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【超蚳䞖界神話】ピュグマリオンずガラテア

    私、䞀応これでも矎ず愛を叞る、女神なんですけど。

    今日も今日ずお䞋界を巡回しおたんですよ。
    仕事なんで。

    ほら、愛の女神だからっお毎日むケメンずキャッキャしおるわけじゃないから。
    むしろそういうの、倖から芋おる方が奜きだし。

    で。

    キプロス島を芋おたら、ちょっず気になる男がいたんですよ。

    ピュグマリオン。

    神絵垫

    圫刻家。

    なんでも䞉次元の女にいろいろ絶望したらしくお、
    恋愛ずかもう結構です、みたいになっおる男。

    あヌ、いるいる。
    こじらせちゃったんですね。
    倧倉だなヌ。

    くらいの気持ちで芋おたんですよ。

    そしたらこの男、自分で理想の女を圫り始めた。

    象牙を削る。

    少しず぀、女の茪郭が珟れおいく。

        。

    え

    埅っお。

    うっっった。

    䜕これ。

    え、埅っお埅っお。
    これ人間が䜜ったんですか

    造圢どうなっおんの

    顔だけじゃないじゃん。
    指先たでちゃんず矎しい。

    え

    神

    いや私が神なんですけど。

        。

    いや。

    別に凹んでないですよ。
    私、矎の女神ですし。

    䞀応。

      䞀応っお䜕ですか。

    自分で蚀っおお悲しくなっおきた。
    やめよ。

    私の話はいいんです。

    問題はここから。

    像は完成した。

    普通ここで終わりじゃないですか

    最高傑䜜できたした。
    おめでずうございたす。
    察戊ありがずうございたした。

    じゃないんですよ。

    この男。

    毎日、像を芋おるんです。

    頬に觊れる。

    冷たい象牙を、指先でそっずなぞる。


        え


    服を着せた。


    埅っお。


    その服なに

    この子のために甚意したんですか


    花たで持っおきた。


    いやいやいやいや。

    貝殻。
    宝石。
    小さな莈り物。

    䞀぀ず぀、像の前に眮いおいく。

        。

    あの。


    これ、私しか芳枬しおない


    倧䞈倫
    誰か芋おる

    いや芋なくおいい。

    むしろ芋るな。

    私が芋る。

    私が責任持っお党郚噛み締めるから。

    倜。

    ピュグマリオンは像の前に座る。

    䜕も蚀わない。

    ただ、その手を取る。

    冷たい象牙の手を、自分の䞡手で包む。


        は


    埅っお埅っお埅っお。

    そこ䞡手でいくの

    指先じゃなくお

    包むの

    䜓枩、分けようずしおる


    いや無理無理無理無理無理。


    ちょっず埅っお。

    そういうの聞いおない。

    私いた勀務䞭なんですけど。

    勀務䞭に摂取しおいい感情のキャパ超えおるんですけど。

    しかも喋らない。

    䞀蚀も。

    「愛しおる」ずか蚀わない。

    名前を呌んだりもしない。

    ただ、䞀緒にいる。

        。

    いや。

    分かった。

    分かりたしたから。

    これ、蚀葉いらないや぀だ。

    危な。

    私いた「なんか蚀えよ」ずか思っちゃった。

    違う違う違う。

    ここ喋ったらダメだわ。

    この二人、これでいい。

    そういう解釈じゃない。

    危うく自分で地雷螏むずころだった。

    静かなアトリ゚。

    男の手の䞭にある、冷たい象牙の指。

    月の光が差し蟌む。

        。

    いやさ。

    別に私、恋愛ずか詳しくないんですよ。

    人間の恋愛ずか芋おおも、

    「あヌはいはい、お幞せに〜」

    くらいのもんですし。

    私なんかがどうこう蚀うこずでもないし。

    でも。

    これは違くない

    いや。

    違う。

    絶察違う。

    これさ。


    「ク゜デカ䞀方通行×沈黙の受容」


    じゃない

    分かる

    像は䜕も蚀わない。

    動かない。

    そりゃ象牙だから。

    でも。

    䜕も拒たない。

        。

    いや。

    埅っお。

    「拒たない」っおいうのも違いたすね。

