
【魔王軍ノベルス8】魔王様、音楽革命隊は、異世界を征服できるの?第8話
魔王軍AIラノベ版です。
( ※この記事はフィクションです。)
トトさんの「一行から始まる物語プロンプト」
を利用させていただいてます。

第八話 アステリア、街中がステージになる
最初は、ほんの数人だった。
老人の笛。
少女の弦楽器。
ミキのベース。
そこへ、昨日魔王城から来た音楽家たちの楽器が重なっていく。
大通りを歩いていた人々が、少しずつ足を止めていた。
「……なんだ、この音」
「魔王軍が演奏してるの?」
「いや……街の人も一緒だ」
誰かがそう言った。
その言葉を聞いたミキは、思わず笑った。
「そう、それ!」
ベースを鳴らしながら、ミキが叫ぶ。
「今日は魔王軍のライブじゃない!」
周囲から顔が上がる。
「アステリアのライブだよ!」
その瞬間だった。
建物の二階から、誰かが小さな太鼓を投げてよこした。
「使え!」
ミキが受け取る。

「誰?」
「昔、祭りで叩いてたんだ!」
別の店からも声が飛んだ。
「こっちにはギターがあるぞ!」
「鍵盤なら貸せる!」
「歌えるやつはいないのか!」
「いるぞ!」
街のあちこちから声が上がる。
ガルドは完全に取り残されていた。
「待て……」
彼は頭を抱えた。
「私は演奏を禁止したはずだぞ……」
ミーノ参謀が横で静かに答える。
「もう手遅れですね」
「何がだ」
「街そのものが演奏を始めています」
ガルドは大通りを見た。
確かにそうだった。
楽器を持った人間が集まり、店先から椅子が運び出され、子どもたちは手を叩いている。

さっきまで魔王軍を警戒していた街の人々が、今は同じ方向を向いていた。
音のほうへ。
ガルドは唇を噛んだ。
「……こんなことで、秩序が崩れるというのか」
その声を聞いたノアが振り返る。
「違う」
「何?」
「秩序が崩れているのではない」
ノアは大通りを見渡した。
「新しい秩序が生まれているのだ」
ミキが振り向いた。
「魔王様、珍しくいいこと言うじゃん」
「珍しくは余計だ」
ノアが睨む。
そのとき、広場の鐘が鳴った。
昼を告げる鐘だった。
しかし、その鐘の音に合わせるように、ドラムがリズムを刻み始める。
ミキが笑う。
「よし!」
ベースを大きく鳴らす。
音楽が一段と大きくなった。
店から料理が運ばれてくる。
酒場の主人が樽を開ける。
子どもたちは踊り始める。
商人たちは店先に商品を並べた。
誰かが叫ぶ。
「魔王軍の旗、売ってるぞ!」

「いつ作ったんだよ!」
ミキが驚く。
ミーノ参謀が小さく手を挙げた。
「先ほど、商人から提案されました」
「仕事が早い!」
ノアが振り返る。
「旗?」
「はい」
「……何本売れた」
「すでに三十本です」
「……」
ノアは黙った。
「魔王様?」
「いや」
ノアは深く息を吐いた。
「もう何も言うまい」
その頃、広場の隅ではガルドが一人の少女を見ていた。
少女は笑いながら、手拍子をしている。
「おじさん!」
「……なんだ」
「楽しいね!」
ガルドは答えられなかった。
この街では、長い間「騒がしくなるから」という理由で、人々が集まることを避けてきた。
祭りも減った。
音楽も減った。
いつの間にか、静かなことが良いことになっていた。
だが今、街はうるさい。
笑い声。
手拍子。
楽器。
店主の呼び声。
子どもたちの歓声。
ガルドは目を閉じた。
不思議と、不快ではなかった。
「……音楽は、街を乱すんじゃないのか」
誰に聞かせるでもなく呟く。
すると隣から老人の声がした。

