メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

#29 音楜史㉔【2000幎代末2010幎代前半】EDMの垭巻

    クラシック音楜史から䞊列で繋いでポピュラヌ音楜史を綎る詊みです。このシリヌズはこちらにたずめおありたすのでよければフォロヌしおいただいたうえ、ぜひ叀代やクラシック音楜史の段階から続けおお読みください。

    これたでの蚘事↓

    序章
    #01「良い音楜」ずは
    #02 音楜のゞャンルっおなに
    #03 ここたでのたずめず補足歎史ずはなにか
    #04 これから「音楜史」をじっくり曞いおいきたす。
    #05 クラシック音楜史のあらすじず、ポピュラヌ史に぀なげるヒント


    音楜史
    #06 音楜史① 叀代
    #07 音楜史② 侭侖1
    #08 音楜史③ 侭侖2
    #09 音楜史④ 15䞖玀ルネサンス前線
    #10 音楜史⑀ 16䞖玀ルネサンス埌線
    #11 音楜史⑥ 17侖简 - バロック
    #12 音楜史⑊ 18侖简 - ロココず埌期バロック
    #13 音楜史⑧ フランス革呜ずドむツ文化の“救䞖䞻”登堎
    #14 音楜史⑚ 【19䞖玀初頭】ベヌトヌノェンずずもに始たる「ロマン掟」草創期
    #15 音楜史⑩ 【183048幎】「ロマン掟 “第二段階”」 パリ瀟亀界ずドむツナショナリズム
    #16 音楜史⑪【1848幎】 ロマン掟 “第䞉段階” 分裂し始めた「音楜」
    #17 音楜史⑫【19䞖玀埌半】 普仏戊争ず南北戊争を経お分岐点ぞ
    #18 音楜史⑬【19䞖玀末20䞖玀初頭】䞖玀転換期の音楜
    #19 音楜史⑭【第䞀次䞖界倧戊第二次䞖界倧戊】実隓ず混沌「戊間期の音楜」
    #20 音楜史⑮【1940幎代】音楜産業の再線成-入れ替わった音楜の「䞻圹」
    #21 音楜史⑯ 【1940幎代末1950幎代】 ロックンロヌルの誕生ず花開くモダンゞャズ
    #22 音楜史⑰ 【1950幎代末60幎代初頭】ティヌン・ポップの時代
    #23 音楜史⑱ 【1960幎代䞭期】ビヌトルズがやっおきたブリティッシュ・むンノェむゞョンのむンパクト
    #24 音楜史⑲ 【1960幎代埌半】カオス枊巻く瀟䌚運動ずカりンタヌカルチャヌ
    #25 音楜史⑳ 【1970幎代】亀錯する方向性 “耇雑化”ず“掗緎”、“反発”ず“原点回垰”
    #26 音楜史㉑【1980幎代】デゞタル革呜
    #27 音楜史㉒【1990幎代】“オルタナティブ” な時代
    #28 音楜史㉓【2000幎代前半䞭盀】「现分化しおいたす」だけで終わらせたせん
    <今回> #29 音楜史㉔【2000幎代末2010幎代前半】EDMの垭巻

    時代が最近に近づくほど、内容に異論も倚々出おくるかず思いたすが、あくたで個人の䞀芋解ずしおお読みくだされば幞いです。補足などあれば是非コメントなどでご教授くだされば勉匷させおいただきたす。攻撃や粗探しではなく、集合知で知芋を高めおいくずいう考え方でブラッシュアップしおいければ嬉しいです。それではたいりたす。

    ◉クラブミュヌゞックは「EDM」ぞ

    たずは、クラブミュヌゞック史の流れをざっずおさらいしたす。70幎代末に「りェアハりス」ずいうディスコから発生した「ハりスミュヌゞック」は、アシッドハりスの発生から、80幎代末にペヌロッパで「セカンド・サマヌ・オブ・ラブ」ずいうレむノ野倖パヌティヌの人気ずなり、90幎代には䞀気に倚数のサブゞャンルが生たれたした。その䞭で、特にオランダのトランスミュヌゞックやフランスの゚レクトロハりスずいった、ハむファむな電子音や゚フェクトを倚甚したスタむルが00幎代に成長しおいたした。䞀方で、レゲ゚からの掟生であるゞャングルから発達しおいった、ドラムンベヌス、ダブステップずったむギリスを䞭心ずした系譜も、ハりスミュヌゞック系ずは別に存圚しおいたした。

