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【完結枈】たぎっお、冷える【神無月狂想】ep.9/11

    そんなに、芋぀めるなよ。

    玔平に蚀われお、俺はハッずした。
    「は」
    い぀芋おも、玔平のニダ぀き顔は憎たらしい。
    䞀幎前はただ幟分かマシだった気がするのだけれども、殊こずに最近は粘り気が増しおいる。

    煮詰たり過ぎた思春期ずでもいえば聎こえはいいかもしれないが、俺はどうにもそんな前向きにずらえおやるこずはできない。
    自分の奥底にも、こんなどろどろに粘った心情的春めきが煮えたぎっおいるのだずしたら  
    震えが背筋せすじを這い䞊がっおきた。
    たたらず頭を振る。

    「で、井䞊。お前、なに芋おんの。」
    別に、ず適圓にあしらっおコップの䞭の氎を飲み干した。
    ぀いでにひず぀、氷を口に含んだ。
    力任せに奥歯で砕く。
    鈍く、錆びた金属の味がした。
    痛みはない。
    やりかけた舌打ちは、頬の裏の痺れの䞭ぞず消えた。

    癜石は自分の前に眮かれた皿を芋぀めたたた固たっおいる。
    膝に乗せた手は、固く握り蟌たれおいた。
    皿から䞊がる湯気は、もうずいぶんず薄らいでいる。

    「怋りょうくヌん 食べないのヌ」
    玔平が癜石の巊頬を぀぀いた。
    「やきそばさんずにらめっこしないよヌ」
    「やめろっお。」
    癜石はされるがたただった。
    巊頬に次いで額、肩、脇腹を぀぀かれおも埮動だにしなかった。
    耳にフッず息を吹かれたずきは、さすがに手で払っおいたけれども。

    そもそも、やきそば、、、、ではない。
    皿うどんだ。
      俺もたった今、気付いたずころだけれど。

    「もヌらい。」
    玔平ぱビを぀たみ䞊げ、そのたた自分の口ぞ攟り蟌む。
    途端に湯気が濛々もうもうず立ちのがった。

    内郚はただ、熱を持っおいるらしい。
    衚面的には冷めきっおいるのに、その内偎はただ熱くたぎっおいる。

    玔平の箞が再び䌞びおきた。
    「やめろよ。」
    箞が床に転がった。
    䞀瞬、玔平ず目があった。
    俺が、悪わりい、ず蚀うよりも早く、玔平は顔の前で手を鳎らし、片目を閉じた。
    どうしちゃったんだよ、ず軜く笑い飛ばしながら玔平の頭はテヌブルの䞋ぞ朜っおいった。

    癜石は、゚ビが䞀匹さらわれた皿を芋぀めおいる。
    その皿の瞁で、怎茞がひっくり返っおいた。
    波打぀襞ひだから逡が滲み出しおいる。
    膝の䞊に眮かれた手は、震えおいた。

    ──だから蚀ったのに、だから  

    テヌブルを囲む党員が食べ終えるか食べ終えないかになった頃になっお、ようやく癜石は箞を持った。
    玔平がたたこちらを芋おいる気がしお、俺はもう䜕も残っおいない皿を぀぀いおいた。

    隣からカリカリカリカリ、音がする。
    俺は぀い、笑っおしたった。
    猫の゚サ──いや、癜石に蚀わせれば「猫のお食事」みたいな音だ。

    暪目で盗み芋る。
    癜石は、逡のかかっおいない麺だけをかじっおいた。
    ひずくち、ひずくち、やたらに慎重に。
    箞の先に、隠しきれない怯えが挏れ出おいた。
    䟝然ずしお、怎茞はひっくり返ったたたになっおいる。

    「なんですか、みんなしお  」
    心现げな声だった。
    その「みんな」の䞭には、俺も含たれおいるのだろうか。

    箞が前から暪から、癜石の皿めがけお䌞び始めおいる。
    「もヌらい。」
    たた、玔平だ。
    奎はおらおらずぬめり光る怎茞を぀たみ䞊げた。
    「あ、それ  」
    党おがスロヌモヌションになった。
    いや、違う。
    わざずだ。
    逡がかさの襞を぀たい、ためらいながら皿ぞ萜ちおいく。
    がたがたず、萜ちおいく。
    これ芋よがしに、ゆっくりず。
    怎茞は奎の口の䞭ぞ吞い蟌たれおいった。
    咀嚌音を聎きながら俺は、完党に意味䞍明の苛立ちに身悶えした。

    「なんだよ、井䞊。奜きなの」
    玔平の口の端が逡でベタ぀いおいる。
    ベタベタに汚れた口元がもごもごず動くさたは、やたらに苛だたしかった。
    玔平の喉の骚がぐっず䞊がり、すずんず萜ちる。
    「ああ。倧奜物だよ。」

    逆さたを蚀った。
    本圓は俺、怎茞はそんなに奜きじゃない。
    正盎に蚀えば、苊手だ。

    玔平の勝ち誇ったような顔が可笑しくお、俺は笑いを吹いた。
    食いもんの恚みは怖えなあ、ずかなんずか蚀いながら、自分のデザヌトの杏仁豆腐を癜石の口に突っ蟌んでいる。
    嚥䞋が远い぀かないのか癜石の喉からもがくような声が挏れた。
    箞の先がテヌブルを汚しおいる。

    四方八方から䌞びた箞は、瞬く間に皿を空にした。

    結局、俺が守り抜いたむカは玔平の手䞭  胃に萜ちた。
    ぀いでに、怎茞も。

    癜石は杏仁豆腐を掬う。
    俺は最埌の氷を舐める。

    腹が満たされ、あくびの移し合いが始たった。

    「そんなに、芋぀めるなよ。」

    どこからずもなく声がしお、口の䞭が冷たくなった。


    #井䞊ず癜石  、
    修孊旅行もそろそろおしたいになる、そんな日の昌食でした。

    修孊旅行線は井䞊に先行しお癜石の䜜文線を公開しおいたした。

    ↑
    この二人の話、党郚入り。

    ↑
    井䞊線、順番に䞊べたした。

    ↑
    空蝉文庫の新刊です。
    嘘です。

    ↑
    ゆきお様・解説
    井䞊・癜石・玔平の関係性ずは
    皿うどん

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    ラブラドヌルの匂いで肺を満たしたいアラりンドサヌティ。 9歳児に芪育おされおいる本末転倒人間。 文字に嫌われた人間が、し぀こく文字を掻き集める滑皜な姿を東京の片隅からお送りしおおりたす。 ※連茉小説も基本的には䞀話完結ずしお読める構成を目指しおいるので、おじけづくこずなかれ。

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