「違うよ」
朝、最初に笛を吹いた老人だった。
「街が生きてるって、こういうことだ」
ガルドは老人を見る。
「……そうなのか?」
「ああ」
老人は笑った。
「久しぶりに、ここが街に見える」
その言葉を聞いて、ガルドは黙った。
やがて、ミキが演奏を止めた。
広場に静けさが戻る。
「みんな!」
人々がミキを見る。
「今日のライブ、まだ名前が決まってないんだけど!」
誰かが叫んだ。
「アステリア音楽祭!」
「普通すぎる!」
笑い声が起きる。
別の声が飛んだ。
「魔王軍歓迎音楽祭!」
今度は大きな拍手が起こった。
ミキはノアを見る。
「どうする?」
「……好きにしろ」
「許可?」
「好きにしろと言ったのだ」
「じゃあ決まり!」
ミキがベースを掲げる。
「アステリア魔王軍歓迎音楽祭!」
大歓声が上がった。
その瞬間、ガルドが前へ出た。
「待ってくれ」
広場が静かになる。
ガルドはミキの前に立った。
「私は、魔王軍の演奏を禁止した」
「うん」
「だが……訂正する」
ガルドは深く頭を下げた。
「今日だけは、この街で好きなだけ演奏してくれ」
ミキの顔がぱっと明るくなる。
「今日だけ?」
ガルドが少し困った顔をした。
「……まずは今日だけだ」
「じゃあ、明日は?」
「それは……」
街中から声が飛ぶ。
「明日もやれー!」
「明後日も!」
「週末までやってくれ!」
ガルドは頭を抱えた。
「……私一人では決められない!」
笑い声が広場を包む。
その中心で、ミキはベースを構え直した。
そしてノアを見る。
「魔王様」
「なんだ」
「これって、征服?」
ノアは広場を見渡した。
そこには、魔王軍の旗を振る人。
音楽を奏でる人。
笑う人。
踊る人。
そして、魔王軍を怖がっていたはずの人々。
ノアは少しだけ考えてから答えた。
「……少なくとも、昨日までのアステリアではないな」
ミキが笑う。

「じゃあ、大成功!」
再びベースが鳴った。
今度は誰にも止められなかった。
――第八話・完


《続きを読みますか?》
次回、第9話(王都編スタート!)をお待ち下さい‼️
#魔王軍万歳 🙌
「あとがき」
次回からは、(王都編、9〜17話)として、王家からの招待状を受け取った魔王軍音楽革命隊の王都アストリアスでの活躍が始まります。1週間ほどの間をとっての更新としたいと思います。しばらくお待ちください。
エンディング曲『 街ごと鳴らせ!ASTERIA RIOT 』の「歌詞」です
作詞/作曲:ミキ・ウェイブ 編曲:魔王軍音楽革命隊
鐘が鳴る 昼の街
時計塔が空を刺す
決められた静けさに
もう飽き飽きしてたんだ
誰が決めた? 誰が止めた?
この胸のビートまで
錆びついた街の扉
低い〜 音で蹴り開けろ!
窓が開く!
声が上がる!
笛が鳴る!
弦が叫ぶ!
ひとりじゃない
もう止まらない!
街ごと鳴らせ! ASTERIA!
石畳を震わせろ!
壊すんじゃない 奪うんじゃない
眠ってた音を呼び覚ませ!
叫べ! ASTERIA!
その声を空へ放て!
魔王の旗も 街の歌も
全部まとめて鳴らしちまえ!
HEY! HEY! HEY!
WE ARE ASTERIA!
パン屋の親父がリズムを刻む
酒場の女将が歌い出す
二階の窓から太鼓が飛んだ
「誰かそいつを叩いてくれ!」
ギターが吠える!
ピアノが跳ねる!
サックスが笑う!
トランペットが空を裂く!
お行儀なんて知らないさ
楽譜なんかも追いつかない
違う音ほど面白い
さあ、もっと混ざり 合え!
街ごと鳴らせ! ASTERIA!
時計塔まで揺らしてやれ!
上手いも下手も 敵も味方も
同じステージに立てばいい!
踊れ! ASTERIA!
この街全部が楽器だ!
誰かの命令じゃ止まらない
俺たちの音は俺たちのもの!
HEY! HEY! HEY!
WE ARE ASTERIA!
静かな街が いい街か?
誰も笑わない それでいいか?
音を消したら
心も消えるのか?
違う!
ここは生きてる!
俺たちは生きてる!
街ごと鳴らせ! ASTERIA!
屋根の上まで響かせろ!
笛も太鼓も 弦も声も
全部この街の宝物!
響け! ASTERIA!
誰にも止められない歌!
征服するなら 心を奪え
だけど自由は奪うなよ!
街ごと鳴らせ! ASTERIA!
今日からここがステージだ!
魔王も笑え! みんなも歌え!
この街全部が俺たちのバンド!
ASTERIA!
ASTERIA!
WE ARE ASTERIA!
「アステリア!…また、明日も、鳴し続けよう!」
HEY!
今回の使用プロンプトを配布している、トトさんの記事です。⬇️
トトさんの楽しいプロンプト集です。⬇️
【新版:魔王軍音楽革命隊シリーズ】
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