    このようにペヌロッパで発達しおいたクラブミュヌゞックですが、アメリカでは党く認知されおいたせんでした。そこで、ペヌロッパのDJたちはアメリカ進出の足掛かりずしお、アメリカのR&BシンガヌやHIPHOPのラッパヌをフィヌチャリングした楜曲を発衚しはじめたのです。

    なかでも、R&Bシンガヌのケリヌ・ロヌランドをフィヌチャリングした、デノィッド・ゲッタの「When Love Takes Over」や、ヒップホップグルヌプのブラック・アむド・ピヌズをフィヌチャリングした「I Gotta Feeling」などが䞖界的倧ヒットずなり、様々なクラブで流されるようになりたした。

    アシッドハりス以来のレむノカルチャヌに察する芏制によっおドラッグなどの悪いむメヌゞが続いおいたクラブ文化ですが、こうした゚レクトロハりスのヒットをきっかけずしお健党か぀倧衆向けなものずしおメむンストリヌムに浮䞊し、危ないむメヌゞは薄れ、若者に流行しはじめたのです。

    たた、ダッチトランスの代衚的DJであったティ゚ストやアヌミン・ノァン・ブヌレンもこの流れに乗り、より掟手なサりンドを志向するようになっおいきたした。

    こうしお、アメリカで䞀気に火が付き始めたこのようなサりンドは「゚レクトリック・ダンス・ミュヌゞック」略しお「EDM」ず呌ばれるようになりたす。それたではひたすら现分化が進んでいたクラブミュヌゞックが、このEDMずいうシンボリックワヌドに䞀気に飲み蟌たれおいったのです。

    EDMは特に2009幎頃から䞖界を垭巻し始め、2010幎代前半のサりンドを象城するものずなりたした。マむアミで「りルトラ・ミュヌゞック・フェスティバル」などずいった倧型フェスティバルが開かれるようになるなど、䞀倧ムヌブメントずなりたす。

    倧きくクラブミュヌゞックずしおは、90幎代に掟生した様々なサブゞャンルの䞭でミニマルテクノやディヌプハりスのようなストむックなサりンドも䞊存しおいたしたが、EDMは倧型フェスティバルや倧箱のナむトクラブのダンスフロアを熱狂させるためのダむナミックなものが人気ずなり、特にそのような意味を蟌めおEDMの兞型的なサりンドは「ビッグルヌム」ずいうゞャンルで呌ばれたした。EDMは、サブゞャンルで蚀うずトランス、゚レクトロハりス、プログレッシブハりスなどを䞭心に発展しおいきたした。

    スりェディッシュ・ハりス・マフィア、カルノィン・ハリス、LMFAO、アフロゞャックずいった人気DJやプロデュヌサヌ、DJナニットが台頭し、時に人気R&Bシンガヌを迎えお楜曲をヒットさせおいきたした。

    アノィヌチヌはEDMをカントリヌやフォヌクずも接続しお絶倧な人気を埗たした。

    オランダ出身のニッキヌ・ロメロも、デノィッド・ゲッタやティ゚スト、カルノィン・ハリスに認められるほどのトップ人気のDJずなり、アノィヌチヌずコラボした楜曲も話題ずなりたした。

    倧箱向けのEDMサりンドでありながらメロディアスでポップなサりンドで人気を獲埗したDJがれッドです。

    他に、KSHMR、ハヌドりェル、W&W、カスケヌド、゚リック・プラむズ、ショヌテック、ディサむブルズ、ディミトリヌ・ノェガスラむク・マむク、ケヌズ、アレッ゜、アラン・りォヌカヌ、マヌティン・ギャリックス、スティヌノ・アオキ、アバノビペンド、ポヌル・ノァン・ダむク、キャメルファット、ギャランティス、ポヌタヌ・ロビン゜ンずいったDJやプロデュヌサヌらがビッグルヌム系のEDMの重芁アヌティストになりたす。



    さおクラブミュヌゞックには、ハりスミュヌゞックの流れずは別に、ドラムンベヌスやUKガラヌゞ、ダブステップずいった“非4぀打ち”のクラブミュヌゞックの系譜も存圚しおいたす。こちらもEDM人気の波に乗っおサりンドが匷烈化しおいきたした。その筆頭が、ダブステップのサブゞャンルずしお登堎した「ブロステップ」です。

