
【魔王軍ノベルス7】魔王様、音楽革命隊は、異世界を征服できるの?第7話
魔王軍AIラノベ版です。
( ※この記事はフィクションです。)
トトさんの「一行から始まる物語プロンプト」
を利用させていただいてます。

第七話 アステリア、魔王軍のライブを拒否する
アステリアの街は、大きかった。
高い石壁に囲まれた城門。広い大通り。立ち並ぶ商店。そして、遠くに見える巨大な時計塔。
リンドベルとは、まるで雰囲気が違う。
魔王軍音楽革命隊の一行は、街の入口で足を止めた。
「……すごいね」
ミキが見上げる。
「ここなら、かなりの人数を集められそうです」
参謀が周囲を見回した。
しかし、ノアは黙っていた。
街の人々がこちらを見ている。
誰も近づいてこない。
誰も声をかけない。
ただ、遠巻きに見ている。
「歓迎されてないね」
ミキが小さく言った。
「だから言っただろう」
ノアが腕を組む。
「この街では魔王軍への反感が強い」
「でも、音楽を聴けば変わるかもしれない」
「そう簡単にいくか?」
「やってみなきゃ分からないよ」
ミキはベースケースに手を置いた。
そのときだった。
「そこで止まれ!」
大通りの向こうから、数人の兵士が歩いてきた。
先頭にいるのは、青い制服を着た若い男だった。
「私はアステリア市警の責任者、ガルドだ」
ガルドは魔王軍を睨んだ。

「この街での演奏を禁止する」
「えっ」
ミキが目を丸くする。
「理由は?」
「魔王軍だからだ」
「音楽じゃなくて?」
「魔王軍の音楽だからだ」
ガルドは即答した。
ミキは少し考えた。
「じゃあ……魔王軍じゃなかったらいい?」
「屁理屈を言うな」
「じゃあ、音楽だけなら?」
「同じことだ」
「じゃあ、楽器だけなら?」
「それも駄目だ」
「歌は?」
「駄目だ」
「手拍子は?」
「……」
ガルドの顔が引きつった。
「手拍子も駄目だ」
ミーノ参謀が小声で言う。
「ずいぶん徹底していますね」
ノアは黙ってガルドを見ていた。
「一つ聞こう」
「なんだ」
「この街では、音楽そのものを禁止しているのか?」
「違う」
「では、なぜ我々だけを禁止する?」
ガルドは答えなかった。
代わりに、視線を街の奥へ向ける。
「……以前、魔王軍が来たとき、街が混乱した」
「我々が?」
「そうだ」
ガルドの声が低くなる。
「人々が集まり、商人が店を閉め、若者たちが騒ぎ……街の秩序が乱れた」
ミキは黙って聞いていた。
「だから、もう同じことは起こさせない」
しばらく沈黙が続いた。
やがてミキが口を開く。
「じゃあ、ライブはしない」
「……何?」
「今はね」
ミキはベースケースを閉じた。
「でも、一曲だけ聴いてほしい」
「禁止だと言っただろう」
「演奏するのは、私たちじゃない」
ミキは街の人々を見る。
すると、大通りの端に立っていた老人が、一歩前へ出た。
その手には、小さな笛があった。
老人はガルドを見て、それからミキを見る。
「……俺が吹く」
ガルドが驚く。
「おじいさん!」
「昔は、この街で毎日吹いていたんだ」

老人は笛を口元へ運んだ。
「だが、もう何年も吹いていない」
静かな音が鳴った。
細く、少し震えた音だった。
けれど、その瞬間。
大通りの窓が一つ開いた。
誰かが顔を出した。
さらに別の窓が開く。
店先からも人が出てくる。
音を聴いている。
ミキは笑った。
「ほら」
「何がだ」
ノアが尋ねる。
「音楽って、止めようとしても勝手に始まるんだよ」
老人の笛に、少女の弦楽器が重なった。
そして、昨日魔王城へ来たアステリアの音楽家たちが、一人、また一人と楽器を構える。
ガルドは止めようとした。
だが、その手が止まった。
街の人々が、誰も逃げていない。
誰も騒いでいない。
ただ、聴いている。
やがてミキがベースを取り出した。

「……一音だけ」
ノアがため息をつく。
「お前は『一音だけ』と言うときほど信用できない」
「バレた?」
ミキが笑う。
ベースの低い音が、大通りに響いた。
笛と弦楽器が重なる。
そこへドラムが入る。
誰かが手を叩く。
また一人。
さらに一人。
気づけば、アステリアの大通りには、小さな音楽が生まれていた。
ガルドは、その中心で立ち尽くしていた。
そして、誰にも聞こえないほど小さな声で呟いた。
「……これが、魔王軍の音楽か」
ミキはその言葉を聞いて、笑った。
「うん」
そしてベースを鳴らす。
「まだ、始まったばかりだよ」
――第七話・完

《続きを読みますか?》
「あとがき」
今回の挿入歌『アステリアの笛』は、ミキ・ウェイブが後日、作詞/作曲した曲という設定です。歌はミキとアステリア民の少女が歌っています。
魔王軍音楽革命隊は各遠征地の人々と共に演奏する機会が増え、各地の民族音楽団や、管弦楽団とのコラボ演奏も増えてきました。大きなステージに立った時には爆音のグランジロック的なミキの歌もお届けしたいと思います。
挿入曲『アステリアの笛』の「歌詞」です
作詞/作曲:ミキ・ウェイブ
編曲:魔王軍音楽革命隊&アステリア民楽隊
細い笛が 朝の通りに
ひとつの息を ほどいてゆく
「昔は毎日 吹いていた」
老人は笛を 口元へ
何年ぶりかの 小さな音
少し震えて 空に立つ
閉じた窓から 顔がのぞき
店の前に 人が集まる
逃げる人など 誰もいない
ただ耳を澄ましてる
音楽は響き 止まらない
ひとつの音が 誰かを呼ぶ
笛のね 寄り添い 音は続く
この街の今が 歌になっていく
少女の弦が 笛に重なり
旅のがく隊 楽器を構える
止めようとした その手さえも
聴いてる人を見て 静かに下がる
「一音だけ」と 彼女は笑う
はじく弦は 響きはじめる...,
ため息まじりの 返事のあとで
低い音が 通りに満ちる
音楽は響き 止まらない
ひとつの音が 誰かを呼ぶ
笛のね 寄り添い 音は続く
この街の今が 歌になっていく
昨日まで知らない 隣の人とも
同じ鼓動 分け合える
誰も急がず 誰も隠れず
音のそばに 立っている
音楽は響き 止まらない
小さな息が 景色を変える
笛も弦も低音も ひとつに重なって
アステリアの通りに 今日の歌が咲く
細い笛から 始まった音
人々の手に 渡ってゆく
今回の使用プロンプトを配布している、トトさんの記事です。⬇️
トトさんの楽しいプロンプト集です。⬇️
【新版:魔王軍音楽革命隊シリーズ】
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