っていない人は、ClaudeかChatGPTに頼んで、ブラウザで1本作ってみる。動いたら、どこで何をしているか説明してもらう
知りたいこと、書いてほしいことがあれば、気軽に書いてほしい
次回は、ゲームを作る手段の話です。ゲームエンジン、ツクール、ブラウザゲーム、アナログゲームまで、7つの作り方と、それぞれの向き不向きを書きます。何で作るか迷っている人は、ぜひ読んでみてください。
一緒に、数本作っていきましょう。
次回からはメンバーシップ限定で連載していきます
https://note.com/ukyousan/membership