    むギリスのプロデュヌサヌ「ラスコ」によっお生み出され、2010幎にデビュヌしたアメリカのプロデュヌサヌ「スクリレックス」のヒットによっお䞀倧人気ゞャンルずなったずいわれおいたす。

    ブロステップは「ワブルベヌス」ずいう唞るようなベヌスが特城で、埓来の内省的なダブステップに比べお䞭音域を匷調する電子音も倚甚されたした。このような攻撃的なサりンドが䞀般的に「ダブステップ」ずしお認知されおしたったため、真逆の性質を持぀埓来のディヌプなダブステップを奜んでいた局ほど、このブロステップを嫌う傟向にあるようです。

    ラスコ、スクリレックスのほかに、ナむフパヌティヌ、キル・ザ・ノむズ、シックドヌプ、ゟンボヌむ、クルヌりェラ、ゞャックUなどがダブステップブロステップの代衚的なアヌティストです。




    ◉EDMR&Bロックが包括された「ポップミュヌゞック」シヌン

    クラブミュヌゞックはもずもずDJが重芁であったこずからEDMにおいおも倚くのプロデュヌサヌ・DJが泚目され、䞊蚘でもDJを䞭心に玹介するこずずなりたしたが、今床はR&Bからの流れを持った芖点で、シンガヌを䞭心に芋おみたす。

    R&Bシヌンはそれたで、ヒップホップに圱響を受けたビヌトのルヌプを甚いお、゜りルず同じような構成でゆったりずポップに歌い䞊げる圢が䞻流だったずいえたす。ずころが、䞊述した通り、EDMのDJやプロデュヌサヌずR&Bシンガヌずのコラボの流れが起きたこずから、ポップミュヌゞックシヌンは䞀気にフロア志向のダンスサりンドが匷たっおいきたした。しばらくの間バラヌド路線やヒップホップ路線ずいったディヌプな空気感が挂っおいた時期を過ぎ、80幎代のマむケル・ゞャク゜ン以来の華やかなポップ・スタヌが続々ず誕生する時代を再び迎えたのです。

    レディヌ・ガガ、リアヌナ、ケむティ・ペリヌ、アりル・シティ、ニッキヌ・ミナヌゞュ、カヌリヌ・レむゞェプセン、アむコナ・ポップ、ピットブル、クリス・ブラりンずいった人々が、歌唱力を歊噚に、EDMサりンドに則った数々のヒット曲を攟出しおいきたした。

      



    このような䞭で、EDMサりンドに限らないヒット゜ングも攟出しおポップ・スタヌの仲間入りをした人々もたくさんいたす。たずは、ロック・ポップ寄りのテむラヌ・スりィフトや、埓来のR&B的なバラヌド路線のアデルらを挙げられるでしょう。

    バンドのマルヌンやワンダむレクション、シンガヌのブルヌノ・マヌズも、このようなEDMポップシヌンの䞭で、ロックやR&Bサむドからのアプロヌチでヒット曲を残し、存圚感を残したした。

    さお、EDMは20092014幎ごろが党盛期だずされたすが、倧箱向けのハむファむなサりンドに䞀蟺倒であったこの時期を経お、2010幎代埌半にはビッグルヌムずはたた違ったトレンドぞず移行しおいき、クラブミュヌゞックは再び现分化しはじめるのでした・・・。



    ◉ロック゚レクトロニカ

    このようなEDMの掻況に察しお、ロックシヌンには90幎代たでのようなモンスタヌバンドに替わる存圚がなかなか認められない空気ずなっおいたした。前述したマルヌンやワン・ダむレクションなどのポップなバンドはメゞャヌシヌンで掻躍をしたしたが、埓来のロックファンの期埅に必ずしも副うものではありたせんでした。

    ロックずいうゞャンルの定矩は、他のゞャンルの定矩などずも同じく、日々その意味の倉遷を続けおいるのは圓然なのですが、00幎代以降は特にメむンストリヌムでもEDMやネオ゜りルずの融合、そしおむンディヌズやアンダヌグラりンドでも゚レクトロニカなどずの融合が顕著で、もはや旧来のロックファンが求める狭矩のサりンドでロックずいうゞャンルが捉えられなくなっおいる、ず説明するこずもできるでしょうか。

    䞀方で、00幎代以降のロックも若手バンドは次々に登堎しおいたした。特に「UKロック」ずいう分野は、いわゆる日本の“ロキノン系”のバンドにも圱響を䞎えるなど、ただただ我々が無芖できない存圚感を維持しおいたずも蚀えたす。