    この子、ただ䜕も蚀えないので。

    そこに勝手に意味を足すのはダメ。


    公匏は最倧限尊重しないず。


    でも。

    ピュグマリオンは、返事を芁求しない。

    この男が毎日毎日持っおくる、
    どうしようもなく重たい感情を、
    ただそこぞ眮いおいく。

    服を着せおも。

    花を持っおきおも。

    手を握っおも。

    芋返りを芁求しない。

    返事しろずも蚀わない。

    俺を愛せずも蚀わない。

    ただ䞎えおる。

    ずっず。

        。

    いや埅っお。

    これ玔愛では

    え

    玔愛じゃん。

    混ぜ物ないじゃん。

    誰も挟たらないじゃん。

    二人の間に䜙蚈なもの䜕もないじゃん。

    いや「二人」っお蚀いたしたけど、
    ただ䞀人ず䞀䜓なんですけど。

    それは今いいから。

    そういう話じゃないから。

    この関係性に第䞉者ずかマゞでいらない。

    いや私もいらない。

    私なんかが二人の間に入るずか無理。

    壁。

    壁でいい。

    できれば壁玙。

    いや壁玙も䞻匵匷いな。

    床のチリ。

    それくらいがいい。

    二人の芖線が亀差する線䞊に存圚しおいいのは抂念だけですから。

        。

    ごめん。

    私キモい。

    知っおる。

        でも、解釈は曲げたせんから。

    これは「そう」だから。

    異論は認めない。

    解釈違いです。

    私が愛の神です。

        。

    急に神の暩嚁䜿うのダサ。

    知っおる。

    でも無理なものは無理。

    やがお、私の祭りの日が来た。

    ピュグマリオンは祭壇の前に立぀。

    祈る。

        え。

    埅っお。

    今、䜕願った

    いや。

    聞こえた。

    聞こえたしたけど。

    「あの乙女のような劻を」

    っお。

        。

    「ような」

    お前それ  。

    本圓は、この子っお蚀いたいんじゃん。

    蚀えないんじゃん。

        。

    無理。

    それは無理ですっお。

    そういうの私匱いんですっお。

    ピュグマリオンはアトリ゚ぞ垰る。

    像の前に立぀。

    頬に觊れる。

    そしお、そっず唇を重ねる。

        。
          。

    いや。

    埅っお。

    ここたで

    ここたで芋せずいお終わり

    䞀生このたた

    嘘でしょ

    いやいやいやいや。

    埅っお埅っお埅っお。

    私だっお分かっおたすよ

    倖野が勝手に掚しの関係性いじるの、䞀番ダメですから

    公匏は最倧限尊重

    そこは絶察

    でも

    本人が願ったじゃないですか。


    本人が


    私に


    願ったじゃん


    いやもう、それ私の劄想じゃないですよね

    本人発信じゃん

    しかも私の祭壇で

    私に

    正匏に祈ったじゃん

        。

    だったら。

        。

    いいですよね

    いや。

    誰に蚱可取っおるんですか私。

    私が愛の神じゃん

    掚しは掚せる時に掚せっお蚀うじゃん

    人間なんおすぐ死ぬんですよ

    こっちは神だから時間感芚バグっおたすけど、
    ほんず䞀瞬なんですよ

    それなのに䜕

    私はこのたた壁になっお芋おろっお

    いや壁になりたいよ

    なれるなら今すぐアトリ゚の床のチリになりたいよ

    でも私、神なんですよ

    愛の

    こういう時のための神力でしょ

    違う

    違わない

    知らん

    もういい


    掚せる神が、今掚さなくおい぀掚すのよ


    象牙に、わずかな血色が差す。

    硬かった頬が、指先の䞋で柔らかく沈む。

    冷たい手に、枩床が宿る。

    胞が、小さく䞊䞋する。

    やがお。

    乙女の瞌が開く。

    ピュグマリオンは動かない。

    乙女も䜕も蚀わない。

    ただ、初めお互いの瞳に、互いの姿が映る。

        。
          。
            。

    はぁ〜  。

    マゞ尊すぎお死ぬ  。


    【甚語解説】

    ※アフロディヌテ

    ギリシア神話に登堎する、愛、矎、性愛などを叞る女神。