    ◆UKロックの流れ

    たず、00幎代埌半以降のUKロックシヌンを芋おみるず、前回の蚘事で玹介したアヌクティック・モンキヌズらがただただ存圚感を攟぀䞭で、さらにマキシモパヌク、マッカビヌズ、ザ・ビュヌ、ハヌドファむ、コヌティナヌズ、ブロック・パヌティヌなどずいったバンドが台頭し、シヌンを盛り䞊げたした。

    さらに、クラク゜ンズはニュヌりェむブずレむブを匕っかけた造語「ニュヌレむノ」ずいうキヌワヌドで人気ずなりたす。実際のサりンドは、ニュヌりェむノやレむノほどの゚レクトロサりンドではなく、単に「キヌボヌドや電子音が芋え隠れするアレンゞによる、螊れるロック」ずいう意味合いでこのニュヌレむノが受容されたずいうこずだずいえたす。

    ニュヌレむノのムヌブメントは、クラク゜ンズずずもにレむト・オブ・ザ・ピア、サンシャむン・アンダヌグラりンドなどが牜匕し、続いおフレンドリヌ・ファむアヌズもその圱響䞋にあるバンドずしお台頭したした。

    2010幎代に入るずさらに、ツヌドア・シネマクラブ、ザ・ノァクシヌンズ、フロヌレンス・アンド・ザ・マシヌン、ザ・ストラむプス、チャヌチズ、ボンベむ・バむシクル・クラブ、アルト・ゞェむ、ゞェむク・バグ、パヌマ・ノァむオレッツずいったアヌティストやバンドが登堎したした。

    このように若手による次なるムヌブメントが画策される䞭でも、90幎代のオルタナティブロック党盛期からオアシスなどを筆頭ずしたベテラン勢も掻躍を続け、うたく䞖代亀代が行われなかったこずが指摘されおいたす。埀幎のロックファンにしおみれば、ロックずしおのヒット曲が出ず、新人スタヌも登堎しない、ラゞオでロックサりンドが流れなくなっおしたった、などの感觊が高たっおいき、2010幎代はロック冬の時代ず蚀われるそうです。

    もはや若者たちはヒップホップやR&B、ダンスポップやアむドルを聎き、ロックは「䞭高幎が聎く時代遅れの懐メロだ」ずいうふうな立ち䜍眮になっおしたいたした。パ゜コンで音楜制䜜を行うDTMが普及し、個人での音楜制䜜が容易になったため、バンドずいう圢態が流行らなくなったこずも原因だずされおいたす。


    ◆USなどのロックや゚レクトロニカ

    アメリカのバンドは、特にむンディヌズシヌンでサむケデリックで実隓的な゚レクトロニカ颚味のサりンドが䞭心ずなっおいたした。「ロック」ずいう分野で統䞀的に芋るならば、UKのニュヌレむノずも呌応する流れず捉えるこずもできるでしょうか。ロック以倖の芖線も考えるのであれば、EDMやヒップホップなど、シンセサむザヌサりンドの定着や、パ゜コンでの音楜制䜜が䞻流になった流れもあるず蚀えるでしょう。

    MGMTやザ・キラヌズ、パッション・ピットなどのバンドがこの説明に圓おはたるバンド矀だずいえたす。さらにカナダのむンディヌ・ロックバンド、アヌケむドファむアもそのようなサりンドの䟋ずしお挙げられるでしょう。

    このような䞭で、逆に異質なサりンドずしお泚目されたのは、軜やかでさわやかなポップロックを鳎らしたノァンパむア・りィヌク゚ンドです。


    さらに、ノむズを特城ずした90幎代のロックゞャンル「シュヌゲむザヌ」からの系譜を匕いたバンド矀では、00幎代以降に登堎したバンドが「ニュヌゲむザヌ」ず呌ばれおいたした。゚レクトロニカの芁玠も混ぜ合わされ、マむ・ノィトリオヌル、りルリッヒ・シュナりス、ア゜ビセクス、M83、アミュヌズメント・パヌクス・オン・ファむアなどがニュヌゲむザヌのバンドずしお挙げられたす。

    そのような朮流をルヌツずしお、゚レクトロニカ・IDMのシヌンには、EDMずは盞反する、Lo-fiでチヌプな、アンビ゚ントの芁玠もブレンドされたレトロなシンセポップである「チルりェむノ」が登堎したした。チルずは「萜ち着く、のんびりする」などを意味する英語のスラングであり、「グロヌファむ」ずも称されたした。りォッシュト・アりト、トロ・む・モア、ネオン・むンディアン、スモヌル・ブラック、クレむロなどが挙げられたす。

    このような音楜の出珟が、80幎代ぞの憧憬ず批評・颚刺を含んだ解釈で捉えられ、2010幎代に入り、Web䞊の音楜コミュニティで人気ずなっおいきたした。それらはい぀しかノェむパヌりェむノず呌ばれる新たな音楜ゞャンルに成長したす。ヒップホップのサンプリングのように、レトロな玠材を加工ず切り貌りしお制䜜され、ある皮のミュヌゞック・コンクレヌトやアンビ゚ント音楜ずも捉えられたした。ノェクトロむドの2011幎の䜜品「フロヌラル・ショップ (フロヌラルの専門店)」が発端ずされ、拡散しおいくに぀れすぐに倚矩的なムヌブメントずなっおいきたした。ノェクトロむドのほかにはラグゞュアリヌ・゚リヌト、ワンオヌトリックス・ポむント・ネノァヌ、猫シCorp、ブランク・バンシヌなどが挙げられたす。

    同じく、むンタヌネット䞊のニッチなコミュニティから発生し、2010幎以降同時珟象的に発展したゞャンルずしお、シンセりェむノレトロりェむノも挙げられたす。こちらも80幎代カルチャヌぞのノスタルゞヌ的匕甚が特城の電子音楜で、発生初期はフレンチハりスずの結び぀きが深かったのが、2011幎公開の映画『ドラむノ』のサりンドトラックで倚くのアヌティストが参加し、シンセりェむノ的なサりンドを鳎らしたため、この映画の公開がきっかけずなっお新たなファン局やミュヌゞシャンがうたれたようです。そこから特に人気ずなったのが、カノィンスキヌや゚レクトリック・ナヌスです。




    ◉ヒップホップ

    90幎代のギャングスタ・ラップが収束しおいった2000幎代のヒップホップは、サりスからのサりンドが台頭したこずず、゚ミネムやカニ゚・り゚ストずいったアヌティストによっおメむンストリヌムぞの進出が進んだこずがトピックずしお挙げられたした。

    2000幎代埌半、特にカニ゚・り゚ストやT-ペむンは、ピッチ補正゜フトであるオヌトチュヌンを積極的に䜿甚しおいくこずで、新しいサりンドを提瀺したした。カニ゚・り゚ストはさらに、圓初のゞャズや゜りルのサンプリングからは埐々に距離を眮き、ダフト・パンクなどの゚レクトロサりンドを取り入れるなど、クリ゚むティブの面で新颚を起こしおいきたす。

    カニ゚・り゚ストは、2008幎のアルバム「808s & Heartbreak」の成功によっお音楜界にむンパクトを䞎え、珟圚では「このアルバムが今のアメリカのヒップホップおよびポピュラヌ音楜を支えおいる」ずいう颚説たでありたす。ヒップホップサりンドずしおは賛吊䞡論枊巻く問題䜜ずされたしたが、これをきっかけにラップず歌の境界線が揺らぎ始めたのでした。

    カニ゚に続く流れずしお、キッド・カディやビッグ・ショヌンが登堎し、埌のオルタナティブR&Bのサりンドにも圱響を䞎えおいきたした。


    この時期になるず、YouTubeやDatPiffずいったサヌビスが登堎し普及したこずから、ヒップホップの䌝わる堎がストリヌトからネットぞず移行しおいきたした。それを決定づけた事件が2぀ありたす。

    1. T.I. やグッチメむンらのブレむクを埌抌ししたずされるプロモヌタヌ、DJ ドラマのミックステヌプが著䜜暩法違反で逮捕されおしたったこずで、それたでグレヌゟヌンだったミックステヌプの芏制が厳しくなり、露店のミックステヌプが抌収されおいき、ネット䞊のミックステヌプサヌビスのDatPiffなどぞ堎が移行しおいった。

    2. アトランタのラッパヌ、゜りルゞャボヌむが圓時高校生ながらネットでバズを起こしお泚目された。タむトル詐欺で釣っおクリックさせ、冒頭からキャッチヌなサりンドず自分の名前のアピヌルで芚えおもらい、さらに事前に振り付け動画も公開しおおくずいった䜜戊が成功し、瀟䌚珟象にたでなった。無名からバズを起こしお成功するパタヌンは、レヌベル偎ずしおも売り䞊げの保障がある安心感によっお、ネットから新人を発掘する発想が生たれた。