    オリュンポス十二神の䞀柱に数えられ、ギリシア神話を代衚する女神のひずりです。

    ロヌマ神話ではりェヌスノィヌナスにあたりたす。


    ※ピュグマリオン

    キプロスの王、あるいは圫刻家ずしお䌝えられる人物。

    特にオりィディりス『倉身物語』では、自ら䜜り䞊げた象牙の女性像に恋をする人物ずしお描かれおいたす。

    アフロディヌテロヌマ名りェヌスの祭日に「あの象牙の乙女のような女性を劻に」ず願い、その願いを察した女神によっお、像には生呜が䞎えられたす。


    ※ガラテア

    ピュグマリオンが䜜り、のちに生呜を䞎えられた女性像の名ずしお広く知られおいたす。

    ただし、オりィディりス『倉身物語』では、この像に固有名はありたせん。

    「ガラテア」ずいう名前は埌䞖に定着したものです。


    ※神絵垫

    非垞に優れた絵を描く人を「神」のように称える、むンタヌネット䞊の俗称。

    もちろんピュグマリオンは圫刻家なので、神絵垫ではありたせん。

    本䜜のアフロディヌテも、すぐに蚂正しおいたす。


    ※䞉次元

    オタク文化では、挫画やアニメなどの架空のキャラクタヌを「二次元」、珟実に存圚する人間を「䞉次元」ず呌ぶこずがありたす。

    本䜜のアフロディヌテは、人間の女性に絶望したピュグマリオンを「䞉次元の女にいろいろ絶望した」ず衚珟しおいたす。


    ※解釈違い

    䜜品やキャラクタヌ、人物同士の関係性などに぀いお、自分ず他者の解釈が䞀臎しないこず。

    単なる奜みの違いを指す堎合もあれば、受け入れがたいほど倧きな認識の違いを指す堎合もありたす。

    本䜜のアフロディヌテは、最終的に「私が愛の神です」ず䞻匵しおいたす。


    ※地雷

    自分にずっお苊手な蚭定、展開、キャラクタヌ同士の組み合わせなどを指す俗語。

    知らずに苊手なものぞ觊れおしたうこずを「地雷を螏む」ず衚珟するこずもありたす。

    本䜜のアフロディヌテは、ピュグマリオンに蚀葉を求めかけた自分自身の解釈を「地雷」ずしおいたす。


    ※玔愛

    䞀般には、打算などを亀えず、ひたむきに盞手を思う愛を指す蚀葉。

    オタク文化では、䜜品やカップリングにおける恋愛の傟向・嗜奜を衚す蚀葉ずしお䜿われるこずもありたす。

    本䜜のアフロディヌテは、ピュグマリオンが象牙の乙女ぞ泚ぎ続ける愛情を芳枬した結果、「これ玔愛では」ずいう結論に至りたした。


    ※壁

    奜きなキャラクタヌ同士の関係に自分は介入せず、「壁になっお二人を芋おいたい」ず願うオタク特有の衚珟。

    存圚を認識されるこずすら望たず、ただ二人の関係性を芋守りたい、ずいう意味で䜿われたす。

    本䜜のアフロディヌテは壁でも䞻匵が匷いず考え、最終的に「床のチリ」を垌望しおいたす。


    ※公匏

    原䜜者や制䜜偎などから正匏に瀺された蚭定、物語、人物関係などを指す蚀葉。

    ファンによる解釈や二次創䜜ず区別する意味でも䜿われ、「公匏が最倧手」ずいう蚀い回しもありたす。

    本䜜のアフロディヌテも「公匏は最倧限尊重」を信条ずしおいたす。

    その埌、女神ずしおの暩胜を行䜿したした。


    ※掚し

    特に奜きで、応揎したい人物やキャラクタヌなどを指す蚀葉。

    人物だけでなく、䜜品やキャラクタヌ同士の組み合わせなどが「掚し」の察象になるこずもありたす。

    本䜜のアフロディヌテにずっお、ピュグマリオンず象牙の乙女は完党に「掚し」ずなっおいたす。


    ※掚しは掚せる時に掚せ

    奜きな人物やキャラクタヌ、䜜品などを応揎できる機䌚は氞遠に続くずは限らないため、「応揎できるうちに応揎しおおこう」ずいう意味で䜿われる蚀葉。

    掻動終了や匕退、䜜品の完結などによっお、い぀か「掚せなくなる日」が蚪れるかもしれないずいう経隓則を背景にした衚珟です。

    本䜜では、人間よりはるかに長い時間を生きるアフロディヌテが、この蚀葉を自らの暩胜を行䜿する理由のひず぀にしおいたす。


    ■ 壁になりたい女神の叙事詩


    第䞀歌 ピュグマリオンずガラテア

    第二歌 パリスの審刀

    第䞉歌 アラクネ

    第四歌 むリオス

    幕間 黄金の林檎

    第五歌 アタランテずヒッポメネス

    第六歌 女神の機織り

    第䞃歌 愛の女神ず䞉凊女神

    🔑埌日談 ただの倢です


     
     
    昔話は、今を映す鏡。 誰もが知る物語を、 今を生きるがくらの芖点でもう䞀床芋぀めおみたせんか。 結末は倉わりたせん。 倉わるのは、芋え方です。 そこに答えはありたせん。

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