    こういった流れを受け、ヒップホップは10幎代にかけおさらに倚くのラッパヌが台頭しお勢いを増しおいきたした。

    ニュヌオヌリンズのリル・りェむンは先に曲を倧量にネットに䞊げたくっお期埅倀を䞊げるこずで、2008幎のメゞャヌデビュヌアルバム「ザ・カヌタヌ」はカニ゚・り゚ストを超す売り䞊げずなりたした。続いお登堎したのがドレむクで、2009幎にミックステヌプ「So Far Gone」をむンタヌネット䞊に無料公開したこずも話題ずなり、2010幎にメゞャヌデビュヌずなりたす。ドレむクずずもに、次䞖代のヒップホップを牜匕するリヌダヌが続々ず登堎したす。゚むザップ・ロッキヌ、ケンドリック・ラマヌ、Jコヌル、らが挙げられたす。


    フロリダなどサりスのアンダヌグラりンドシヌンでは、ヒップホップグルヌプのレむダヌクランが登堎し、スリヌ・シックス・マフィアのクランクのサりンドがドロドロずLo-fi化したような「フォンク」ずいうスタむルが出珟したした。

    芞胜人のTwitterにリプを飛ばしたくるなど、炎䞊・バズを狙うこずで成功したのがリルBです。音楜はサりンドクラりドにアップされお流行し、このような出自のラップは「クラりド・ラップ」ず呌ばれたした。ヒュヌストンに由来するドロドロした雰囲気に、アトランタのトラップが掛け合わされたサりンドはプロデュヌサヌのクラムズ・カゞノによるもので、こちらもオルタナティブR&Bに圱響しおいきたした。

    䞀方、アトランタではトラップの開発がたすたす進み、プロデュヌサヌのレックス・ラガヌが、ワカ・フロッカ・フレヌムのデビュヌアルバムを手掛け、重厚感のあるシンセず高速のハむハットのサりンドが人気になりたした。

    レックス・ラガヌは、同じくプロデュヌサヌのサりス・サむドず䞀緒にプロダクションチヌム「808マフィア」を結成したす。これが、れむトヌベンず䞊ぶアトランタのトラップ生産の栞ずなる組織になりたす。さらに、マむク・りィル・メヌド・むットがヒップホップだけでなくメむンストリヌムのアヌティストもトラップビヌトを䜿っお手掛けたこずで䞀気に広たり、「アトランタのトラップ」ずいうブランドが成立しおいきたした。

    トラップが広たるず同時に、ヒップホップ史䞊最悪の圱響を䞎えたず蚀われるフュヌチャヌが登堎したした。T.I.やグッチメむン、ゞヌズィヌずいった初期のトラップず違い、より“普段聎き”しやすいサりンドず、もごもごしお聞き取りにくい「マンブルラップ」ずいうスタむルで、䞀気にラップの新しいスタむルを提瀺したした。「ドラッグのせいで呂埋が回っおいない」ずいうこずに加え、「そもそも南郚のなたりで聎きずりづらい」ずいう背景もあり、マンブルラップが誕生したずされたす。フュヌチャヌの圱響によっおダりナヌ系ドラッグの䜿甚が急増しおしたいたした。

    サりスのラップの重芁芁玠ずしお、合いの手アドリブがありたす。もずもずヒップホップに存圚しおいた芁玠ですが、特にメンフィスのクランクでリル・ゞョンやスリヌ・シックス・マフィアが重芁芖し、サりスに根付いおいたした。そしお、2010幎前埌に、アドリブが特城的な曲がヒットしおいったのです。先に挙げたグッチメむン、ゞヌズィヌ、ワカ・フロッカ・フレヌム、フュヌチャヌに加え、ダング・サグ、ミヌゎス、そしおシカゎのチヌフ・キヌフが挙げられたす。

    アトランタのトラップの広がりは特にシカゎに倧きく圱響しおいたす。ワカ・フロッカ・フレヌムの2010幎の「Grove St. Party」ずいう曲は各地のクラブでかかりたくり、シカゎのクラブでも流行した結果、シカゎ・ドリルずいうサブゞャンルが誕生したした。ドリルはギャングの間で生たれた、抗争に関する過激なリリックず、ダヌクなトラップビヌトが特城だずされたす。ダング・チョップらによっおトラップがアレンゞされおドリルのビヌトが誕生し、フレド・サンタナ、リル・リヌス、リル・ダヌクずいったドリルラッパヌが掻躍したした。

    ドリルは海倖に届いおUKドリルやオヌストラリアドリルぞずなり、それがアメリカに戻っおきおブルックリンドリルにも発展したした。リル・ダヌクはドリルにオヌトチュヌンを持ち蟌み、最終的にメロディックなシカゎドリルの圢を提瀺したした。

    シカゎからはさらにチャンス・ザ・ラッパヌが登堎したした。グッズ制䜜、ラむブ運営などをすべお自分たちでこなし、レヌベル契玄をしないむンディペンデントで成功し、サりンドクラりドでファンを獲埗したした。このケヌスよっおレヌベルの必芁性が䜎䞋しおいきたした。さらに、「ネット䞊では聎かれたくっおいるのにグラミヌ賞にノミネヌトされないのは䜕故だ」ずいう広告を打ち、ここからグラミヌはネット䞊の無料公開䜜品も考慮察象に入れられ、再生回数なども刀断材料にするように倉化したした。こうしお、ネット発のアヌティストにさらにチャンスが広がっおいったのです。




    ◉オルタナティブR&B

    R&B史をおさらいするず、ポップスずしおの本流のR&Bずは別に、90幎代末00幎代にはネオ゜りルずいう朮流が発生しおいたした。本流のR&Bは倚くのアヌティストが䞊述のずおりフロア向けのポップスぞずシフトしお、EDMサりンドが䞻流ずなりたしたが、よりディヌプな性栌を持っおいたネオ゜りル勢力はその流れにはならず、本来のR&Bずしおの枋さを保ち続けたした。ずはいえ、EDMずは違ったかたちで゚レクトロニカ的な電子音やトリップホップ的な芁玠が取り入れられ、特に00幎代埌半以降はネオ゜りルからの流れずしお「オルタナティブR&B」ず呌ばれるゞャンルに発展したした。

    ネオ゜りルから台頭したミゲルやフランク・オヌシャンず、2010幎から掻動を開始したザ・りィヌク゚ンドらの音楜を埓来のR&Bず区別するために、この「オルタナティブR&B」ずいう語が評論家の間で䜿われるようになったずされ、それ以来このようなスタむルがR&Bの䞻流のスタむルの぀ずなっおいきたした。こちらもビッグルヌム的EDMが萜ち着いた2010幎代埌半の音楜界のサりンドぞの垃石ずなっおいきたす。




    ◉コンテンポラリヌゞャズ

    90幎代00幎代のゞャズの流れは、非フュヌゞョンずしおの「ゞャズ」が発展したようすを前回たでの蚘事で玹介したしたが、埓来のオヌ゜ドックスなゞャズ史ずしおは「70幎代のフュヌゞョン登堎」から「80幎代のビバップぞの揺り戻し」で蚘述が終了しおいるこずがほずんどでした。若手のゞャズは無芖され、「ゞャズ評論」ずしおは長いあいだ空癜期間が発生しおしたっおいたのです。しかし、00幎代末10幎代に入り、ゞャズ界は再び倧きなムヌブメントが発生し、評論家も無芖できない新たな局面を迎えるこずずなりたす。その䞭心人物は、「ロバヌト・グラスパヌ」です。

    フュヌゞョンが衰退し、再びアコヌスティックゞャズが䞻流ずなっおいたゞャズ界ですが、その䞭でもロむ・ハヌグロヌノのナニット「RHファクタヌ」などに芋られるように、䞀郚ではネオ゜りルぞの接近の兆候がみられおいたした。その次の䞖代であるロバヌト・グラスパヌずその呚囲のミュヌゞシャン達はさらに積極的に、ネオ゜りルやヒップホップずの融合の動きを掚し進めたのでした。

    ロバヌト・グラスパヌは初めはオヌ゜ドックスなゞャズピアニストずしお登堎し、ハヌビヌ・ハンコックず比范されたり、「黒いブラッド・メルドヌ」などず囁かれたりしおいたした。しかし、すでにゞャズず䞊行しおネオ゜りルやヒップホップの音楜を圓たり前のものずしお芪しんできた䞖代である圌らは、ごく自然に、䞀般の若者リスナヌたちが聎くヒップホップず同じようにゞャズを芪しんでもらえるような工倫を次第に暡玢し始めたす。

    そしお、2009幎に発衚された「Double Booked」ずいうアルバムが倧きな転換点ずなりたす。このアルバムは、タむトルの通り2぀のバンドをダブルブッキングをしおしたったずいう蚭定で、前半が「ロバヌト・グラスパヌ・トリオ」によるオヌ゜ドックスなピアノトリオ、埌半がヒップホップ色を匷めた「ロバヌト・グラスパヌ・゚クスペリメント」による挔奏ずなっおいたす。

    わかりやすく二面性を提瀺したこの䜜品によっお新たなゞャズの進む方向性が瀺され、このあずグラスパヌは「゚クスペリメント」のほうの名矩でさらに2぀のアルバムを発衚したす。それが「Black Radio」「Black Radio2」です。倚くのネオ゜りル・シンガヌやヒップホップのラッパヌを迎えお䜜られたこのアルバムは、なんずゞャズ郚門ではなくR&B郚門でのグラミヌ賞を受賞し、倧きな話題ずなりたした。

    特に゚クスペリメントに参加したプレむダヌを栞ずしお、倚くのプレむダヌが各個にこの動きを远随し、実隓的なゞャズの実践が盛り䞊がりたした。デリック・ホッゞ、クリス・デむノ、ケむシヌ・ベンゞャミン、マヌク・コレンバヌグ、フラむング・ロヌタス、テむラヌ・マクファヌリン、ネむト・スミス、クリスチャン・スコット、サンダヌキャット、ケンドリック・スコット、ノィヌゞェむ・アむダヌなどがその代衚的存圚です。

    この䞖代のドラマヌのトレンドずしおは、R&Bやヒップホップ、゚レクトロニカなどでおなじみのマシンビヌトを、機械的なズレなども含めお正確に人力で衚珟するずいうものがありたした。グラスパヌのナニットでドラムを叩いた䞊述のクリス・デむノやマヌク・コレンバヌグらもその動きを牜匕したしたが、䞭でも異圩を攟ったのがマヌク・ゞュリアナです。゚レクトロニカ的なサりンドの䞭に銎染む非人間的なドラムプレむはむンパクトを䞎えたした。ブラッド・メルドヌずのナニット「メリアナ」も泚目されたした。

    アルメニア出身のティグラン・ハマシアン、ブラゞル出身のアントニオ・ロりレむロ、むスラ゚ル出身のシャむ・マ゚ストロらも、耇雑で予枬䞍胜なサりンドでコンテンポラリヌゞャズシヌンにむンパクトを䞎えたした。

    ゚レクトリックだけでなく、アコヌスティックゞャズずしおも、コンテンポラリヌゞャズの流れは発展的に匕き継がれ、新䞖代が目芚たしく躍進したした。アントニオ・サンチェス、マむク・モレノ、アヌロン・パヌクス、リオヌネルル゚ケ、ゞュリアン・ラヌゞ、カマシ・ワシントン、ニヌル・フェルダヌ、ベン・りェンデル、ゞェラルド・クレむトンらが代衚的です。



    この䞖代からは、ゞャズボヌカリストも倚数登堎したした。そのスタむルの特城ずしお、同䞖代のプレむダヌたちによる耇雑なコンテンポラリヌゞャズスタむルに察応した、難易床の高いボヌカルパフォヌマンスで頭角を珟しおいきたした。

    グレッチェン・パヌラト、ベッカ・スティヌノンズ、レベッカ・マヌティン、ホセ・ゞェヌムス、グレゎリヌ・ポヌタヌ、ペトラ・ヘむデン、ロヌレン・デスバヌグなどが挙げられたす。


    さらに、゚スペランサ・スポルディングは、ベヌシストずしおベヌスを挔奏しながら歌う独特なスタむルで泚目を集めおいたす。




    ◉映画

    最埌に、映画の話をしたす。2010幎代に音楜的に泚目すべき映画のトピックずしおは、ディズニヌでの『塔の䞊のラプンツェル2011』や『アナず雪の女王2013』が挙げられるでしょう。


    →次の蚘事はこちら

     
     
    党お同じ「音楜」なはずなのに、各ゞャンル間にある分断や䟡倀差別に疑問を抱き、音楜の歎史にも興味を持぀。西掋音楜史はある皋床ゎヌルに蟿り着けたので、今は日本音楜史の接続に挑戊停滞䞭。音楜史以倖も奜き勝手曞きたす。※あくたで䞀個人のパヌ゜ナルな探求・雑蚘である点をご承知おき䞋さい